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10月のColumn ☆異常なまつげってどんなまつげ?☆

人間にも逆さ睫毛が生える場合がありますが、犬でも逆さ睫毛で悩んでいる子がたくさんいます。この逆さ睫毛、医学用語では「異常睫毛」と呼びます。異常睫毛には色々なタイプがありますが、大きな問題点はみな同じで、眼球を傷つける可能性があるというものです。

▲▽色々なパターンの異常睫毛があります▲▽

・重生睫毛
通常の睫毛が生える位置より眼球側(内側)にあるマイボーム腺という所からも睫毛が生え、二列になっているパターン。

・異所睫毛
普通睫毛が生える孔とは全然違うところから睫毛が生えてしまっているパターン。まぶたの裏側から生えてしまったりする。

・睫毛乱生
正常な場所から生えているけれども正常と違う向きに生えるパターン。


▲▽どんな症状がでるの?▲▽

異常な生え方の睫毛は眼球の方に向かって生えてくるので、眼の表面(角膜)をツンツンとつつくうちに角膜に傷を作ってしまいます。

角膜の傷はごく浅いうちに気が付いて治療を開始すればすぐ治りますが、見逃してしまうとどんどん深くなります。すると細菌感染をおこし、穴があくスピードはいっそう早くなります。これを角膜潰瘍と呼びます。

角膜潰瘍はさらに進行すると角膜に完全に穴があくこともありますし、治っても眼の表面に白く傷跡が残ってしまいます。最悪、失明の危険性が出てきます。

初期症状は眼を擦ったり、眩しそうに眼をつぶりぎみに瞬かせたりする、涙目などです。

細菌感染が起きると黄色や緑のメヤニが出てきます。眼の痛みはかなりひどくなり、元気や食欲がなくなってしまうこともあります。

▲▽こんな犬種が要注意です▲▽

シーズー、ポメラニアン、マルチーズ、ダックスフント、ペキニーズなどで異常な生え方の睫毛を持つ子が多いようですが、その他どんな犬種でも異常睫毛が生える可能性はあります。
「うちの子は眼が出てるからしょっちゅう眼をぶつけて傷つけちゃうの。」という飼い主さんは、異常睫毛がないかきちんとチェックしてあげましょう。実は眼をぶつけていたのではなくて異常な睫毛が原因だった、ということがたまにあります。


▲▽治療方法は?▲▽

異常睫毛が原因で眼を傷つけている場合は、原因になっている睫毛を抜いてあげる必要があります。その上で、角膜の傷の治療をします。眼は大変デリケートなので、傷が付くとあっという間に進行してしまいます。白目が赤い、何となく眼を気にするという段階で早めに動物病院に連れて行きましょう。

いつも眼の方向に向かって異常睫毛が生えてきて、毎回眼を傷つけてしまうのであれば、1カ月おきくらいに定期的に睫毛を抜いて角膜の傷を予防すると良いでしょう。


▲▽おわりに▲▽

眼が出ている犬は眼を傷つけやすいというのは事実だと思います。しかし、その中で実は異常な睫毛が生えていて、それが傷の原因となっている場合もあります。傷の位置がいつも同じなら怪しいかもしれません。
正しい知識と毎日の観察で愛犬の眼をきちんと守ってあげましょうね!