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しつけ・行動・マナー

ワンちゃんとハイタッチ 〜トリックに挑戦! 〜【しつけ・行動・マナー 】

テレビのペット特集を見ていると、さまざまな芸達者なワンちゃんが出てくることがあります。おもちゃの車を押して歩いたり、「バーン! 」というとコテン、と倒れたふりをしたり、飼い主さんと両手でハイタッチをしたり、あたかも観客の目を意識しているかのようなエンターティナー振りにはついつい見とれてしまいますよね。このようにワンちゃんの通常の生活ではしないような一発芸的な行動のことを「トリック」といいます。


☆トリックは特別なしつけ?☆

トリックというと特別なワンちゃんがすることで、普通のご家庭で飼っている、別に人に披露するチャンスもないワンちゃんには必要がないのでは?と思われる方もいらっしゃると思います。確かに、「トリック=芸当」と考えるとワンちゃんが暮らしていくための必要最低限のしつけとは少し異なるかもしれません。しかし、トリックは「アイコンタクト」や「待て」などの家庭のワンちゃんにも必要な基本的動作からほんの少し発達させただけのものですし、なによりも飼い主さんと信頼関係がちゃんと築かれていないとできないものです。トリックを教えることによって、ワンちゃんは知的能力を向上させ、新しいことを学習して誉められることでより飼い主さんと一緒にいることを楽しむようになるでしょう。トリックはワンちゃんと飼い主さんの結びつきを深める、誰にでもチャレンジする価値のあるトレーニングの一つなのです。


☆トリックを教える時に大切なこと☆

トリックで最も大切なことは「人もワンちゃんも楽しむ」ということです。芸をさせようとすることだけを考えてしまうと「これができるようになるまで、頑張るわよ! 」と人だけ焦ってしまいます。そしてもしワンちゃんの興味がトリックに向いていなかったら、いつまでたってもできないばかりか、人とワンちゃんの関係も悪いものになってしまいます。トリックはあくまでも人がワンちゃんと楽しみ、そしてワンちゃん本人も「この人といろいろなことをすると楽しいな。この人に喜んでほしいな。どうすると喜んでくれるのかな?」と考えて、自らすすんで新しいことにチャレンジしようとすることが大切です。


☆トリックの例:ハイタッチ☆

後ろ足で立って、両前足で人の手のひらにぽんっ! とタッチするトリックを「ハイタッチ」といいます。何か嬉しいことがあったときにワンちゃんと「やったー、ハイタッチ! 」と喜びを分かち合えたらすごく楽しいと思いませんか?ハイタッチは「お座り」と「お手」ができる子であれば、そんなに難しいトリックではありません。

まずはトリックの一例としてハイタッチを教えてみましょう。
まず普通に「お手」をさせます。できたらよく褒めましょう。次にワンちゃんの肩よりも高い位置に手を差し出して再び「お手」と言ってみます。もし一生懸命前足を上に上げてできたらまたよく褒めます。そして今度はワンちゃんの頭より高いところに手を差し出して「お手」と言ってみましょう。始めは戸惑うかもしれませんが、「人の手の上に前足を乗せると褒めてもらえる」ということを理解しているワンちゃんなら、後ろ足で立ち上がってお手をしようとするでしょう。もしできたら、おおげさなくらいによく褒めてあげてください。これができたら、もう簡単です。後ろ足で立ち上がってお手をしようとした瞬間に「ハイタッチ」と言いながらあなたの水平だった手の平をワンちゃんのほうに差し出してタッチします。「ハイタッチ」の出来上がりです。


☆いろいろなトリック☆

そのほかにもいろいろなトリックがあります。
ロールオーバー:伏せの状態からごろん、とお腹を見せて一回転して元に戻ることをいいます。おやつを使って、頭の位置を背中側に誘導することによって伏せから横倒しの体勢にし、そこからさらに反対側の横向きに誘導しながら教えていきます。嬉しくなるとすぐにお腹を見せてしまう子は比較的簡単にできるようになるかもしれません。
鼻タッチ:手のひらに鼻をつけるトリックです。ワンちゃんは興味を持ったものの匂いを嗅ごうとする本能があるため、目の前で手のひらをヒラヒラとさせると自発的に鼻タッチをする場合があります。そのときにすかさず「タッチ」といい、よく褒めます。もし、手のひらに興味を持ってくれなければ、始めのうちはおやつを指の間に挟んで誘導してもいいでしょう。


☆トリックは実は人のトレーニング?☆

これらのトレーニングを始めてみると分かると思いますが、実はトリックはワンちゃんだけのためではありません。難しいトリックに挑戦すればするほど、飼い主としてワンちゃんに分かりやすい指示を出しているか、ワンちゃんを待っていられる忍耐力があるか、ワンちゃんの気持ちを理解しているか、など飼い主さんとしてのリーダーシップを確認・向上させることにも非常に役に立つことに気がつくでしょう。



動物に芸を教えるのは人のエゴなのでは、と思われる方もたくさんいらっしゃると思います。確かに、叱って無理矢理辛い動きをさせるような芸はさせてはいけないことです。しかしワンちゃんと人が一緒に楽しむ運動と考えたら、トリックはしつけの延長上にあるコミュニケーションの一つと考えられるのではないでしょうか。

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犬 しつけ