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しつけ・行動・マナー

スキンシップをしましょう 【しつけ・行動・マナー 】

皆さんはペットとちゃんとスキンシップをしていますか? しつけ、健康管理、飼育管理のどの面から見ても日頃のペットとのスキンシップはとても重要なものです。
今回はスキンシップでできること、全身を触れるようになるスキンシップの仕方について説明していきましょう。



★ペットとのスキンシップ★

スキンシップとは言葉どおり肌と肌のふれあいのことを言いますが、皆さんは毎日ペットのことをちゃんと触っていますか? 頭をなでるだけで他の場所は普段全然触らない、なんてことはありませんか? また、ペットのほうも触ろうとすると逃げてしまう、なんてこともありませんか? 体の一部しか触らない、触らせないのは真のスキンシップとは言えません。ペットが触られることに何の抵抗もなく、飼い主さんが望めばいつでもペットの体をくまなく触ることができることが、飼い主さんとペットを結びつけるスキンシップにとても重要なことです。
では、ちゃんとスキンシップをすることによってペットと人がさらによい関係になり、健康面でもよい状態になっていくことについて次に説明していきましょう。


★スキンシップでできること:1リラックス★

もともとワンちゃんやネコちゃんは親や兄弟とスキンシップというコミュニケーションをとりながら成長してきました。舐めてもらったり、体を寄せ合うことで安心感や親近感を得ていたのです。ですから本来体を触られるのは楽しいこと、気持ちがよいこと、心をリラックスできることで、どんな子も肌と肌がふれあっているときはほっとする気持ちを感じているはずです。野良でいた生活が長く、人とあまり接したことのないワンちゃんやネコちゃんは人に対して恐怖心を抱いているため、はじめは人に触られるのを嫌がるかもしれません。しかし、時間をかけて丁寧に接することでその誤解が解けてしまえば、やはり進んで人との接触を望んでくるようになります。
よく、おうちのワンちゃんやネコちゃんがしっぽや背中など体の一部をちょっとだけ人に触れるようにして寝ていることはありませんか? これも安心感を求めてしているスキンシップです。


★スキンシップでできること:2スキンシップはリーダーであることの確認★

ワンちゃんは群れの中で常に順位を確認しながら生活をしていますが、そのとき順位の低いワンちゃんは高いワンちゃんに自分の弱い部分、お腹やのどをさらけだすことによって「あなたには降参です。敵意は全くありません」ということを示します。順位の高いワンちゃんはそれに対して鼻先をつけたり軽く噛むふりをして「よしよし、おまえは忠誠心のあるやつだ」と認めてあげるのです。
このことは人との間でも成り立ち、仰向けになったワンちゃんのお腹を触ることによって「人のほうが順位が上なんだぞ」ということを再確認させることに役に立ちます。しつけの上で順位の確認はとても重要なことであり、人がリーダーであることをワンちゃんが認識していれば多くのしつけはとても簡単なものになります。


★スキンシップでできること:3スキンシップで健康チェック★

たとえばペットの皮膚に何かできものが出来てしまった時、ペットの皮膚は毛で覆われていますから、もし触らなかったらうんと大きくなるまで気がつかないかもしれません。  
たまたま何かの拍子に気がついても、日頃のスキンシップが出来ていなければよく見ようとしても逃げ回って見せてくれなかったり、ひどいときには怒って噛み付こうとするかもしれません。動物病院での診察も当然困難なものになるでしょう。
最近はペットの高齢化に伴い、腫瘍の発生率も増えてきました。なかでも皮膚の腫瘍や乳腺腫など外から触ることのできる腫瘍はよく認められます。腫瘍の最も確実な治療法は外科的に切除してしまうことですが、これは腫瘍がなるべく小さいうちに行ったほうがペットの負担は軽くなります。ですから、特に高齢のペットほど毎日体中をくまなく触って、皮膚のできものや皮膚のしたのしこりなどがないかどうかをチェックする必要があるのです。
また病気でなくとも、毛や皮膚についた薬品や汚れなどに気がついてすぐに処置をしてあげることが出来なければ、それが皮膚炎などの病気の原因となってしまうこともあります。


★スキンシップでできること:4スキンシップで元気回復★

少し高度なスキンシップになりますが、ボディマッサージとしてペットの体を触ることによってペットの血行を促進したり、ツボを刺激することによって健康増進やリハビリテーションとして役に立つことがあります。
リハビリテーションマッサージとしてのスキンシップは専門家の指示のもとに正しく行う必要がありますが、例えば交通事故で脊髄を損傷してしまった子が毎日麻痺した部分をマッサージしてもらったことによって、皮膚や筋肉が刺激を受けて再び感覚が戻ったという例もあります。ワンちゃんに多い関節疾患の手術も術後にマッサージを取り入れることで順調な回復に導くことが出来ます。

★スキンシップでできること:5スキンシップは人にとっても健康回復★

スキンシップは実はペットのためだけでなく、人のためにもなることをご存知でしょうか? 愛するペットの体をなでるだけで高血圧の人の血圧が下がるという報告があります。身近な動物が安心している姿というものは周囲に敵がいないということを示しており、それが人の安堵感をもたらすというもので、今ではアニマルセラピーと呼ばれる動物を使った人の精神の治療法もあるほどです。触れあうことによって双方が癒しの効果を得られるとしたら、それは素晴らしいことだとは思いませんか?


