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グズグズ花粉症って、犬にもあるの? 〜花粉と上手に付き合う方法〜 【動物まめ知識】

犬の場合は「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」という症状は稀で、脇、四肢の先端および屈曲部、下腹部、口および眼周囲、耳などの痒みを伴う皮膚症状の方が一般的です。花粉による季節性のアレルギー反応はあるので、人間の花粉症対策と似ています。


★花粉はいつ飛ぶの?★ 
 
日本においては約60種類の花粉が報告されており、いろいろな花粉が年中飛散しています。花粉の種類によって飛距離が異なりますが、共通点は風によって花粉が運ばれるということです。

○2月上旬〜3月末
花粉は地域毎に飛散状況が異なりますが、環境省の花粉症保険指導マニュアルによるとまず先陣を切って飛散するのがスギ花粉です。スギ花粉は2月中旬より飛散しだし、3月上旬に飛散のピークを迎え、3月末まで飛散します。人間の花粉症の約70%はスギ花粉が原因と推定されています。

○4月〜5月
スギ花粉が飛散し終わった直後の4月に、ヒノキ花粉が飛散します。スギ花粉とヒノキ花粉は構造が非常に似ているので、スギ花粉症の80%以上の人間がヒノキ花粉症にもなっていると言われています。

従ってスギ・ヒノキ花粉症の人は、2月から5月までくしゃみ・鼻水・鼻つまりあるいは眼のかゆみなどの症状に悩まされます。

○5月〜10月
5月に入ると、頻度は高くありませんがイネ科植物のカモガヤ花粉が6月頃まで飛散し、8月から10月頃までキク科植物のブタクサやヨモギなどの雑草類の花粉が飛散します。

こうして見ると11月〜1月を除いて、ほぼ1年中、何らかの花粉が飛んでいて、その花粉による症状に悩む人間やワンちゃんがいるということです。


★スギ花粉による花粉症が多いのはなぜ?★ 
 
日本は世界でもトップクラスの森林国で、日本の森林率(国土面積に占める森林面積の割合)は約64.7%で国土の約2/3が森林です。その森林の約3割がスギとヒノキ林で占められます。

スギ樹木は函館から鹿児島にかけて植生します。ですので、北海道の大部分と沖縄ではスギ花粉が飛んでいないのでスギ花粉症にはなりません。花粉症に悩まされる方にとっては、理想的な場所かもしれません。

スギ花粉飛散の主役は樹齢20〜50年のスギです。戦後、日本国土にスギが植林されました。しかしながら建築用木材として輸入木材が多用されるようになり、日本のスギ材の使用が減少したためにスギ花粉量が増加したと言われています。

またスギ花粉は直径約30ミクロン(0.03ミリメートル)のサイズで、非常に軽いため、気流に乗って100km以上遠くにも飛散します。つまり家の近くにスギの木がなくても遠い山からの花粉がジェット気流に乗って飛散してくるのです。


★ワンちゃんにも、鼻がグズグズするような花粉症ってあるの?★ 
 
人間で一般的に言われている花粉症は、アレルギー性鼻炎として「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」が特徴的な鼻アレルギー疾患です。

しかし犬の場合は「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」という症状は稀で、脇、四肢の先端および屈曲部、下腹部、口および眼周囲、耳などの痒みを伴う皮膚症状の方が一般的です。花粉による季節性のアレルギー反応はあるので、人間の花粉症対策と似ています。その対策は「花粉回避法」として、後ほど説明いたします。

犬の花粉症という表現は一般的ではありませんが、一言で「ない」ということでありません。アレルギー反応を起こす原因となる物質(抗原)を「アレルゲン」といいますが、ワンちゃんでも花粉はアレルギーの原因の一つです。他のアレルゲンとしてはハウスダストや食物などがあり、現在ではアレルギー性皮膚炎のワンちゃんが増えてきています。

花粉に対するアレルギー反応と捉えれば、いわゆる「犬の花粉症」と呼べるかもしれません。


★ワンちゃんの花粉症の症状とは?★ 
 
花粉症の症状といえば鼻や目の粘膜にあらわれたり、皮膚のかゆみがあります。皮膚がかゆくなると、全身皮膚炎となります。かゆさのあまり掻きつづけ、膿んでしまったり炎症を起こすこともあります。

人間の場合は「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」という症状ですが、ワンちゃんの場合は人間の症状と比較にならないほどひどい状態になってしまうこともあります。


★ワンちゃんの花粉症の検査方法は?★ 
 
花粉症とは、主にスギやヒノキの樹木花粉にアレルギー反応を起こして発症する病気です。しかしそれ以外にも、雑草の花粉やカビ、ダニ、食物などにも反応している場合があります。

残念ながら現時点では犬や猫のアレルギーを確実に診断する方法がありません。しかし、犬種、症状が出始めた年齢、皮膚症状の場所、痒みは一年中なのか、あるいは季節性があるのか? 生活環境および食事内容などの情報から、ある程度アレルギーを推測することは可能です。

医療機関でアレルギーを起こすアレルゲンの種類と重症度を血液で検査することも可能で、人間では10数項目、犬および猫では92項目のアレルゲンを特定することが可能です。花粉の時期に愛犬がかゆがる症状が出た場合、最寄の動物病院でアレルギー検査をしてみましょう。


★ワンちゃんの花粉症の治療方法とは?★
 
お薬による治療だけではなく、徐々にアレルゲンに慣れさせ、ワンちゃんの体質をアレルギーが起こりにくい体質に変えていく方法もあります。

その方法を減感作療法といいます。花粉症を引き起こす原因となる抗原を、時間をかけてごく微量ずつ与える治療方法です。人間の花粉症治療にも使われています。

アレルギーの治療は長期間にわたるので、過敏反応が起こらないようにするためにも獣医さんとしっかり話し合いながら進めましょう。

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