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動物まめ知識

犬の系統 〜ウチの子とあの子は意外と近い仲?! 〜【動物まめ知識】

「犬の種類っていっぱいあるけれど、うちの子の先祖ってどんな犬かな?」そんなことを思ったことはありませんか? 人間に原始時代があったように犬にも起源があり、それが長い長い過程によって徐々に改良し、今の犬種に分かれました。
今回は犬の系統を追って、犬同士の近い関係をみていきましょう。もしかしたら、隣のお家の犬は人間でいう「親戚」かもしれませんよ。



★うちの子の先祖はどんな犬?★

犬の先祖はオオカミと言われていますが、それよりもさらに古代の先祖は「トマークタス」という動物でした。それから徐々に人間の手により現代の犬に改良されていったとされています。では、自分が飼っている犬はオオカミからどのような経緯をたどって今のようになったのでしょうか?
オオカミから徐々に容姿や使用目的で分化・改良されていった犬種は、大きく4つのグループ(A〜Dと書きます)に分けることができます。これら犬たちの多くは現在何百種類といる犬種の祖先となっています。



次に、これらをグループ別に見ていきましょう。


★Aグループ★

Aグループは「シープドッグ系」の犬種で、まさに牧羊犬に属する犬が多いのが特徴です。【ラフ・コリー】以外はさほど改良されておらず、同じ形で現在も親しまれています。  
ラフ・コリーは【オーストラリアン・キャトル・ドッグ】【ウェルシュ・コーギー】【ボーダー・コリー】【シェトランド・シープドッグ】【スムース・コリー】などの先祖にあたります。さらに各国で理想的な牧羊犬として【オーストラリアン・ケルピー】【オーストラリアン・シェパード】【ベルジアン・シェパード・ドッグ】などの犬種が後に誕生しました。
このグループの犬種をよく見ると、スッとした長い鼻やピンと立った大きな耳という共通性がありますね。






★Bグループ★

Bグループの犬は1つの祖先からそれぞれシベリア、中央アジア、ヨーロッパに分かれて広がっていきました。
【サモエド】はシベリア原産の犬で、いわゆる「北方犬種」スピッツ系と言われる【ポメラニアン】【スピッツ】【キースホンド】【ノルウェジアン・エルクハウンド】などの先祖にあたります。その中のスピッツは、その後さらに【アラスカン・マラミュート】【シベリアン・ハスキー】【日本スピッツ】に改良されました。
スピッツは【北海道犬】【秋田犬】【紀州犬】【四国犬】【甲斐犬】【柴犬】といった日本犬の原型にもなっています。【土佐犬】は四国犬にブルドッグやマスティフ、ブルテリアなどの洋犬を掛け合わせているため、他の日本犬とは少し容姿が異なります。
そして、ポメラニアンが分化した犬種に【スキッパーキ】や【チワワ】が属します。
サモエドを基とするこの犬種たちは、鼻先が尖っていて毛が密であるところが似ています。よく見ると、ポメラニアンはとても小さなサモエドのようですよね。
さらに、サモエドを先祖に持つショック・ドッグという犬種が主にヨーロッパで改良され「スパニエル系」が誕生しました。そしてスパニエル系を鳥獣犬として活躍させるため改良を重ねた結果、【プードル】【パピヨン】【ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル】【クランバー・スパニエル】【イングリッシュ・コッカー・スパニエル】【アメリカン・コッカー・スパニエル】【イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル】といった数多くの犬種が作られました。そのスパニエル系に狆やパグなどの鼻の短い犬をかけ合わせ作られたのが【キング・チャールズ・スパニエル】、それをさらに小型化して【キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル】が誕生しました。
これらの犬種はすべて遠い親戚ということになるので、先祖をたどると実は身近にいる「パピヨン」と「プードル」も、サモエドを先祖としている共通点から意外と近い仲なのです。
そしてその後、スパニッシュ系を改良して「ポインター系」が作られました。そのポインター系に【ブラッドハウンド】がかけ合わされ誕生した犬種が【イングリッシュ・ポインター】や【ジャーマン・ショートヘアード・ポインター】、【ワイマラナー】や【ビズラ】などです。これらの犬種にはスラッとした体型や短毛の毛、小判型の垂れた大きな耳など、たくさんの共通した特徴がありますね。しかし、ここまで改良を重ねて時が経つと、先祖となるサモエドとはかなり体型が変わっています。
そのほかにもポインター系は数多くの改良に用いられました。ポインター系とグレート・デーンから【ダルメシアン】が作られました。ポインター系にスパニエル系を交配して作られた【イングリッシュ・セター】は、セター系の中で最も古い歴史を持つといわれています。そのイングリッシュ・セターを改良して後に【アイリッシュ・セター】や【ゴードン・セター】が誕生しました。
このように系統をたどっていくと、サモエドはすべての犬種の中で一番子孫を持っている犬種といっても過言ではないでしょう。

