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予防医学

どきどきするね、初めてのワクチン【予防医学】

春は子犬や子猫が生まれる季節です。ちょうどこの時期から小さなペットを飼い始める方も多いのではないでしょうか。生後数ヶ月の子をおうちに迎えた場合、健康なペットならば、動物病院でのワクチン接種が注射初体験! ということになるでしょう。ワクチン接種は感染症の予防としてとても大切ですが、一方で飼い主さんとしては初めて小さな子の体に注射をすることで不安がいっぱいですよね。
今回はワクチン接種についてきちんと理解をして、注射初体験のドキドキ感を少しでも解消しましょう。



☆ワクチンとは?☆

ワクチンは約1ccほどの注射液ですが、その中には、病気の病原体を非常に弱らせたものや、病原体の一部が入っています。ワクチンを打つと、病気は発病しませんが、ペットの体内では病原体が入ったときと同じようなことが起こり、その病原体に対する抗体が大量に作られます。抗体は病原体をすばやく攻撃して破壊するものなので、次に本当の病原体が入ってきたとしても、発病する前に病原体を破壊してしまうことができるようになるのです。このようにワクチンはあらかじめ体内で備えを作ることによって、感染力が強く決定的な治療薬のない恐ろしい伝染病に対して、ペットを守るための予防手段なのです。


☆ワクチンを打つ時期☆

このようにワクチンはペットを病気から守る大切なものです。ペットをおうちに迎えたらすぐにでもワクチンを打ったほうがいいのね! と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、ワクチンは早く打てばよいというものでもないのです。
生まれたばかりの子犬や子猫は胎盤や母乳を介してお母さんから病気に対する免疫をもらっています。その免疫のおかげで生まれたてで弱弱しくても病気には感染しにくくなっているのですが、このお母さんからの免疫は実はワクチンに対してもガード作用があり、この免疫があるうちはワクチンを打っても抗体がたくさん作られないのです。お母さんからの免疫は生後2ヶ月くらいから徐々になくなってしまうのですが、これと丁度入れ替わるようにしてワクチンによる免疫をつけていかなければいけないのです。ですから、初年度は生後2ヶ月頃から期間をあけて数回ワクチンを打つ必要があるのです。


ワクチンを打つ前に

ワクチンはたとえ力を弱めているとしても、病原体やその一部を体内に入れる行為ですから、前もって健康であることを確認しなければ打ってはいけません。動物病院では打つ前に必ず全身のチェックを行いますが、おうちの人も食欲がない日、おなかを壊している日、遊びすぎて疲れている日、騒音や来客などでストレスを感じた翌日などは避けるようにしましょう。
動物病院で健康チェックを行うときには必ず検便を行い、消化管内に回虫などの寄生虫がいないことを確認します。これは寄生虫がいれば栄養状態が悪くなることに加え、せっかくワクチンを打っても抗体価といって体の免疫力が上昇しにくくなってしまうからです。ワクチンを打つ前に、あらかじめ動物病院に少量の便だけを持って行き、検査をしてもらうと当日の接種がスムーズになるでしょう。


ワクチンを打つ日は

ペットをおうちに迎えたら、まず動物病院にワクチンをいつ頃、どんな種類を打つべきか相談をしてみましょう。そして、およそのスケジュールを決めてもらったら、今度は自分達の予定を確認します。ワクチンに連れて行く日は打ったあとに何かあってもすぐに気が付いてあげることが出来るように、1日中ペットと一緒にいられる日を選びましょう。  
また、打ったあとに何かあったときでも動物病院がすぐに対応することができるように、ワクチンはなるべく午前中に打つとよいでしょう。
ワクチンを打つ前後は病気に対する抵抗力がないため、他のペットがお散歩で歩いた道を歩かせるのは好ましくありません。たとえ大きなペットであっても、おうちの人が行き帰りをキャリーで運ぶことが出来るか、車で連れて行ける日を選びましょう。


ワクチンを打ったあとは

ワクチンを打った直後はすぐにおうちに帰らずに、待合室でしばらく様子を見るといいでしょう。ワクチンの副作用はめったにありませんが、急性症状は接種後30分以内に出ることが多いため、万が一の時にも待合室にいればすぐに対応してもらえるからです。
また、初めての注射で興奮してしまった子や行きの車で酔ってしまった子などは、それを落ち着かせるためにも少し休憩してから次の行動に移るようにしましょう。
ワクチンを打った日はおうちに帰っても積極的に遊んではいけません。なるべく静かに過ごさせ、興奮やストレスは避けるようにしましょう。
何か変わったことがあれば、すぐに動物病院に連絡しましょう。特に、顔がむくんでいる、いつもと違った動きをしている、食欲がない、ぐったりしている、吐いたり下痢をしている、といった場合にはなるべく早く連絡することが大切です。



ペットのワクチンについていろいろ調べたり、話を聞くと副作用や効果などいろいろな情報を聞くかもしれません。しかし、ワクチンはペットの伝染病を防ぐために非常に有効な手段であること、ちゃんと健康な時に打っていれば副作用はまれにしかみられないことをよく理解して、きちんと打ってあげましょう。

キーワード

犬 猫 ワクチン