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動物まめ知識

からだのしくみ〜肉球の秘密〜 【動物まめ知識】

ペットのどこが好き? と聞かれて「肉球!」と答える人はとても多いようです。あの、ぷにぷにとした感触、しっとりとした手触り、独特のにおいに癒しを感じる、というのがその理由のようですが、それ以外にも肉球は私たち人が持っていない不思議な部分だからなのかもしれません。今回は肉球についての秘密をあれこれと探ってみました。


★肉球を持つ動物★

肉球は主に陸上で生活する食肉目の動物の足裏に見られる、毛の生えていないプックリとした部分のことです。ペットの犬や猫の仲間のほかにも、クマの仲間、イタチの仲間などにも肉球があり、パンダは肉球で竹を握ることもできるそうです。動物園に行ったときには是非、肉球がどうなっているのかそれぞれの動物で確認してみてくださいね。


★肉球の正式名称★

普段、一括りに肉球と呼んでいても、ペットについているいくつものぷにぷに一つ一つに実は正式な名前があることを皆さんはご存知でしょうか。前足の真ん中にある一番大きな肉球を「掌球(しょうきゅう)」、それぞれの指のところについている5つの小さ目の肉球を「指球(しきゅう)」、さらにもう少し上の手首のところにあるちょっと細長くて固い肉球を「手根球(しゅこんきゅう)」といいます。同じように、後ろ足の肉球の一番大きな肉球を「足底球(そくていきゅう)」、指のところにある4つの小さな肉球を「趾球(しきゅう)」といいます。


★肉球の構造★

肉球はまだおかあさんのおっぱいを飲んでいる時は本当に柔らかくてフニャフニャです。それが自分で歩くようになって、外にも出かけるようになると徐々に固く弾力が出てくるようになってきます。普段外で生活をしている高齢のワンちゃんの肉球は固くなりすぎて、お正月が終った鏡餅のように固くひび割れてすらいます。このように、地面からの刺激を日々受けなければいけない肉球の皮膚は他の皮膚と少しその構造が異なります。表面が角質層で覆われているのは他の皮膚と同じですがその層が非常に厚く、一番外側は人の爪のような固いケラチンで覆われているのです。そしてその下は脂肪を多く含んだ弾性繊維が網目状に重なっています。神経や血管はこの脂肪の中にあるため、ペットははだしでも地面の熱さや冷たさをあまり感じないと言われています。


★肉球の怪我は治りにくい★

しかし、固くなるといっても所詮は皮膚です。何か尖ったものを踏んでしまったり、ペット同士の喧嘩などで、肉球がひどく傷ついてしまうこともあります。もともと脂肪と線維組織でパンと張りつめていた肉球の皮膚は傷つくと大きくはじけるように開いてしまいます。そして、表面の硬い部分は血管が非常に少ないため、肉が盛り上がってくるのは他の部分よりも時間がかかります。さらに、ペットがその足を使って立ち上がれば、どうしても肉球部分に力がかかるため、塞がりかけた傷口が開いたり、縫い合わせた糸が切れてしまうこともよくあります。さらに、肉球はペットの口が届くところなので、エリザベスカラーのようなもので縫い合わせた防御しておかないと、保護のためにつけた包帯を取ってしまったり、外用薬を舐めてしまうかもしれません。肉球をいったん傷つけると治るのには非常に時間がかかると思っていたほうがいいでしょう。

★どうして肉球があるのか★

肉球を持つ動物の多くは他の動物を捉えて食べる肉食動物です。他の動物に近づく時になるべくこっそりと近づくことができるように足音を消すために足の裏が柔らかい肉球になっているという説があります。また、岩場や木の上から獲物に飛びかかるとき、足が滑らないようにしっとりとした皮膚をむきだしにして、着地した時のショックを吸収するように丸く分厚くなっているという説もあります。さらに手根球のすぐ上にある少し長い毛は顔のヒゲと同じようにセンサーの役割を果たしているようです。


★肉球だけに汗をかく?!★

ときどき動物病院で見かける風景ですが、診察台の上に乗せたペットの足の裏がじっとりと濡れていることがあります。これは緊張からペットが肉球に汗をかいたものです。いわゆる「手に汗握る」といった状態ですね。動物には2種類の汗の出る分泌腺、汗腺があって、人が熱くて汗をかくのは主にエクリン腺と呼ばれる汗腺からサラサラとした汗を分泌しているのです。しかし、犬や猫の体にはエクリン腺はほとんどなく、唯一肉球の部分と鼻鏡にあるといわれています。これは、肉球を常にしっとりさせるためだと言われています。


★肉球の色★

おうちのペットの肉球は何色ですか? きれいなピンク色、それとも真っ黒ですか? 中にはまだら模様になっている子もいるようですね。肉球の色は体の色と関係があり、色の白っぽい子は肉球の色も薄く、黒っぽい毛並みの子は肉球も黒いようです。そして三毛猫のようなまだら模様の子の肉球はやはりまだらに模様が入っているようです。しかし、肉球の模様は生まれてからずっと同じではなく、成長にしたがって肉球に模様が出てくることもあるようなので、おうちの子も時々チェックしてみるといいかもしれませんね。


肉球にはまだまだ秘密がたくさんありそうです。みなさんも時々はおうちのペットの肉球をマッサージしてあげながら、いろいろ考えてみてください。

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肉球 からだ