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3月のColumn ☆レントゲン検査で何が分かるの?☆

ペットが足を痛がって動物病院に連れて行ったらレントゲンを撮って調べてみましょうと言われることがあります。動物も人と同じで、レントゲン検査をすることがあるんですね。 レントゲンを撮ると、いったいどんな事が分かるのでしょうか?
今回はレントゲン検査についてお話をしていきたいと思います。


★レントゲン検査の仕組み★

 X(エックス)線という放射線の1種は、体を通過しやすい性質があり、その通過する度合いは体の厚みや臓器の比重によって異なります。X線の量によってフィルムの感光度(フィルムが黒くなる度合い)が変わるため、フィルム上に体の内部の構造が映し出される、という仕組みがレントゲン検査です。X線検査(レントゲン写真・X線写真)と呼ばれることもあります。

★レントゲンではどのように写るのでしょう★

レントゲン検査ではX線が多くあたったフィルムは黒くなり、逆に少ない場所は白くなります。つまり、X線を通しやすい空気がたくさんある部分が最も黒くなり、脂肪、水、肉、骨の順番でX線が通りにくく、白く写ります。
たとえば、金属や石などを飲み込んでしまったら、これらはX線をほとんど通さないため、フイルム上では真っ白に写ります。
 胸のレントゲンを撮ってみると、空気がたくさん入って黒っぽく写っている肺の真ん中に、心臓が白っぽく見えます。
また、お腹のレントゲンでは、全体的に白っぽくもやもやと見える中に、脂肪に包まれた腎臓や腸の中のガス、おしっこ(水)の溜まった膀胱などを見ることが出来ます。
基本的に臓器はシルエットとして見られるため、中身(例えば中に液体が詰まっているのか、固体が詰まっているのかなど)はあまり分かりません。ただし膀胱内の結石のように、はっきりとX線を遮断するものがある場合は確認することができます。
 
★レントゲン検査が必要な時★

レントゲン検査は臓器や構造物の位置、大きさ、形などの変化を確認するときに用いられます。
具体的には、
・骨折や脱臼、関節炎などの骨の病気を疑うとき
・誤食など、体の中に異物が入っていることを疑う時
・肺炎や気管支炎など呼吸器の病気の程度を知りたい時
・心臓が大きくなっていたり変形していないかどうかを調べる時
・膀胱結石や腎臓結石を疑う時
・肝臓や腎臓など腹部の臓器が大きくなっていたり変形していないかどうか調べる時
・出産直前に胎児の大きさを調べる時
・歯の治療を行なう時

 などです。そのほかにも胃や腸の中を調べるためのバリウム検査や血管走行を調べるための血管造影検査もレントゲン検査のひとつです。

★造影検査とは?★

造影検査とは、消化管や血管に造影剤と呼ばれる物質を入れて、臓器の輪郭や動きを見やすくするレントゲン検査の一つです。
たとえば胃の中に大きな腫瘍があった場合、ただのレントゲンでは胃内部の出っ張りを見ることが出来ませんが、バリウム造影剤を飲んで撮影すると、白く写るバリウムが腫瘍の部分を避けて通過するため胃内部の輪郭を知ることが出来るのです。また、腸管は通常はっきりと見ることが出来ませんが、バリウムの動きに合わせて何枚も撮影する事によって、そのつながりや流れを見ることが出来ます。

★レントゲン検査には多少の我慢が必要です★

レントゲン検査は写真と同じですから、もし撮影する瞬間に体が動いてしまったら、画像がぶれてしまう場合があります。また、レントゲン検査のためにはペットに仰向けになってもらったり、手を伸ばしたままでいてもらうようなこともあります。ですから、じっとしていることのできない、暴れてしまうペットはレントゲン検査ができない場合があります。

★レントゲンの安全性★

 X線は放射線の1種です。ですから、レントゲン室の壁は放射線を通さないようになっており、放射線を通さない特殊なガウンを着たスタッフがペットにつきそい、おうちの人は通常レントゲン室の外で待っていてもらうことになります。ただペットの検査に使われるX線は非常に微量です。日常でも宇宙からや自然界に存在する放射線を浴びているのですが、胸部のレントゲン撮影では、自然界で1年間浴びる量の約1/50ともいわれています。 ですから数枚撮影することに対し、あまり不安に思う必要はありません。


レントゲン検査はペットに若干の負担がかかる検査ではありますが、いくつかの病気では大変重要な、欠かせない検査です。ペット自身のために普段から診察に我慢できる子にしておきたいものですね。