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神経感覚器

ワンちゃんがけいれんを起こしたら [神経感覚器]

けいれんとは、自分の意識と関係なく体の一部や全身の筋肉がガクガクと動いてしまう症状のことを言います。もし、おうちのワンちゃんが突然目の前でそうなってしまったら、誰でもビックリしてしまいますよね。でも、こんなときこそ、冷静な対応が必要となるのです。


☆けいれんってどんなときにおこるの?☆

けいれんは神経が自分でうまくコントロールできなくなってしまうときにおこります。
顔など体の一部の神経だけにおこることもありますが、ワンちゃんで多く見られるのは脳の神経に障害が起き、意識を失い全身の筋肉が収縮してしまうタイプです。

☆けいれんの原因☆

脳の病気 
トキソプラズマ症・・・脳の中に寄生虫が入り込んでしまう病気
犬ジステンパー・・・脳にウイルスが感染する病気
クリプトコッカス症・・・脳に真菌の一種が感染する病気
水頭症・・・頭蓋骨の中の脳脊髄液が溜まりすぎて脳が物理的に

圧迫される病気
脳腫瘍・・・脳の中に腫瘍ができてしまう病気
脳の外傷・・・交通事故や高所落下などで脳が直接ダメージを受けた場合

体に毒素が溜まって神経が侵される病気 
腎不全・・・体の毒素を排泄する腎臓の機能が弱ってしまう病気
門脈シャント・・・先天的な血管走行の異常のため毒素が体内をぐるぐる回りつづける病気

てんかん・・・原因は不明

熱中症・・・体全体が高温となってしまう

低血糖・・・脳のエネルギーとなる血糖が低下するためにけいれんがおこる。子犬が下痢をしたときや膵臓の腫瘍のときなどにおこります。

中毒・・・農薬や重金属、有害植物などを口にする事によってけいれんがおきることがあります。

まず、原因を見極める事がとても大切です。


☆もしもけいれんがおきてしまったら☆

今まで元気で何の病気でもなかったのに、突然手足を突っ張ってけいれんを起こした場合は、てんかんの可能性が非常に高いと言えます。
てんかんのけいれんであれば、すぐにおさまります。あわてずに行動しましょう。

まず、ペットの回りにある、ぶつかりそうなものをすばやく片付けます。片付けられない場合はぶつけても大丈夫なように、クッションなどを間に挟むようにしましょう。特に頭の周りには物がないように気をつけましょう。
けいれんを起こしている時のワンちゃんは自覚症状がありません。たとえ、飼い主さんであっても、口の近くに手があれば激しく噛み付いてくることもあります。意識がないので一度噛み付いたものは離そうとしません。もし、出来そうならば大き目のタオルや毛布などですっぽりとくるんでしまってもいいのですが、決して無理はしないように気をつけましょう。かえって興奮するようなら押さえつけたり、触ったりということはしないようにしましょう。

てんかんの発作は通常数十秒から数分でおさまります。おさまったあとはいつものワンちゃんに戻りますが、本人は何があったかを理解していないので、静かに声を掛けながら、ゆっくりと落ち着かせてあげましょう。

もし、数分経ってもけいれんが収まらないようであれば、てんかん以外の原因が考えられます。しっかりと毛布に包んだまま緊急で動物病院に連れて行きましょう。


☆けいれんがみられたら動物病院へ☆

けいれんは何度も繰り返すと、脳の神経細胞にダメージを与えるために、それがさらに次のけいれんをひきおこす要因となってしまいます。けいれんがみられたら、たとえ一回でもまずは動物病院に連れて行きましょう。

獣医さんにはいつ、どんなときに、どのくらいの長さのけいれんがおきたかを話せるようにしておきましょう。
また、けいれんを起こしているときにはどんな症状だったか(手足を硬く突っ張っていた、舌の色が変わっていた、目がぐるぐると動いていた、など)を観察しておくと診断や治療の重要な手がかりとなる事があります。


☆けいれんの前兆を見逃さないようにしましょう☆

けいれいんの場合、けいれんが起きる前にはいつもとちょっと違う仕草がみられることがあります。たとえば、落ち着きなくそわそわと歩き回る、口をくちゃくちゃさせる、急に吠える、などです。もし、これらのようなけいれんの前兆が見つかれば、何度か繰り返しても慌てずに済みますよね。
また、何かがきっかけでけいれんがおきることがあります。たとえば、大きな音やフラッシュ光線、お客様が来た合図となるチャイムなど、本人にとってストレスとなることが要因となることが多いようです。精神的に平静でいられる生活がけいれんの予防となることもあります。


けいれんの現場を獣医さんが見ることが出来るのは非常にまれです。多くの場合、けいれんが収まってから動物病院に連れて行くため、飼い主さんの状況説明をもとにして、獣医さんは原因を追求していきます。早いうちに正しい診断を下し、適切な治療を行なえば、けいれんを何度もおこすことなく、元気に生涯を送ることも出来るため、日頃からワンちゃんの様子を細かく観察し、いざというときにも冷静でいられるようにしておきましょう。

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