★スキンシップをする前に★

では、実際にどのようにペットとスキンシップを取っていけばよいのでしょうか。
スキンシップをする前に、一つだけ確認しておかなければいけないことがあります。それは、ペットが人もしくは人の手に対して恐怖心を持っていないか、ということです。もし、ペットが何か悪いことをした時に体罰として手で叩かれたり、痛い思いをさせられていたら、触られる=何か不快なことがあるとして、スキンシップを喜んで受け入れなくなってしまいます。まずはどんな場合でも決して体罰でしつけをすることは止め、人が触るといいことがある、気持ちがよいということをよく理解させ、始めのうちは背中やあごの下など触りやすい場所だけにし、慣れてきたら徐々に範囲を広げていき、決して無理強いをしないことが大切です。


★スキンシップの仕方:ブラッシング★

スキンシップというと、素手でペットを触るだけと思われがちですが、ブラシや櫛を使った毛づくろいも立派なスキンシップの一つです。ブラッシングは毛並みを整えるだけでなく、皮膚の血行促進や毛玉防止にもなり、さらには毛の根元に空気を送り込むことによる表皮の蒸れ防止にもなるため、皮膚病予防としてとても大切なものです。また、上手にすることによってペットも気持ちがいいと感じてくれます。
毛並みに沿って上から下へなるべく力をいれずに行いましょう。もし毛が絡んでいてブラシが引っかかる時には指で丁寧にほぐしてからブラッシングをするようにすると、ペットに痛い思いをさせることがありません。長毛種の子にはピンブラシや柔らかい獣毛ブラシを、短毛種の子にはやや腰のある獣毛ブラシを使うとよいでしょう。


★スキンシップの順番★

スキンシップの最終目標はペットが体のどこでもリラックスして触らせてくれることですが、どんな子でも触られるのがちょっと苦手という場所があります。ですから、順番を追って少しずつ褒めながらスキンシップすることのできる場所を拡大していくようにしましょう。焦りは禁物です。あくまで、ペットがリラックスしている状態を続けるようにし、リラックスした状態で終了するようにしましょう。
まずはあごの下から首筋、背中をなでてあげましょう。ここはほとんどのペットが触ることを許してくれる場所です。あごの下を気持ちよいと感じているようなら、そこから少しずつ手を頬や耳の根元に移動します。ここも自分でグルーミングがしにくい場所ですから多くのペットが触らせてくれるはずです。気をつけなければいけないのは、そのときに人の手は必ずペットの頭より下から差し出すことです。頭の真上からかざされた手は威圧感があり、叩かれたことがない子でも恐怖を覚える場合があるからです。顔周りのスキンシップができるようになったら、少しずつ耳の中や目の周り、マズル(鼻の上の部分)など少し嫌がる場所も触ってみましょう。最終的には口の中に指を入れても嫌がらないまで慣れさせると、歯磨きや投薬の時にとても楽になります。
背中をなでていたら、そこから肩、胸前、しっぽの根元、お腹も触ってみましょう。愛想のよいペットであればゴロンと寝転がって自らお腹を見せてくれるかもしれません。手足、しっぽの先、おしりまでどこでも触らせてくれるようになったらもう完璧です。


★スキンシップの仕方:マッサージ★

もし、どこでも触れるようになったら少しだけマッサージを取り入れてみましょう。首や肩、腰などの大きな筋肉を指の腹を使ってやさしくゆっくりと柔らかいところをより柔らかく揉みほぐす感じで行うことによって、ペットはよりリラックスして筋肉の疲れを取ったり関節の柔軟性を取り戻すことができるでしょう。このときペットのリラックスが持続していることを常に確認しながら行うことがとても大切です。
また、ツボが集中している耳翼をやさしくマッサージしたり、手足の末端(手首の部分)をそっと握っては離すを繰り返すスキンシップも血行を促進し、ペットの健康に役立てることが出来るでしょう。


★気をつけなければいけないこと★

ペットのスキンシップをするときに一番気をつけなければいけないことは「過度のスキンシップは避ける」ということです。必要以上のスキンシップはお互いに疲れてしまい、楽しさやリラックスといった良いイメージが減ってしまいます。また、スキンシップと称して口移しで食べ物を与えたりすることは衛生面からもご法度です。口の中に手を入れたり、耳の中を触ったりしたときには必ずすぐに手を洗うようにしましょう。


スキンシップは毎日することが大切ですが、するほうもされるほうもリラックスして行うことがとても大切です。余裕がないときには無理にする必要はありません。「あなたのことが大好きよ」という気持ちを伝えながらゆったりとした気持ちでしてあげましょう。
そして、もしスキンシップをして、何かいつもと違ったこと、皮膚のしこりや特定の部位を触ると痛がる、体の一部が腫れているなどがあればすぐに動物病院に相談するようにしましょう。

キーワード

スキンシップ リラックス ブラッシング