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消化器

大変!なんか変なもの食べちゃった!!〜誤食の危険性〜[消化器]

愛犬をふと見ると「家にあったものが無くなっている!」とか「散歩中に何か食べていた!」ということはありませんか?食べてしまう異物によっては時としてとんでもないことに!!犬はどんなものを食べてしまう事故がありますか?そしてそうしたらどうなっちゃうの?

★どんな物を食べ、どんな症状を引き起こすの?★

【長いヒモ状のもの、ストッキングやトイレシーツなど】
ある程度の長さがあるヒモ状物を誤飲した場合、腸に異物が詰まって「腸閉塞」をおこします。ヒモが結びついている異物はとくに深刻な傷害をもたらします。異物がある場所に固定されて、そこから伸びたヒモが腸に対してノコギリのような働きをします。その結果、腸の壁に孔(あな)が開いて生命を脅かす腹膜炎(腹部の内層粘膜の炎症)を起こします。


【鶏の骨や焼き鳥の串】
鳥の骨は牛や豚の骨と違い、折れた先がギザギザと尖っていてとても危険です。飲み込んだ時には食道や胃腸を傷つけることになります。また、焼き鳥の串は臭いが付いているので食べてしまい、食道に刺さって胃や腸を穿孔することがあります。 無理に吐かせると逆に刺さってしまうこともあるので、必ずそのまま病院へ連れて行きましょう。

【ぬいぐるみ】
中の綿を出して食べてしまったり、目玉のボタンを飲み込むと、胃や腸の一部に詰まる可能性が出てきます。ワンちゃんの遊び道具としてぬいぐるみをあげる飼い主さんも多いと思いますが、誤って飲み込まないよう注意してあげましょう。

【ラップやビニール袋】
お肉などを包んでいたラップ類やビニール袋は食べ物の臭いが付いているので間違えて食べてしまいます。また、ビニール袋で遊んでいて飲み込んでしまう事もあります。飲み込んでしまうと腸に詰まり、何回も吐くことがあります。そのままにしておくと、体内のバランスが崩れてしまいます。また喉に詰まってしまうと窒息する可能性も出てきます。

【たばこ】
たばこを飲み込んでしまうとニコチンの吸収が促進されてしまうため、吐いたり、興奮したり、震えたりします。何も飲ませずにすぐ病院へ連れて行ってください。

【洗剤や漂白剤(塩素系)】
洗剤や漂白剤を飲み込んでしまうと、嘔吐や下痢、皮膚のただれや火傷、目に入ると失明することもあります。


その他、石・砂・木の枝・文具、果物の種・化粧品・靴下・乾電池など…。外も家の中でも、ワンちゃんの興味をそそるものはたくさんあります。愛犬が誤って飲み込むことが無いよう飼い主さんは届かない場所に置くか、見ていてあげましょう。

★中毒を起こす物はなんでしょう?★

玉ねぎ、チョコレート、観葉植物、蚊取り線香、医薬品、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤、ホウ酸だんご、不凍液、鉛、鉛製品、灯油などがあります。身近にあるものから、食べないだろうと思われる物までさまざまです。小さなものだとウンチと一緒に出てくることもあります。
薬品や植物の種類によっては死に至ることもありますので、注意が必要ですね。

【ボタン電池】
食道に詰まると化学的に腐食をおこすため食道の壁に孔が開いて重症になることがあります。症状がなくても飲み込んだらすぐ病院に連れていきましょう。

【酸性(カビ取り洗剤など)・アルカリ性(灯油や石油製品)】
この液体は化学的やけどを起こします。無理に吐かせると食道や喉をもう一度通過するので粘膜を傷つけることになりますし、気道に入ると重症の肺炎の原因となります。


処置に慣れずに無理に吐かせようとして時間がかかってしまうほど、ワンちゃんに負担がかかり飲んだものが少しずつ進んでいき、腸に詰まってしまう可能性もあります。速やかに獣医さんに診てもらうことが一番です。

★獣医さんに報告することは?★

何を飲み込んでしまったのか? 
どのぐらいの量を飲んでしまったのか? 
いつごろに(何分、何時間、数日前から)飲み込んでしまったのか?


飲み込んでしまった物の実物(おもちゃの破片や、薬品のラベルなど)の一部を持っていくと獣医さんも処置がしやすくなります。

土日はかかりつけの病院がお休みで連れて行けないということもあります。前もって緊急のときにすぐ連れて行けるように、土日や深夜にも診療をしている病院も調べておくのも良いでしょう。

★ 病院ではどんなことをするの?★

腹部の触診で診断して、比較的安全と思われるものは催吐剤を飲ませて吐かせる場合もあります。

レントゲン検査やエコー検査などで確認して、様子を見て良いものと早く処置が必要なものとを鑑別します。金属や石などはレントゲンですぐに見つけることができます。布やプラスチックなどは見つけにくいことが多く造影検査や内視鏡が必要なこともあります。

それ以外には内視鏡による除去やもしくは外科手術をします。液体の物や中毒の可能性がある物は胃を洗浄することもありますし、腸閉塞の疑いのある場合にはバリウム検査を行うこともあります。

少しでも思い当たることがあれば、飲み込んだかどうか分からない場合でも、念のため診察を受けることもよいでしょう。

★誤食を防ぐには?★

普段からワンちゃんが飲み込みそうなものを届く場所に置かないことが一番です。

散歩中は特に誤食を起こす物がたくさん落ちていますのでリードは自由にせず、目の届く場所に飼い主さんがいるようにしてください。

何かを口にくわえているようでも無理に取り上げるとあわてて飲み込んでしまう事が多いです。おもちゃやおやつなどで気をそらした隙に取り上げるようにしましょう。

また、おもちゃで遊ぶときはその子の大きさに合ったものを与えてあげましょう。留守番や睡眠時など、飼い主さんの見えないところで誤食が起こるかもしれません。愛犬をサークルに入れてあげることで防いであげましょう。

家の中やお散歩は色々な物が落ちていて危険がいっぱいです。誤食を防ぐにはワンちゃんをしつけることだけではなく、飼い主さんも気にかけてみましょう。

まずは、ワンちゃんの通り道をきれいにするのはどうでしょうか。道端は人間だけのものではなく、動物も歩く道です。タバコやごみを道に捨てないようにしてみましょう。

そんな小さなことでも、誤食や怪我を減らすことができる近道になるのではないでしょうか?

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犬 ワンちゃん 誤食 食べ物