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動物まめ知識

妊娠した愛犬との生活 〜知りたい!聞きたい!一問一答〜 【動物まめ知識】

愛犬に子供を産ませたいと思ったことがありますか?では実際に妊娠したらどうすればよいのでしょうか?妊娠判定の仕方は?妊娠期間は?分娩の兆候は分かるの?妊娠中の管理はどうすれば?妊娠犬に関する様々な疑問にお答えします。


★犬の妊娠、どうしたらわかるの?★ 

《人間の場合》
人間のお話からします。妊娠したのかどうかを最も早い時期に確実に知る方法は、尿検査による判定です。尿検査による妊娠判定では通常、尿中のホルモンを検出します。このホルモンは受精卵から発生する絨毛(じゅうもう)という組織から分泌されるもので、妊娠した場合にのみしか検出されません。

このホルモンが尿中に排出されるようになるので、これを妊娠判定検査薬で検出することで妊娠の判定が可能になるわけです。妊娠の判定が可能となるのは受精から最低でも2週間以上が必要です。

《犬の場合》
人間では妊娠した時にのみ分泌されるホルモンがありますが、犬は妊娠してもしなくても、同じホルモン変化を辿ります。従って犬は人間の妊娠判定検査薬のように尿検査で妊娠を診断することができません。犬で最も早い段階からできる信頼性の高い妊娠検査は超音波検査です。最初に交配してから21〜24日で胎児の心拍を検出することができます。しかし胎児の頭数を確認するには信頼できる方法ではありません。

通常、獣医師が腹部を触って妊娠を判断するのは25〜36日後となります。しかし、30日以降では子宮はさらに膨張するため、腸管と妊娠子宮を区別することが難しくなります。また、45日後にはレントゲン検査で胎児の骨化が確認できます。


★犬の妊娠Q&A★

では、分かりやすく犬の妊娠に関する疑問に一問一答でお答えしていきます。

Q.犬の妊娠期間は何日くらいですか? 
A.人間の妊娠期間は280日(40週)±15日と言われていますが、犬の場合はグレートデーンであってもチワワであっても、体のサイズに関わらず仔犬を分娩するには平均63日(9週間)が必要です。

Q.母犬にはカルシウム剤(サプリメント)を与えた方が良いですか? 
A.人間の妊婦は、妊娠中にカルシウムを多く含む食品を摂る工夫が必要であることはご存知のとおりです。高血圧、子癇前症などの妊娠中毒症のリスクが低下することがWHOの研究によって明らかになっています。
しかし妊娠中の犬にはカルシウム剤(サプリメント)を与えてはいけません。サプリメントを与えていた犬は帝王切開の確率を高める陣痛微弱を引き起こす危険性があります。さらに、出産後に骨からのカルシウムの放出が不十分となり、筋肉の虚弱や発作などの症状を引き起こす低カルシウム血症に陥りやすくなります。

Q.いつ出産するか知るにはどうすればよいですか? 
A.出産約1週間前から検温すると良いでしょう。健康な犬の正常体温(直腸温)は38.1〜39.2℃、健康な猫の正常体温は37.8〜39.2℃です。犬も猫も出産直前には体温が数度(37.2℃を下回る)下がります。

しかし通常、体温はかなり早く回復するので、見逃してしまう可能性があります。ですから、妊娠の最後の週は少なくとも1日2回の体温測定を行う必要があります。分娩は体温低下がおこってから24時間以内に始まります。

Q.胎盤を食べさせた方が良いのですか? 
A.「分娩後に母犬が胎盤を食べないと母乳を作らない」というのは古い迷信です。胎盤を食べると嘔吐することもあります。食べてしまっても心配する必要はありませんが、食べさせる必要は特にありませんのでできるだけ胎盤を除去して下さい。

Q.犬にもつわりはありますか? 
A.人間の場合、つわりは妊娠6〜11週頃の約半数の妊婦にみられますが、犬のつわりに関する記載は少なく、あまりよく分っていません。妊娠3週でつわりに似た軽い吐き気や食欲の減退が起こりますが、通常1週間以内に落ち着きます。嘔吐が継続する場合は、その嘔吐が妊娠から来ることだと判断せず動物病院を受診することをお勧め致します。

Q.母犬のワクチン接種について教えてください。
A.仔犬は、母犬から生後12時間以内に初乳を飲むことにより、免疫(移行抗体)を持つことができます。ですから、妊娠前に母犬が確実な免疫を持っている必要があります。しかし妊娠中の犬にワクチン接種をする必要はありません。繁殖前にワクチン接種を済ませておきましょう。

Q.妊娠すると母犬はどのような変化が見られますか? 
A.最後の数週間で行動が変化することが多いようです。愛情を求めたり、注意を引こうと努力します。また胎児の成長に伴って子宮が拡大すると、雌犬は落ち着かなくなり、人目を忍んだ場所を捜し求めるようになります。短気になることもあるので、小さいお子様がいらっしゃるご家庭では注意が必要です。
実際、妊娠5週目までは目に見える変化はほとんどなく、5週間を超えると体重の増加に気付き始めます。しかし胎児が1〜2頭しか存在しない場合は出産までの体重増加はわずかの場合がほとんどです。そして、お腹は最後の3週間で大きくなります。乳腺は早ければ分娩前7〜9日で発達しているかもしれませんが、通常分娩前1〜2日まで乳汁は分泌されません。

Q.妊娠したら母犬の食事はどうすればよいですか? 
A.妊娠5〜6週で仔犬用フードに変更することが推奨されています。下痢や嘔吐を引き起こす可能性があるので、あまり妊娠早期に食事を変更する必要はありません。妊娠3週目までは必要な栄養性はあまり変わりませんし、妊娠5〜6週までカロリー摂取量を増やす必要もありません。
妊娠1ヵ月は通常のドックフードを与え、妊娠2ヶ月目(妊娠35日)から1週間かけて徐々に仔犬用フードに変更します。妊娠を維持するために必要な食事量は通常の1.5倍と言われています。
仔犬のサイズが大きい場合は5週、小さい場合は妊娠6週から摂取カロリーを徐々に増やします。妊娠後半になるとお腹の中のスペースが仔犬で奪われるため一度にたくさん食べることができなくなります。従って少量を頻回に分けて与えてあげることがベターです。
分娩後の授乳期は母犬の必要要求カロリーが3〜4倍増加するので、仔犬が6週齢で離乳するまで母犬に仔犬用フードを与えるべきです。

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