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7月のColumn ☆痒がるのはノミのせい?☆

ノミがペットの体につくと後ろ足でバリバリと背中を掻いて痒がりますね。ノミに刺されてペットが痒みを訴えるのは私たちが蚊に刺されて痒くなるのと理屈は同じです。でも、ときおりノミに刺された場所だけでなく、全身が真っ赤になって毛も抜けてしまってひどく痒がるペットもいます。これは実はノミアレルギー性皮膚炎という病気が原因となっています。


★アレルギー性皮膚炎とは★

アレルギーとは体内に入ろうとする病原菌や異物を排除するためにもともと体に備わっている免疫作用が誤作動や過剰反応をおこしてさまざまな症状を示すことで、アレルギー性皮膚炎とは外から入ってきた何らかの刺激によって皮膚がアレルギーをおこし、炎症やじんましんなどの症状となって表れたものです。ペットのアレルギー性皮膚炎の原因は大きく次の4つが挙げられます。

@食餌性アレルギー(食べ物として体内に入った物質が原因となってアレルギー症状が皮膚炎という形であらわれたもの) 
A接触性アレルギー(金属や化学物質など皮膚に直接触れた物質が原因となってアレルギーがあらわれたもの)
Bアトピー性皮膚炎(もともと体がアレルギー体質で、バリアが弱っている皮膚がハウスダストや花粉などで刺激を受けることによってアレルギーがあらわれたもの)
Cノミアレルギー(ノミの寄生が原因となるアレルギー)
  


★ノミのアレルギーとは★

ノミの口には2つの管があって、一本は血を吸う管ですが、もう一本唾液をペットに流し込む管があります。実はノミはペットの血を吸う時にその血が固まってしまわないように自分の唾液を流し込んでから血を吸っているのです。この唾液の中に含まれている化学物質によってアレルギー反応がひきおこされ、痒みが生じるのです。アレルギー反応の程度は個体によってさまざまで、その場所だけがやや痒くなる程度の子もいれば、全身の皮膚に炎症がおこり、掻きむしって痒がる子もいます。このひどい状態のアレルギーをノミアレルギー性皮膚炎、またはノミ刺咬性過敏性皮膚炎と呼びます。本当にひどいアレルギーの場合には激烈なアレルギー反応のショックで死亡してしまう例もあります。


★ノミアレルギー性皮膚炎の症状★

ノミアレルギー性皮膚炎の症状は背中から腰、尻尾の付け根、肛門まわりなどによく出ます。皮膚は真っ赤になり、皮膚を触ると熱っぽく感覚が過敏になります。そして次第に毛が抜けてきたり、湿疹やただれ、カサブタが見られるようになってきます。痒みが強いため、ペットは後ろ足で掻いて爪で皮膚をぼろぼろにしてしまったり、舐めたり、体を噛んだり、固い地面や壁に体をこすりつける動作を繰り返します。掻くことによってますます痒みが増すため、ペットは精神的にもダメージを受け、寝不足になったり怒りっぽくなってしまうこともあります。

★治療法★

まず第一にしなければいけないことは原因となるノミを確実に駆除することです。アレルギーはノミ一匹でも発症することがありますが、手でつぶしたりシャンプーをする駆除法では最後の一匹まで退治することは困難なため、あまり良い方法とはいえません。ペットの体についているノミに関しては現在効果も高く持続性もある医薬品としての駆除薬があるので、それを動物病院で処方してもらいましょう。
そして同時にペットの体の外にいるノミに関しても徹底的な駆除を行いましょう。ペットの体についているノミは成虫だけで、その何十倍もの卵や幼虫がペットの暮らす環境に潜んでいるといわれているからです。ノミの幼虫は家の中のカーペットやベッドの敷布の中で成長していくため、いくら成虫だけを駆除してもまたすぐにノミがついてしまうことになってしまいます。毛布などは定期的によく洗って、日光の下によく干しましょう。室内は丹念に掃除機をかけ、幼虫や幼虫の餌となるゴミを丁寧に吸い取りましょう。ノミは室内で13度以上あれば活発に活動しつづけるため、寒い時期だからといって油断せず、一年を通しての対策が必要です。
ペットは痒みを我慢しないため、一旦皮膚炎になってしまうとあっという間に掻き壊してもっとひどい状態にしてしまいます。皮膚が傷だらけで化膿しているような場合には抗生物質や消炎剤などを使用し、なるべく早く痒みという苦しみからペットを解放してあげるようにします。



アレルギーは体質なので、それを100%治すことは非常に困難ですし、一旦なってしまうとその反応はどんどん過敏になってしまうこともあります。特にノミアレルギー性皮膚炎がアトピー体質の子がなってしまうと症状がひどくなりやすく、さらに他のアレルギー症状も出てきたり悪化させてしまうこともあります。ノミアレルギーのペットはたとえ1匹でもついてしまったらひどい皮膚炎になってしまうということを十分理解し、絶対にノミをつけないようにするという気持ちでいるようにしましょう。今のノミ駆除薬の多くは1ヶ月に1本ずつ使用するスポットオンタイプの外用薬ですが、その間隔を切らすことがないようにくれぐれも注意する、お散歩で藪や草むらになるべく入れない、ノミ予防を