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4月のColumn ★カーミングシグナルって何?★

犬は元来、群れをなす動物です。群れで生活する上では「無用な争い」は禁物です。そこで、犬達はボディーランゲージを使って、お互いに敵意がないことを確認しあいます。それが「カーミングシグナル」です。
カーミングシグナルは 「calm」という英語「落ち着く」という意味から来た言葉。初めて出会った犬を落ち着かせるコツって?



★カーミングシグナルとは?★

犬は元来、群れをなす動物です。群れで生活する上では「無用な争い」は禁物です。そこで、犬達はボディーランゲージを使って、お互いに敵意がないことを確認しあいます。それが「カーミングシグナル」です。
「calm」は「落ち着く」という意味ですので、「カーミングシグナル(calming signal)」は直訳すると、「落ち着きをもたらすシグナル」です。犬達はカーミングシグナルを発することで「あなたに敵意はありませんよ」というメッセージを送ります。それと共に、自分の不安やストレスも和らげ、気持ちを落ち着かせる役割も持っています。
現在、約30ほどのカーミングシグナルがあることが分かっています。そのうちのいくつかを紹介しましょう。


★カーミングシグナル1【あくびをする】★

人間社会で「あくび」と言えば、眠いときや退屈なとき、また相手を下に見ているときなどのサインとして知られていますが、犬にとってのあくびは逆の意味を持っています。何らかのストレスや不安を抱いたときに犬達はあくびを発します。
あくびによって相手に対し「そんなに威嚇しないで」というサインを送りつつ、自分自身に「落ち着け、落ち着け」と呪文をかけてもいるのです。このサインは人間に対して送られることもあります。もし、飼い主さんが本気で叱っているときに、あくびをするワンちゃんがいたら、それは「そんなに怒らないで」とサインを送っているのかもしれません。


★カーミングシグナル2【背中やお尻を向ける】★

相手に背中やお尻を向ける仕草は、相手を落ち着かせるためのサインだと言われています。テンションが上がっている相手に対し、「落ち着いて、落ち着いて」と伝えているのです。
逆に、相手に背中やお尻を向けられると「あっ。そちらは敵意を持っていないのね」と理解することができます。人間に飛びつく癖のある犬や怖がっているのに近づこうとする犬への対処にこのサインを使用することもできます。テンションが上がっている犬に対して人間が背を向けることは、犬を落ち着かせるひとつの手段ともなります。

★カーミングシグナル3【地面の臭いを嗅ぐ】★

犬にとって臭いを嗅ぐという行動には、様々な理由がありますが、カーミングシグナルである場合もあります。
初めて会う犬の周りを、地面の臭いをクンクンと嗅ぎながら歩きまわるときは、犬自身が「落ち着こう、落ち着こう」としている証拠です。また、相手の犬に「こちらは別にあなたに関心がないからね」とアピールするときにもこのような行動をとります。


★カーミングシグナル4【カーブを描きながら歩く】★

まっすぐに相手に進まず、カーブを描きながらわざとゆっくりと近づく行動があります。これは相手に対して「あなたを攻撃するつもりはありませんよ」と伝えているサインです。
また、飼い主さんが怒りながら「来い!」と指示を出したとき、同じように弧を描くようにゆっくりと近づく場合がありますが、これも「ご主人様が、すごく怒っているぞ。ゆっくり歩いて落ち着こう」という気持ちを表していると言われています。


★カーミングシグナル5【伏せる】★

常日頃から目にすることの多い「伏せる」という行為。これもカーミングシグナルのひとつです。
伏せるという行動は、相手を落ち着かせるための強力なサインであり、服従を表します。伏せる=休んでいると捉えがちですが、そうではなく「あなたに従いますよ」と相手を認め、受け入れている行動の表れなのです。一方、食事の前に伏せをして待っているのは、喜びのあまりあがったテンションを落ち着かせようとしているともいわれています。


★カーミングシグナル6【鼻を持ち上げる】★

顎を上げて鼻を持ち上げるような仕草をするときには、「あなたに敵意はありませんよ」という意思を示しているときです。また、自分の鼻や口を舌でなめるような行動にも、同じ意味があります。相手に敵意がないことを示し、自分を落ち着かせるための行動と言われています。


このようにあなたの愛犬の行動には、犬社会ならではのコミュニケーションが潜んでいます。愛犬の行動を人間社会の常識に当てはめて捉えるのではなく、犬社会の中でどのようような意味を持つのかを把握することで、言葉は通じなくとも愛犬が何を伝えようとしているのかをより理解することができるでしょう。
カーミングシグナルは犬同士においてのみ発せられるものではありません。飼い主さんに対しても、犬達はカーミングシグナルを使って自分の気持ちを伝えようとしています。飼い主さんがそれを分かってくれなければ、そのうち犬達は伝えることを諦めてしまいます。そうならないためにも、愛犬の行動にもっと興味を持ち、それが何を意味しているのかをキャッチする努力が必要なのです。