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動物まめ知識

ネコの目を見つめてみよう 【動物まめ知識】

くるくる動く不思議なネコの目。女心はネコの目のよう?キラっと光るキャッツアイ。ネコの目を科学的に見てみると。。。


★まん丸黒目と針状黒目★

「キャッツアイ(猫目石)」という高価な宝石があります。光の量や角度によって色や艶、見え方が異なる特徴が猫の目に似ていることから名前が付けられました。さて、本家本元の猫の目も明るさ、そして感情によって変化します。例えば明るい時には、猫の瞳孔(人間で言えば黒目の部分)は縦に細い針状になります。また、暗闇の中や驚いた感情の時には瞳孔が黒く丸くなります。

どうして猫は瞳孔自体の形が変化するのでしょうか?もともと猫は夜行性の動物です。少ない光の量でもハンティングできるように「与えられた光を有効活用する機能」を持っているのです。その証拠に人間に比べて「目の大きさ÷ボディーサイズ」の値が大きいですよね。つまり体の割に大きい目で光を有効活用しているのです。暗いところでは多くの光を取り入れようと瞳孔の面積を大きくし、明るいところではその面積を縮めて水平に閉じる瞼で光があまり入ってこないように調節します。また、感情により瞳孔の大きさが変化するのはアドレナリンが関係していると言われています。

驚いたり、興味を引かれるものを見つけたときに瞳孔が大きくなるのは、アドレナリンが放出されもっとよく見えるようにしているのです。


★少ない光の有効活用術★
 
暗闇の中でキラリと光る猫の目。猫が苦手な人はこの光る目を怖いと感じるようですが、猫にとってはとても重要な機能なのです。猫のような夜行性動物は、人間の目にはない「光を反射させる特殊な層(タペタム)」を持っています。ドラマや写真の撮影時に使用する銀色の光る板(レフ板)をイメージすると分かりやすいでしょう。レフ板は光を一度板に当てて反射させることで、広い範囲で均等な光を被写体に当てることができます。

猫の目にはそのレフ板が備わっています。「見える」というのは、瞳孔から入った光が網膜にある視細胞を刺激して映像としてキャッチされることをいいますが、猫の場合、網膜の後ろにレフ板があり、網膜を通り抜けた光をレフ板で反射します。反射された光を再利用することができるのです。月明かり程度の光があればハンティングができるのは、少ない光でもリサイクルして再利用するこの機能のおかげです。先ほど触れた暗闇で光る目も、実は反射され網膜で吸収できなかった光(つまりリサイクルできなかった光)が外に向けて放出されている状態だったのです。暗闇では人間の6倍も見えているというのも納得できますね。


★猫の世界はモノクロ?★
 
さて、猫は色を見分けることができるのか、できないのか。皆さんはどう思いますか?かつては猫の世界は「モノクロ」であることが一般論でしたが、数々の研究により猫にも色感があるということが分かり始めてきています。ただし、人間と同じように色を見極められているわけではありません。人間が色を見分けられるのは「錐状体(すいじょうたい)」という細胞を持っているからです。しかし、猫はこの錐状体の数が人間に比べて非常に少なく、特に赤色を感知する錐状体が極めて少ないと言われています。ある研究によると紫・青・緑・黄の識別はでき、赤・オレンジ・茶の区別はできなかったといいます。まだ完全には解明できてはいませんが、猫の獲物であるネズミはグレーですし、夜にハンティングする元来の特性を考えれば、猫にとって色というのはあまり重要な情報ではないのかもしれません。


★成長すると目の色が変わる?★
 
子猫の頃から飼育していればお分かりかと思いますが、猫の目の色は成長すると変化していきます。
赤ちゃん猫の目はほぼみんなグレーから薄い青色をしています。成長するにつれてそれぞれの遺伝子の持つ情報によって青・緑・金・茶など様々な色に変化していきます。

目の色は虹彩の色で決まります。虹彩とは瞳孔(黒目)をくるりと囲む色のついた部分です。そして虹彩の色はメラニン色素の量で決まります。メラニン色素が多ければ茶色や黒っぽい目になり、少なければ緑・青・金・黄・オレンジ色などになります。しかし、生まれたての赤ちゃん猫はまだメラニン色素が定着していないため薄いグレーや青色をしているのです。
 
稀に遺伝子の関係で左右の目の色が異なる猫(オッド・アイ)もいますが、特に毛色が白のオッド・アイ・ホワイトで金色と青色の目を持つ猫は、青色側の耳が生まれつき聞こえません。原因はまだ解明されていませんが、不自由なのは決まって青色の目側の耳です。


猫の目の神秘に迫った今回のコラム。いかがでしたか?その目ひとつとっても「猫として生きる能力」を私たちに教えてくれている気がします。室内飼いが増え、愛玩動物として定着している猫ではありますが、擬人化して育てるのではなく「猫という生物として」その能力を尊重し、共生することの大切さを感じたのではないでしょうか?

キーワード

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