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動物まめ知識

愛犬の出産について知ろう〜ワンちゃんって安産じゃないの?〜【動物まめ知識】

品種改良で小さくなった犬達はいまや必ずしも安産ではないのです。
妊娠について今一度考えてみよう。繁殖前のチェックポイントをあげてみました。
安全な出産のためにきちんと準備を整えたいものです。


★えっ? ワンちゃんって安産じゃないの? 〜産む前に考えよう〜★

かわいい愛犬の子供を見てみたい。出産・育児を経験させて心身共に愛犬を成長させたい。また、愛犬の出産・育児を通してお子さんに命についての勉強を深めさせたい。など、いずれも飼い主さんとして当然の感情ですね。そして実際に、出産・育児を経験するのは愛犬にとっても愛犬のご家族にとってもすばらしい経験になります。

しかし、その前に少し考えなくてはいけないことがあります。ワンちゃんにとって出産はやはり命がけで、近年の品種改良の結果生まれてきたワンちゃん達は小さく、非常に難産が多いのです。えっ?ワンちゃんって安産じゃないの?と思う飼い主さんも多いと思いますが、出産に伴うリスクが大きくなっているのが現状です。

例えば、日ごろ運動不足にしていると、体力的に出産が厳しくなったり、ついつい甘やかせてしまうと、甘えん坊が高じて産んだ子を放置してしまうこともまれにあります。そこで、今回は繁殖を考える際のチェックポイントをあげてみたいと思います。


★チェックポイント★

【家庭の状況を整えよう】
万が一、難産だったときのために、まず出産予定日の確認をしましょう。犬の妊娠期間は通常63日(60日〜64日)ですが、事情により前後5日くらいはずれる可能性があります。出産の可能性がある前後5日間はそばにいてあげましょう。難産の場合は最寄りの動物病院まですぐに連れて行ってあげましょう。

出産後も万が一、母犬が育児放棄してしまったことを考えできれば育児中(子犬が3ヶ月くらいになるまで)母犬のそばにどなたかがいる環境が望ましいのですね。

また、夜中に対応してくれる動物病院を探しておきましょう。出産は夜中に行われることが多いものです。かかりつけの病院で予定日前後に夜中の対応が可能かどうか確かめておきましょう。かかりつけの病院で対応がされていない場合は、対応してもらえる病院を紹介してもらいましょう。難産の場合は帝王切開という手段に頼らざるを得ない事もあります。費用がどのくらいかかるかも確認しておきましょう。

【家族の協力体制を万全にしておこう】
日頃お利口な愛犬でも出産・育児という大仕事を行っている最中は気が立つことがあります。愛犬が穏やかに過ごせるよう、配慮をしてあげましょう。

万が一、母犬が育児放棄をしてしまった場合は、代わりに人間の手でミルクをあげて育てる必要があります。ミルクは一日に何度もあげないといけません。ご家族揃って育児協力をしてあげましょうね。

#r##【子犬について考えておきましょう】

生まれた子犬をすべて育てるのはとても大変なことです。あらかじめ子犬の貰い手をみつけておきましょう。もし貰い手が見つからなかった場合、子犬も飼う事ができるのか、ショップに譲るのかなども決めておきましょう。

万が一生まれつきの病気を持った子犬が生まれてしまった場合のことなども考え、ご家族で話し合っておきましょう。

【母犬に子供を生ませても大丈夫かチェックをしよう】
出産させるのは5歳くらいまでにしましょう。また、初回の発情(生理)はまだ体が成長しきっていないので2回目以降にするのが一般的です。

【母犬は犬種の標準と比較して小さな体格ではないですか?】
体格の小さなワンちゃんの方が大きなワンちゃんと比べると難産、場合によっては帝王切開になる可能性が高いです。できれば雌犬の方が大きく、雄犬の方が小さいのが理想的です。

同じ犬種の中で特に小さめのワンちゃん、1kg以下のヨーキーやチワワ、2kg以下のマルチーズ、3kg以下のシーズーなどは出産が難しくなってきますので、よく考えてからお産へ踏み切るようにしましょう。犬種標準は本やインターネットなどで調べることができますので参考にしてみましょう。

【母犬に病気や生まれつきの病気などがある場合】
生まれつきの病気がある子でも適切なケアと愛情を注いであげることで幸せな生活をさせてあげる事はできます。しかし、遺伝的疾患の可能性があるワンちゃんを繁殖に用いることはなかなか難しいものです。同じ病気の子犬が生まれてしまう可能性もあるので、ご家族や獣医師の先生とよく相談をしてからお産をするかどうか決めましょう。


【母犬と父犬は繁殖させても大丈夫?】
ダックスやシェルティ、プ−ドルなどは両親の毛色の組み合わせによって生まれつきの病気などが出てたり、犬種のスタンダードとかけ離れた毛色が生まれてしまうなど、繁殖に適した組み合わせと適さない組み合わせがあります。事前に確認をしましょう。

また、両親の犬の血統証は事前に確認しあいましょう。血統証では3代位前にさかのぼり毛色などを確認することができます。これにより血縁関係が近すぎないかどうかも確認しておいてください。他の動物と同様に血縁関係が近すぎると生まれつきの異常が出やすくなってしまいます。

【健康状態は良好かな?】
母犬の健康状態を動物病院できちんと確認してあげましょう。 出産に耐えられないような異常はないか、子犬に適切な免疫が受け継がれるように過去1年以内に混合ワクチンを済ませてあるかなど検査をしましょう。また、子犬に移らないようにノミ・ダニの予防もしておきましょうね。
補足として以下にあげる犬種は難産になりやすい子です。

ほぼ100%帝王切開になる犬種…ブルドック、ボストンテリア、フレンチブルドック、パグなど。特にブルドックは周産期の異常(浮腫など)が多く子犬、母犬とも死亡率の高いことが知られています。一般の方には繁殖が難しい犬種と言われています。

難産、帝王切開の多い犬種…マルチーズ、シーズー、チワワ、ダックス、ヨーキー、プードル、ポメラニアンなど。

ここ数十年で急速に品種改良が進んで小型化している犬種は、難産となる可能性が高いです。特に頭部の大きいトイ犬種は難産になりやすいようです。最近流行のミニチュア・ダックスフンドも妊娠頭数が多く、途中で母親が体力を失ってしまうなどの理由で帝王切開に踏み切る事が多くあります。また肥満して日頃から運動不足の場合は難産の可能性が高くなります。


★おわりに★

今回は、繁殖前のチェックポイントをあげてみました。これらのポイントをきちんと踏まえて、愛犬の出産へ向けて勉強を進めていきましょう。また、子犬をできるだけ安全に産ませることができるように心の準備と実際の準備を進めましょう。

万が一、出産に無理があれば子供を産ませない選択をして避妊手術をしてあげてましょうね。

キーワード

犬 妊娠 繁殖 品種改良 帝王切開 難産