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神経感覚器

ある日突、ワンコの目に真っ赤なできものが! 【神経感覚器】

ワンちゃんの目頭から真っ赤に腫れあがった組織が飛び出る病気があります。これは正式名称を瞬膜腺突出(脱出)といい、赤く丸く腫れあがった病変部が真っ赤に熟れたさくらんぼのように見えることから、一般にはチェリーアイと呼ばれています。チェリーアイは飼い主さんにはあまりよく知られていませんが、ワンちゃんでは比較的多くみられる病気です。


★瞬膜腺とは★

ワンちゃんの目をよく見てみましょう。目頭(鼻に近いほう)のところに小さく三日月型の粘膜が見えませんか? これが瞬膜で、この裏側に瞬膜腺と呼ばれる涙を分泌する腺が含まれています。瞬膜は別名を第三眼瞼といい、健康なときにははっきりしませんが、目の表面を怪我したときや体調の悪い時、顔面の神経に異常があるときには目の半分くらいを白っぽい膜が覆ったようにしてみえることがあります。瞬膜には角膜(目の表面の透明な部分)を保護したり、涙を角膜全体に広げたりする働きがあり、瞬膜腺は涙の約半分を作っているといわれています。


★原因★

チェリーアイとは瞬膜腺が外側に飛び出てしまった状態です。生れつき瞬膜腺を瞬膜に固定している結合織が欠けていたり弱かったりすると、瞬膜腺が反転するようにして外に突出してしまうことがあります。ビーグル、アメリカンコッカースパニエル、ボストンテリア、セントバーナード、ペキニーズ、ラサアプソ、バセットハウンド、チワワ、ブルドッグなどが遺伝的になりやすい犬種といわれ、多くは一歳以下で発症します。
また、成犬になったあとでも瞬膜に非常に強い炎症がおきたり、瞬膜腺が腫瘍化することによってチェリーアイになることもあります。


★症状★

目のふちにゴロゴロしたものがあって、それが痛みや不快感を伴って眼球を常に刺激しているのですから、ワンちゃんは気になってしょっちゅう目を地面や手で掻こうとします。そのため結膜炎や角膜炎の症状がみられることが多く、白目が真っ赤になったり、目の表面が傷ついて白っぽく濁ってしまうこともあります。また、涙の分泌量が減ることによってドライアイになって、乾燥性の角膜炎をひきおこすこともあります。
飛び出した瞬膜腺の大きさはさまざまで、米粒大の大きさのものから大豆ほどの大きさに腫れ上がる場合もあります。


★治療法★

瞬膜腺が飛び出してすぐであれば、下まぶた越しにそっと押してみると元に戻ることがありますが、炎症をおこして大きく腫れてしまっている場合には戻すことは難しいでしょう。消炎剤や抗生物質の点眼薬を使って症状を軽減させながら押し戻すことが出来る場合もありますが、一度発症してしまったら多くの場合は再び何かの拍子で出てきてしまうと思っていたほうがいいでしょう。長時間瞬膜腺が露出していると、その表面が傷ついたり乾燥して元に戻らなくなってしまったり、涙を分泌する能力が低下してしまうため、もし再発をくりかえしたり、完全に直そうと思ったら全身麻酔をした上での外科手術による整復が必要になります。
外科手術法も2種類あり、瞬膜腺を切り取ってしまう方法と、瞬膜腺を瞬膜の裏側に縫いこむ方法があります。瞬膜腺の炎症が非常に激しかったり、裏側に縫いこんでも再発してしまう場合には瞬膜腺を切り取る方法がとられますが、術後涙の分量が減るためドライアイには十分な注意が必要となります。


★もし、目の異常を見つけたら★

ペットはもし目に異物感を感じたらすぐに前足や地面で擦ろうとします。前足の親指は地面に接していないため爪が伸びていることが多く、それで角膜を傷つけてしまう例が非常に多くみられます。傷ついた角膜はすぐに適切な処置を行えば元通りに直すことが出来ますが、もしそのままにしておくと本来透明であるはずの角膜表面が白く濁ったり、角膜に血管が伸びてきてしまって一生視界に影響を与えることがあります。おうちのペットが目の異常を訴えたら、なるべく早く動物病院に連れて行くことが大切です。
そしてもし出来るのなら、病院に連れて行くまでの間、ひどくしないように自宅でエリザベスカラーを作って装着するといいでしょう。大きな厚紙やダンボールのようなものを使って扇状に切り、ぐるりと顔を囲んでガムテープで止めるだけでも、手の爪による角膜損傷を抑えることができます。


チェリーアイはよく人の「ものもらい」や「トラコーマ」と同じものと勘違いされる方もいらっしゃるようで、人の目薬を挿して様子を見られる方もいらっしゃるようですが、これらの病気とは原因が全く異なります。みればすぐに分かる病気ですから、見つけたら自己流の治療はせず、すぐに動物病院に連れて行きましょう。どの病気でもそうですが、ペットはそのままにしておくと自分で病気を悪化させてしまいます。早期発見、早期治療が常に大切であることをいつも心に留めて置いてください。

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