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CT、MRI、PETってなんだろう? [検査]

ペットも高度医療化の時代になり、人と全く同じ検査が行われるようになりました。
高度な検査を行う機械は、まだ一部の動物病院でしか所有されていませんが、これから普及してくると思われる検査の中で、今回は画像を見ながら診断を行うCT、MRI、PETについてお話をしていきたいと思います。



★CTとは?★

CTとはコンピュータ断層撮影法(Comuputed Tomography)の略で、X線で撮影した像をコンピュータを使って使って解析し、体を輪切りにした状態の像を撮影する検査です。
通常、動物病院で使用されているCTはレントゲン撮影と同じX線を使っていますので正確にはX線CTと呼ばれています。


★CTの長所★

CTの長所を一言でいえば、X線撮影では曖昧な部分もはっきりと見る事ができるという事です。通常のX線撮影は体の厚みを通してしか中の様子を見ることができません。しかしCTは体を輪切りにできるため、胸の中やおなかの中などを詳しく検査する事ができます。たとえば肺などに転移した腫瘍を探す場合、通常のX線では肋骨の陰に隠れてしまうような小さな腫瘍でも、輪切りで見れば肺の中にあることがはっきりと見て取ることができます。また、頭蓋骨で覆われている脳などの異常は、通常X線写真で判断する事はできませんが、CTを使用すれば脳の様子を見る事ができます。


★CTの短所★

逆に、CT検査の短所は麻酔をかけなければならないということでしょう。CT検査を行う場合、最短でも数秒かかってしまい、動物の場合は検査の間じっとしていることができないので保定が必要ですが、X線を使用しなければならず、被爆する可能性があるため人間が保定する事ができません。ですので、CT検査を正確に行うためには全身麻酔をかけて行なわなければなりません。
麻酔を使用すると呼吸器や腎臓に負担がかかってしまうことがあります。重症な子の場合は、麻酔のリスクも高まりますので、メリットとの兼ね合いを十分考慮する必要があります。


★MRIとは?★

MRIとは磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging)の略で、CTと同じように体の断層像を撮影する検査ですが、CTがX線を使用するのに対して、MRIは磁気を使って撮影します。
MRIの検査を行う場合、体を強い磁場の中にいれ、ある周波数の電磁波を流す事によって体内の水素原子と磁気共鳴させます。このときの振動がどこで起こっているかをもとにして体内の状態を画像化します。


★MRIの長所と短所★

MRI検査は横断面だけでなく、縦・横・斜めなど、あらゆる角度の断面図を撮影することが可能です。解像度も高いため、CT以上の診断価値のある画像の撮影が可能です。特に脳や脊髄などの神経系の異常を見つける事に優れています。一方、肺や骨について詳しく見るにはCTの方が優れています。ですので、目的によって検査方法を選ぶ事が大切です。
また、造影剤なしでも血管だけを強調させて撮影することができるという利点もあります。
MRIの短所ですが、CTと同様に全身麻酔が必要になりますので、CT同様に麻酔のリスクを伴います。また、CTが秒単位で撮影できるのに対して、MRIは20〜30分と時間が少しかかってしまいます。


★PET?★

PETとはポジトロン断層撮影法(Positron Emission Tomography)の略で、MRIやCTと異なり、体の代謝活動を画像化します。
体の断面等を撮像する点ではCTやMRIと同じですが、CTやMRIが特定の部位形態を画像化するのに対して、PETは代謝がどれだけ活発に行われているかを画像化する点が大きく異なります。
PET検査を行う場合、トレーサーと呼ばれる代謝が活発に行われている場所に集まる性質を持った物質を使用します。トレーサーは腫瘍などの代謝が活発な部位に集まって陽電子を生成します。陽電子は付近の電子とくっつき消滅する事でγ線を出します。このγ線を検出する事で代謝が活発な部位を見つけ出すのがPETの原理です。
癌の組織の多くの場合が、糖分(グルコース)代謝が活発になりますのでこれを利用して癌を見つけるための検査として応用されています。
まだまだ動物病院で導入されている手法とはいえませんが、犬や猫の医療に応用するための研究はすでに始まっています。


★おわりに★

個人開業の動物病院ではまだまだCTやMRIは普及していませんが、これらの病院でも施設の整った大学病院など大きい動物病院と連携して高度診断検査が行えるようにしているところが多いようです。

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