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11月のColumn ☆角化症とは?☆

「角化症」とは、皮膚の表面にある角質が正常に作られなくなっている状態をまとめてた病気名です。私達の肘やかかとが硬く、ガサガサになるのも角化症の一つ。
そしてワンちゃんの皮膚病でもっとも多い病気なのです。では今月はその「角化症」をピックアップしてみましょう!



▲▽角化症ってどんな症状?▲▽

角化症の症状は以下の4つに分けられます。

1、皮膚が乾燥してガサガサしている
2、フケが多い
3、洗ってもすぐベタベタになる
4、細かい皺が深くなって象の皮膚の様に硬く厚ぼったくなる。


上記の一つしか症状が出ないこともあれば、複数組み合わさって症状が出ることもあります。

▲▽角化症ってどんな状態?▲▽

皮膚の一番表面を角質といいます。死んで硬くなった角質細胞が、薄いパイ生地が折り重なったような状態に積みあがってできています。お化粧品のCMなどで見たことがあるかもしれませんね。

角質の層の内側には表皮の層があります。表皮層の一番内側の層(基底層)から細胞は順に姿や働きを変えながら表面に移動してきて、最後に薄く平たくなって硬くなり角質細胞になります。
角質細胞は一番外側から少しずつ目立たない程度に剥がれていきます。

正常では基底層〜角質が剥がれるまで、のサイクルは20日くらいですが、角化症ではこのサイクルが4〜5倍にまで早くなってしまっています。早くなるスピードに細胞の変化が追いつかず、生きている細胞が角質層に見られたり、角質の細胞と細胞の間のつながりが弱くて剥がれやすかったり(フケが多くなる)、スカスカして水分がうまく保てないような構造になってしまっています。

表皮の層はかなり分厚くなり、角質の層も厚くなっています。厚くなってどんどん作っているのにちゃんと機能できていない、そんな状態が角化症なのです。 
 
角質は本来硬くてある程度しっかり連結していて、外から寄生虫や細菌が侵入してくるのを防いだり、表皮の水分が外に逃げるのを防いで皮膚をしっとり保つ働きをしています。角化症になってしまうと、乾燥して痒いし、細菌感染は起きるし、アレルゲンも中に入りやすくなるしで、よけいに皮膚病を悪化させてしまいます。

角化症の症状、皮膚のガサガサとベタベタが同時に起きているのは毛の根元の方にある皮脂腺(脂腺)の分泌が角化症に伴って亢進した状態です。(脂漏症)

ベタベタのときはその皮脂をエサとして、皮膚常在のマラセチアと呼ばれる酵母菌の一種が増殖して、よけいに角化症を悪化させていることがよくあります。


▲▽どうして角化症になるの?▲▽

角化症は生まれつきの病気で起きてくる場合と、他の皮膚病に伴って起きてくる場合(二次的)があります。一般的には他の皮膚病に伴って起きる場合がほとんどです。

皮膚病の中で一番多い膿皮症やアトピー、食餌性アレルギーでも角化症が同時に起きてきます。特に長く経過している(慢性化している)皮膚病に多いのが特徴です。

▲▽スキンケアが大切です!▲▽

病気の治療は原因を見つけて診断をつけて必要な薬を使うのが大事です。それは皮膚病でも同じなのですが、ことに角化症においては対症療法のスキンケアこそがとても大事な役割を果たします。

なぜなら二次的に起きてしまった角化症自体が、痒みをひどくしたり、アレルゲンや細菌の進入をしやすくしたりするなど、皮膚病を悪化させる原因の一つになってしまうからです。

体が皮膚病を治しやすくなるようにスキンケアで助けてあげましょう!


▲▽スキンケアの中心はシャンプー療法です。▲▽

皮膚の状態に合わせて上手にシャンプーを選びましょう!

・フケが多い時
余分なフケをよく落とし、フケの産生を調整するシャンプーを使いましょう。イオウ系がよく使われます。

・ガサガサするとき
保湿性のあるシャンプーを使います。保湿成分を含んだシャンプーや、セラミド入りシャンプーなどがあります。

・ガサガサで痒みがひどいとき
保湿性と痒み止め効果を合わせ持つシャンプーを使いましょう。

・ガサガサで細菌感染もあるとき
保湿性と抗菌性を備えたシャンプーを使いましょう。

・ベタベタのとき
抗脂漏性のシャンプーを使いましょう。

上手なスキンケアの仕方なども参考にして、スキンケアシャンプーにトライしてみましょう。


▲▽おわりに▲▽

角化症という専門用語なだけに少し難しかったかもしれませんが、ペットちゃんの皮膚がガサガサしてベタベタするのはどうして? と日頃悩んでいる皮膚病の疑問に少しでも理解が深まれば少し安心感もできますし、対処法についても考えやすくなりますね。

皮膚は内臓と違って直接治療効果が分かるので飼い主さんも治療に参加しやすい病気だと思います。
すべすべしっとりの皮膚に少しずつ近づけていきましょうね。