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動物病院で使われる内視鏡について[検査]

最近、動物の病院にも内視鏡を備えているところが増えてきました。内視鏡は人のほうでも胃カメラとして知られている医療機器ですが、人では人間ドックなどで病気の予防や診断に使うのに対して、動物病院では異物を食べた時の治療などにもよく使われるようです。内視鏡のしくみやどんな時に使われるのか、ということについてお話をしていきましょう。

★内視鏡とは★

内視鏡とは、簡単に言ってしまうと先端にレンズのついた管を差し入れて体の中をモニターで観察し、場合によってはその場で処置・治療をする医療機器です。
レンズのついた細い管のことをビデオスコープ、それがつながったテレビのような本体のことをビデオシステムと呼びます。ビデオスコープは、直径1センチ弱の柔らかい管で、その先端は手元の操作で上下左右に動くようになっています。ですから、消化管のような曲がりくねったところにもスムーズに入っていくことが出来るのです。さらに先端には、レンズを通じて画像をとらえるための超小型高性能カメラ(CCD)や、臓器内部の粘液や血液で先端レンズが汚れたときに水や空気を噴出して洗い流すノズル、鉗子などの器具を入れるための穴などがあります。

★内視鏡でできること★

内視鏡は先端にカメラがありますから、胃や腸の中の病変を直接見ることが出来ます。たとえば、レントゲンでは写らない胃の中の毛玉を見つけることが出来たり、炎症や出血をしている場所などを正しく診断する事が出来ます。
また、先端に器具をつけることによって、もっと詳しい検査や治療を行う事もできます。
たとえば、組織の一部を摘み取って、それを顕微鏡で詳しく観察することによって、消化管内のできものがただのポリープなのか、癌なのかを診断する事が出来ます。
また、良性のポリープだった場合、その場で根元から切除、治療することも出来ます。

ペットに使われる内視鏡の処置で最も多いのは消化管内の異物除去でしょう。ペットは時にびっくりするものを食べてしまう事があります。たとえば、大きな魚の骨が食道にひっかかった、ボタン電池を食べてしまった、焼き鳥を串ごと食べてしまった、ジャーキーを丸呑みして喉に詰まってしまった、などというとき、手術でお腹を切らなくても内視鏡の先端に鉗子(はさんで持ち上げる事の出来る器具)を取り付けて引っ張り出すことが出来るのです。

また、これは技術が必要で習得した獣医師しか行う事が出来ませんが、最近は腹腔鏡手術といって、内視鏡を使って避妊去勢手術などを行なう先生も現れました。お腹を切る範囲が狭くてすむという利点があります。

★内視鏡の種類★

通常、内視鏡というと口から入れて、食道や胃、腸の中を見るためのものと思われますが、実はそれは消化管内視鏡といって、内視鏡検査のほんの一部なのです。
細い管を体の中に入れて、様子を観察する器具には他にも
気管支鏡:のどから気管、気管支を観察する
鼻鏡:鼻の中の粘膜の様子などを観察する
耳鏡:耳の奥の様子を観察する
膀胱鏡:膀胱の中の粘膜の様子を観察する
などがあり、大きくはこれらすべてを内視鏡といいます。

内視鏡は体を切らなくても中の様子を肉眼で見ることが出来るという共通の利点があります。

★ペットで内視鏡の検査を行なう時には★

内視鏡を飲む際、喉を通る時におえっという吐きそうになる反射があるため、人ではそこの部分だけ局所麻酔をかけてから、検査を行ないます。しかし、ペットの場合、大人しく長い管を飲んでくれる子はいませんから、どうしても局所だけというわけにはいかず、全身麻酔が必要になってきます。ぐっすりと眠ってしまってから飲ませるので、苦しかったり気持ち悪かったりということはありませんが、麻酔がすっかり覚めるまで病院でお預かりしますから、人よりも少し時間がかかる検査になります。場合によっては半日入院、ということもあるかもしれません。
胃の中にごはんが入っていると何も見えなくなってしまうので、お腹がすいている状態(絶食)で検査を行なうのは人と同じです。

内視鏡による処置や治療は比較的最近のことです。操作法を各先生が勉強しなければならないのに加え、検査器具が高価であるため、全ての先生が持っているわけではないので、もし、内視鏡による治療を望むのであれば、あらかじめ持っているかどうかを聞いておくとよいでしょう。ただ、異物を飲み込んでしまったような場合は、一刻を争うため、そんなことも言っていられません。
内視鏡を使うような事故や病気にならないよう、飼い主さんは注意してあげましょうね。

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