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ペットと引越し 【飼い方】

最近はペットと一緒に暮らせる賃貸マンションなども増え、以前よりペットも引越しを経験する機会が増えてきました。ただでさえ大変な引越しですが、ペットと一緒に引越しをする場合には、いくつか気をつけなければいけない点があります。
今回はペットと引越しをする時の注意点についてお話をしましょう。



★その1 引越しが決まってから、引越し当日までの注意点★

・かかりつけの先生にご挨拶をしておきましょう
いままで診ていただいた動物病院の先生に引越しの報告をするのは、ただ単に礼儀上の問題だけではありません。ペットの健康状態の情報を次の先生に引き継ぐためです。現在特に動物病院にかかってなくても、次の動物病院の先生にペットの体質や気質を最初から伝えることができれば、その後の健康管理を非常にスムーズに行う事ができます。もし、引越し先に今の先生の御知り合いの先生がいらっしゃれば、紹介していただくのが一番ですが、そうでなければ今までの既往歴や持病、現在使っている薬の名前などを詳しく聞いておきましょう。

・引越し当日はペットをどうするか決めておきましょう
引越し当日は知らない人がたくさん出入りしますし、大きな荷物が動いたり、大きな音もするため、ペットにはとても大きなストレスとなります。ですが、飼い主さんだって荷造りに追われてペットのことばかりに気を使ってあげる余裕はないですよね。ストレスに耐えられなくなったペットが開け放してある玄関や窓、門から逃げ出してしまい、一緒に新天地に行けなくなってしまった、そのまま行方不明になってしまった、という悲しい事故もよくおこります。
できれば引越し当日、ペットは知り合いやペットホテルに預けておいて、その場にいないほうが安心でしょう。引越し先がさほど遠い場所でなければ、引越し先の荷物も全て運び込んで、一段落ついて落ち着いたらペットを迎えに行きましょう。
もし、どうしても預けられない場合には、出発する時間までケージに入れてお風呂場に入れておきましょう。お風呂場付近は一番人の出入りが少なく、閉め切っておけるために比較的安心です。

・ペットの移動手段を考えておきましょう
ペットを新しい家まで連れて行く手段は大きく「自分で連れて行く」「人に頼む」の2通りがあります。
自分で連れて行く場合、もし普段からドライブ旅行などに一緒に行く子ならば自家用車で行くのが一番ストレスのない方法でしょう。公共の交通施設を使う場合には必ずキャリーバッグに入れ、各施設のルールを守るようにしましょう。
自分では運べない場合、引越し会社でペットも家財道具と一緒に運んでくれるところもありますが、会社によって運び方や料金が異なります。引越しの見積もりの時点で必ず確認をしておきましょう。また、このようなときのためにペットの輸送を専門にしている会社もあります。

・移動時にはかならずケージに入れて
自分で運ぶ場合も、人に頼む場合も、ペットを連れて行くときには必ずケージに入れるようにしましょう。電車や飛行機などの公共の施設を使う場合には他のお客さまのことも考えてケージに入れることが義務とされていますが、それ以外の場合でも、ケージやバスケットなどペットが飛び出す事ができない入れ物の中に入れたほうが安全です。「いままで、どこにいくにもうちの子はショルダーバッグの中に入れていたから(リードをつけて抱っこしていたから)大丈夫よ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり引越しはペットにとって今までにないほどショッキングな出来事です。いつになく神経質になったり、言う事を聞かなくなったりしてしまうかもしれません。心配でずっと抱っこしていてあげたい気持ちもわかりますが、いろいろなことが一度におきてパニックになっている   ペットにとっては、暗くて狭いケージの中のほうが落ち着ける場合もあることを理解してあげましょう。
あと、移動するときにはケージと首輪に必ず名前と連絡先のついたタグを忘れずにつけておきましょう。

・短頭種は移動に注意
特にこの時期にペットを移動する場合、周囲の温度には十分に気をつけなければいけません。特にブルドッグやフレンチブル、パグなどの短頭種は鼻の穴が狭く、他の犬種よりもうまく呼吸による熱交換をする事ができないため、暑い時期に興奮してしまうと熱射病になりやすいといわれています。こういったことから、温度差の激しい飛行機の中では体調を壊す事も多いため、現在多くの飛行機会社は短頭種の搭乗を断っているほどです。
短頭種だけでなく移動手段は何を使ってどのように行うのか、前もってよくシミュレーションしてなるべくペットにストレスがかからない方法を選んであげましょう。


★その2 引越しをしてからの注意点★

・ワンちゃんは登録変更を行いましょう
ワンちゃんの場合、引越しをしたら、狂犬病の登録も変更しなければいけません。狂犬病を初めて打ったときにもらった鑑札を持って地元の保健所もしくは環境衛生課などに登録変更の手続きを行ってください。今まで登録を行っていたところには新しい登録場所から連絡が行きます。もしこれらの届出を怠った場合には狂犬病予防法第27条により20万円以下の罰金に処せられる場合があるため、忘れないようにしましょう。

