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関節に良い栄養とは?【その他】

ペットが高齢化すると共によく見られるようになる病気の一つに関節炎があります。歳をとったペットが歩幅を小さくよたよたと歩いたり、腰を触ると痛がるようになる原因のほとんどは関節炎です。関節炎という病気は加齢による仕方のない部分もありますが、栄養の摂り方によってある程度予防をしたり、進行を遅らせることができます。


☆関節炎のしくみ☆

どうして歳をとると関節炎になりやすくなるのでしょうか? 関節とは、体をスムーズに動かすために骨と骨の間にあるちょうつがいのような仕組みのことです。関節となっている骨の表面は滑らかな軟骨で覆われていて、その周りは関節包(かんせつほう)と呼ばれる袋で覆われています。そして関節包の中には関節液と呼ばれる潤滑油の役割をする少しとろみのある液体で満たされています。通常軟骨には吸水性と弾力性があり、衝撃を吸収し、滑らかな表面で動きやすくし、骨同士が直接ぶつからないようにしています。軟骨は常に古いものから破壊され新しく作り直されています。
しかし、歳をとると新陳代謝が悪くなり軟骨や関節液の作られる量が減少してきます。弾力性や滑りの悪くなった関節は衝撃に弱くなり骨同士がぶつかり合うようになり、ぶつかった場所が炎症をおこすようになるのです。これが老化によっておこる関節炎の原因です。


☆関節炎の予防☆

関節炎のような加齢が原因となり、一度変形したらなかなか元に戻せない病気に対しては、治療よりも予防を意識することが大切です。
関節炎の予防の一つは、関節に余計な力を加えないことで、太りすぎて関節に余計な体重がかからないようにカロリーを控えた食事管理をすることです。またもう一つの予防法としては、年齢と共に減少してしまう軟骨や関節液の成分を栄養として補う方法があります。

関節炎を予防するといわれる栄養には次のようなものがあります。


関節のための栄養:グルコサミン
グルコサミンとは体の中で作られる物質の一つで糖とアミノ酸が結合して作られています。軟骨を構成する成分であるプロテオグリカンや関節液に含まれるコンドロイチンなどの原料となります。しかしグルコサミンは歳をとると共に減少してしまい、そうなると軟骨の再生が遅くなり、構造がもろくなってしまったり、関節液が減少して軟骨同士が擦れ合って傷つき、スムーズに動かすことができなくなってしまいます。

関節のための栄養:コンドロイチン
コンドロイチンは軟骨だけでなく腱や皮膚などの結合組織に多く含まれており、組織の弾力を保つ役割を果たしています。これはコンドロイチンの水分を引き付ける作用によるもので、特に軟骨では重要です。軟骨はその弾力によって、運動時の関節にかかる衝撃を吸収しているからです。また、コンドロイチンは軟骨の分解を阻止し、維持する作用もあるといわれています。

関節のための栄養:不飽和脂肪酸
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は人の健康補助食品としても有名な不飽和脂肪酸という栄養素ですが、これらには抗炎症作用といって関節の炎症を抑え軟骨が破壊されるのを阻止する作用があるといわれています。

関節のための栄養:ビタミン類
ビタミンは体内の調整役として必要な栄養ですが、特に関節炎の時の摂ると良いといわれているビタミンとしては次のようなものがあります。
ビタミンB3(ニコチン酸アミド):新陳代謝を刺激し軟骨の減りを抑えるといわれています。
ビタミンC:軟骨を再生するときに使われるビタミンです。
ビタミンE:血行をよくして、軟骨の再生を促進したり、抗酸化作用で炎症を抑える働きがあります。
ビタミンB6:細胞の新陳代謝、組織の再生を促す働きがあります。


病気とサプリメント

これらの栄養が関節炎の予防に良いからといって、ではこれらの栄養をたくさん食べされれば関節炎にならないのでしょうか? たとえばグルコサミンは人の食べ物ではウナギやふかひれ、干しえびなどに多く含まれると言われていますが、ペットフード代わりにこれらを食べさせればいいのでしょうか?
残念ながら体の作りはそう簡単ではありません。栄養素はそれぞれがお互いにバランスをとりながらペットの体を正常に作っていくものですから、サプリメントになっているものでもたくさん摂りすぎることはかえってよくありません。栄養素は適量がフードに含まれているものを自然に摂取するか、獣医師や栄養管理士などの意見をよく聞いて適量を摂るようにしましょう。



最近はペットの年齢や疾患別のフードや機能性食品、サプリメントも各種見られるようになりました。たくさんの選択肢があるからこそ、これらを正しく上手に使って栄養バランスを保ちながらペットの健康管理をしていきましょう。

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