ラサ・アプソ
【ラサ・アプソ】は2000年以上前からチベットで飼育されていることが知られている犬種です。これを改良して【ペキニーズ】【チベタン・スパニエル】が誕生し、ラサ・アプソとペキニーズをかけ合せて作られた犬種が【シー・ズー】です。この4犬種を並べて見たら、そっくりな容姿にきっと誰もが「この子たち、近い関係でしょう!」と言ってしまうでしょう。
マルチーズ
【マルチーズ】は3000年以上の歴史を持つ古い地中海の犬種で、ここから、容姿が似ている【ビション・フリーゼ】や【ボロニーズ】が誕生しました。マルチーズもビション・フリーゼもボロニーズも、みんな毛色が真っ白という共通点があります。昔は白以外の毛色のマルチーズも存在したのですが人為的に真っ白な毛色同士を選んで交配を重ねた結果、きれいな純白のマルチーズが誕生したといわれています。





★Cグループ★

Cグループの祖先となるサルーキはサイトハウンドと呼ばれ、顔も体つきもほっそりとしているという特徴があります。ここからもさまざまな犬種が誕生しました。
サルーキ
【サルーキ】は【ボルゾイ】【アフガン・ハウンド】【グレーハウンド】【イタリアン・グレーハウンド】などの先祖にあたります。きゅっと締まったウェストで足の長い容姿という共通点がありますね。アフガンハウンドは多くの品種改良に使われ、【ビーグル】【ダックスフンド】【ゴールデン・レトリバー】などの先祖にもあたります。そう言われれば、「ゴールデン・レトリバーとダックスフンドの顔って似ている」という会話をよく聞きませんか?
その後、アフガン・ハウンドとブラッド・ハウンドから【バセット・ハウンド】が誕生しました。アフガンハウンドのようなスラッとした美しい容姿から胴長短足のダックスフンドやバセット・ハウンドが作られたというはちょっと意外ですね。
また、グレーハウンドを基に【アイリッシュ・ウルフハウンド】や【グレート・デーン】が誕生し、グレーハウンドとテリア系から【ウィペット】が作られました。
さらに、グレーハウンドやビーグルの血を受け継いで「テリア系」の改良が進み、【スコティッシュ・テリア】【ケアーン・テリア】【エアデール・テリア】【ウェルシュ・テリア】【スカイ・テリア】【アイリッシュ・テリア】など、数多くのテリア系の犬種が誕生しました。
そのテリア系のスカイ・テリアにマルチーズをかけて作られたのが【ヨークシャー・テリア】です。さらにヨークシャー・テリアを改良して、【オーストラリアン・テリア】や【シルキー・テリア】、【ブリュッセル・グリフォン】などが作られました。また、まれに生まれていた白い毛のケアーン・テリアを改良して作り出されたのが【ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア】です。
グレーハウンドとビーグルとテリアには全く共通点がないように見えますが、こう見ていくと実は広い意味で「お父さんとお母さんと子ども」と言えるんですね。


★Dクループ★

Cグループの祖先となるチベタン・マスティフはその名の通りチベット原産の大きな犬ですが、これがヨーロッパに渡り数多くのワーキングドッグの祖先となりました。
【グレート・ピレニーズ】【マスティフ】【セント・バーナード】などの大型の犬種は皆、【チベタン・マスティフ】が祖先です。
そのグレート・ピレニーズを改良して【ニュー・ファンドランド】が誕生し、そのニューファンドランドからは【ラブラドール・レトリバー】、さらにニューファンドランドとスパニエル系をかけて【フラットコーテッド・レトリバー】が作られました。
また、マスティフを改良して【ナポリタン・マスティフ】や【バーニーズ・マウンテン・ドッグ】【ロットワイラー】【ブルドッグ】が作られ、マスティフとブルドッグを交配して【ブルマスティフ】や【ボクサー】が誕生しました。
ロットワイラーに、グレイハウンドやワイマラナーをかけ改良された犬種が【ドーベルマン】です。なお、【パグ】はマスティフを小型に改良したものといわれており、ブルドッグにパグやテリアなどを交配して【フレンチ・ブルドッグ】が作られました。また、ブルドッグとテリア系より【ブル・テリア】が、さらにその後、ブルドッグとブル・テリアを交配して【ボストン・テリア】が誕生しました。
日本原産犬である【狆】は、チベタン・マスティフやペキニーズの血を引くといわれています。そしてチベタン・マスティフとサモエドの交配によって【チャウ・チャウ】が作られました。
これらDグループの犬種の共通点がどこだかわかりますか? だら〜んと垂れた、いかにもヨダレが出そうな上唇はこのグループの特徴ですね。
マスティフからはその後、「フランダースの犬」のモデルとなった【ブービエ・デ・フランダース】が作られ、さらに【スタンダード・シュナウザー】へと改良されていきました。そのスタンダード・シュナウザーを基礎犬として【ジャイアント・シュナウザー】が、また、スタンダード・シュナウザーとピンシャーとの交配で【ミニチュア・シュナウザー】が作られました。さらにスタンダード・シュナウザーと、トイ・マンチェスター・テリアやイタリアン・グレーハウンドを交配して【ミニチュア・ピンシャー】が誕生しました。
シュナウザー系がこのグループに属するのも驚いたのではないでしょうか。例を上げるならミニチュア・シュナウザーとパグが遠い親戚なのです。




いかがでしたか? たくさんの犬種がありすぎて、混乱してしまったかもしれませんね。これを参考に、オリジナルの系統図を作ってみるのもいいかもしれません。きっと楽しい犬の歴史が浮かび上がってくることでしょう。

キーワード

犬種 祖先