・初めての家で
新しい家をすみずみまでよく見せてあげたい気持ちも分かりますが、ペットにとって新しい家はただの知らない、自分の匂いのついていない場所に過ぎません。無理矢理連れ回してもただのストレスになってしまいます。新しい場所の探索は本人の意志に任せて無理強いは決してしないようにしましょう。
引っ越してきたら、まずケージを一番落ち着ける場所で飼い主さんの存在を感じられる場所(リビングの隅など)において、しばらく様子を見てみましょう。もしペットが落ち着いているようなら、ケージの扉を開けて、自ら外に出てくるのを待ちます。その部屋のドアや窓は閉めておき、まずはその一部屋だけに慣れさせるようにしましょう。
室内に今まで使っていた、自分の匂いのついたトイレや食器、ベッドを置く事によって気持ちを落ち着かせることができますが、神経質な子のためには気持ちを落ち着かせるフェロモン剤(動物病院で処方してもらえます)などを使っても良いでしょう。
一部屋に慣れたら、少しずつ他の部屋も見せていき、「ここが新しいおうちなんだよ、安心できる場所なんだよ」ということを教えていきましょう。

・脱走、迷子にはくれぐれも気をつけましょう
引っ越してしばらくは、ペットにとっては「新しい家」というよりも「知らない所でのお泊り」です。前の家に強い執着心のあるペットは、自分の家に帰ろうとして脱走して行方不明になってしまうかもしれません。くれぐれも戸締りには気をつけて、玄関や窓は決して開けっ放しにしないようにしましょう。外で飼っていたワンちゃんも、しばらく慣れるまでは夜になったら玄関先に入れるなどして、人の目の届くところで管理するようにしましょう。お散歩も始めのうちは家のまわりを一周するするところから始めて、徐々に遠くに行くようにしましょう。

・もしペットが不安を感じたら
ペットによっては新しい環境に慣れるまでに時間のかかる子もいます。家が新しくなっても、ごはんや散歩の時間は変えずに生活パターンをなるべく今までどおりにして、静かに見守ってあげましょう。初日は心細くなって一日中鳴いてしまうワンちゃんもいます。できれば引越しの次の日は1日家で一緒に過ごしてあげるような日程を組んで引越しの日取りを決めてあげましょう。

・新しい土地でペット友達を作りましょう
お散歩をするワンちゃんであれば、途中で同じようにお散歩をするワンちゃんの飼い主さんに積極的に話しかけてみましょう。引っ越してきたばかりという事を伝えれば、お店や病院の情報、お散歩に適した場所、危険な場所などをいろいろと教えてくれるかもしれません。


★その3 海外に引越しをする場合★

もしも、ペットを連れて海外に引越しをしなければならなくなったときには、まず、相手先の大使館にペットの受け入れ条件について聞いておきましょう。輸入許可申請書に必要なワクチンや病気にかかっていないことの証明書や検査は国によって異なり、国によってはマイクロチップを体に埋め込まなくてはいけない場合もあり、検査によっては時間がかかるものもあるため、なるべく早めに聞いておきましょう。

日本から出国する際には動物検疫所で検査が行われます。具体的にはワンちゃんの場合は狂犬病とレプトスピラ症を持っていないかどうか、ネコちゃんの場合は狂犬病を持っていないかどうかが調べられます。狂犬病予防接種は接種後30日以上1年未満経っていることが条件となるため、最寄の動物検疫所でなるべく早く聞いておきましょう。

出国の検査は12時間以内の係留検査を行いますが、健康状態に異常がなければ通常はすぐに終ります。これが終了すると英文の輸出検疫証明書が発行されます。
ペットを飛行機に乗せるときには、飼い主と一緒に乗客室に乗れる場合、飼い主と一緒の飛行機だが、ペットは貨物室に乗る場合、ペットと人は別々の飛行機で行く場合、の3通りがあります。それぞれにルールがありますので、こちらもなるべく早く航空会社に問い合わせてみるとよいでしょう。どの場合でも長時間ケージにペットを入れておかなければならないため、あらかじめ健康に留意し、ケージに入ることに慣れさせておくとよいでしょう。


★おわりに★

ペットは大きな生活の変化というものを望んでいません。毎日同じように過ごしたいと思っています。ですから、ペットにとっていままでの環境が全て変わってしまう引越しはとても大きな試練です。とてもストレスのかかることだけれども、大好きな飼い主さんと一緒にいられることだけを思って、頑張っているのだと思ってください。
引越しを通して、今まで以上に飼い主さんとペットの絆が深まるといいですね。

キーワード

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