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短頭種ってどんなワンちゃん? 【動物まめ知識】

短頭種とは鼻ペチャの顔立ちのワンちゃんを指す名称です。難しく言うと、スカル(頭蓋骨の長さ)に比べてマズル(鼻の長さ)が短い犬種のことで、ワンちゃんは頭の形によって、短頭種(スカル>マズル)、中頭種(スカル=マズル)、長頭種(スカル<マズル)に分けることが出来ます。短頭種のワンちゃんにはどんな種類がいるのでしょうか? どんな特徴があり、どんな事に気をつけて飼育すればよいのでしょうか?


★短頭種が作られるようになったわけ★

もともとワンちゃんは皆オオカミのような長い鼻の顔つきをしていました。人がある目的のために品種改良をしていく際に、それぞれ都合の良い形態を選んでいった末に鼻の短いワンちゃんが出来ていったと考えられます。
たとえばブルドッグはもともと牛と戦うために作られました。牛の足に噛み付きやすいように下あごを発達させ、さらに噛みつき続けて口を閉じたままでも呼吸がしやすいように鼻の穴を短くして上に向けるようにした結果、あの独特の顔が作られたのです。
また、ペキニーズはもともとは中国宮廷の愛玩犬ですが、伝説の動物「獅子」に似せてあのような鼻が短くて目が大きく、毛がたてがみのようにふさふさとするように作られたと言われています。


★どんな種類がいるの?★

短頭種にはそのほかにもヨーロッパ系の短頭種であるフレンチブルドッグ、ボストンテリア、ボクサーや、アジア系の短頭種であるシーズー、チベタンスパニエル、チャウチャウ、パグ、狆(ちん)、そのほかヨーロッパの犬にアジアの短頭種を掛け合わせたキングチャールズスパニエル、ブリュッセルグリフォン、などがいます。


★短頭種の特徴★

短頭種のワンちゃんの多くは鼻がつぶれているせいで、横から見たときに鼻と目がほぼ同じ面の上にあるようにみえます。鼻が顔にめり込んでいるせいで鼻と目の間の皮膚に皺が出来ている子がほとんどです。また、鼻を短くした結果、鼻の穴が通常のワンちゃんより狭くなっているため、鼻で呼吸がしづらかったり、嗅覚が劣っているといわれています。さらに鼻の部分が短くなったせいで上あごの骨が下あごに比べて小さくなり、上下の歯が噛みあわなくなっていたり、歯並びが悪くなっていることもあります。


★病気と注意点★

これらの特徴から短頭種が特徴的にかかりやすい病気というものがあります。

まず、鼻というガードがないために、目をあちこちにぶつけたり目に草の先端などが刺さって目の表面(角膜)を傷つける事がよくあります。また、鼻の根元から目に向かって生えている毛や目尻の皮膚の皺が常に角膜を刺激して、角膜炎の原因となっている事もあります。特に目の大きいシーズーやパグなどによく見られます。
通常、涙は鼻涙管という細い管を通って目から鼻に抜けていきますが、鼻がつぶれている子はその管が狭くなっている事があります。目から溢れた涙は目尻から鼻の皺の間にたまりやすく、皺の間は常に湿って汚れていることが多いため、細菌感染をおこしやすく、こまめにぬぐって清潔にしていないと皮膚炎をおこすことがよくあります。
鼻の穴が狭いため、鼻で呼吸しづらく、常に他のワンちゃんよりも呼吸数が多いのも注意点の一つです。ワンちゃんは暑い時には舌をハアハアさせて呼吸する事によって体温を下げますが、ただでさえ呼吸が大変な短頭種は他のワンちゃんよりも体温を下げにくく、熱射病になりやすいといえます。ですから短頭種のワンちゃんは呼吸数が高くなる原因、暑さや興奮には要注意です。この特徴から最近では夏の間、短頭種のワンちゃんのお預かりを断っている航空会社があります。
また、短頭種のワンちゃんは寝ているときによくいびきをかきますが、それは喉の奥にある軟口蓋(いわゆるノドチンコの部分)が通常よりも大きく、寝ているときに緩んで、呼吸をする度に振動して音が出るためです。軟口蓋は常に激しく呼吸をする事によって少しずつ伸びるといわれており、ひどくなると気管の入り口を塞いでしまうことがあり、あまりに呼吸の邪魔になると手術で切除しなければならなくなることすらあります。
短頭種のワンちゃんのように上あごよりも下あごのほうが出ている噛み合わせのことを「アンダーショット」といいます。上の歯と下の歯がきちんと噛みあわないため、口を閉じていてもすき間から舌が出ていることがよくあります。これ自体はとくに病気とは直結しませんが、歯並びが悪いと歯垢がつきやすく、歯石から歯周病へと発展しやすくなります。短頭種のワンちゃんは子犬の頃から歯磨きを習慣にして、常に口の中を清潔にしておく事が必要です。


かつて日本では狆という短頭種が一大ブームとなりました。神社の狛犬もその姿を似せて作られたとさえ言われています。そして現在ではシーズーが多くの人に飼われるようになり、フレンチブルドッグやボストンテリアも人気急上昇中です。鼻ペチャのワンちゃんは愛嬌があり、表情豊かで人の事が大好きな子が多いため、いつの時代でも私たちの気持ちを捉えて離さないのでしょう。しかし、本来の犬からかけ離れた姿をしている品種ほど、その改良には多少の無理があると思っていたほうがよいでしょう。それぞれの品種の特徴をよく勉強して、その子に合った飼いかたを心がけるようにしましょう。

キーワード

短頭種 シーズー フレンチブルドッグ マズル