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皮膚

肉球のお手入れの話[皮膚]

あのプリプリしてかわいらしい肉球にも大きな役割があります。 一体どんな役割をしているのでしょうか? また毎日のお手入れはどのようにすればいいのでしょうか。縁の下の力持ち”肉球”の役割です。

★どんな働きをするの?★

足への衝撃をやわらげるクッションのような役目を果たしています。肉球は皮膚とは異なるゴムのような厚い皮でできている、いわゆる靴底のようなものです。木々が落ちている山に散歩に行ったりジャリ道を歩いたりするときに足を保護する大事な役割をします。

足を保護する以外にも、狩りをする時に足音を立てずに獲物に近づくための役割もはたしているとも言われています。いわゆる「抜き足 差し足 忍び足」ができるのはこの肉球のおかげなのです。

また、肉球は体の中で唯一汗をかける場所でもあり、“汗腺”と呼ばれる汗を出す分泌腺を持っています。

動物病院が嫌いで、連れて行くといつも緊張するペットの診察台の上を見てみてください。きっと極度の緊張で、足の裏から出た汗により診察台の上は濡れているはずです。そしてこの汗を出すことで、普段の体温調節も行っているのです。出る場所が違っていても、汗=体温調節という役割は人間と一緒ですね。

★どんな病気が起こるの?★

肉球は文字通り「肉」ですので、ケガをすれば血が出ます。外に出るとアスファルトばかりという現代の環境はガサガサになったりひび割れを起こす原因にもなります。そのような状態になれば痛くなるのはもちろん、ひきずったり気になって足の裏を舐めたりします。足の裏を舐め始めると唾液のバイ菌が傷口から入り、さらにケガの状態を悪化させたり舐めたときのよだれにより肉球の周りに皮膚炎を起こしてしまうこともあります。
また、肉球の状態が普段と変わることで、それが病気のサインにつながることもあります。例えばジステンパー感染症にかかると病気の進行につれて肉球が“ハードパッド”と呼ばれるほど硬くなる状態になることがあります。また心筋症や血栓症が起こると肉球まで血が通わなくなるため、ピンク色の肉球を持つ子では貧血により色が白くなることがわかるでしょう。

肉球は体温の目安にもなります。普段なら冷たい肉球をさわったときに熱いと感じたら、発熱している可能性もあります。これも病気の早期発見につながります。
このようなことを考えると、日常生活において肉球の状態を時々チェックすることが大切になります。

★肉球のお手入れ方法★

上記のようなトラブルになる前に、肉球用のジェルやクリームを塗って予防してあげましょう。それらに含まれる保湿成分が肉球や足の皮膚に膜をはり、保護はもちろん角質もやわらかくするため肉球の本来の役割を果たしやすくします。
冬場の暖房器具などで肉球の表面が乾燥するとフローリングにより滑りやすくなるので、それがもとで骨折や捻挫などのトラブルに至ることがあります。老齢になれば代謝の低下により肉球がガサガサになりやすくなります。毎日長い時間散歩に行く子やアウトドアで山や河原を走り回った後では肉球が荒れてしまうのはもちろん、小さな傷からでもバイ菌が入るかもしれません。また、夏であればコンクリートの熱さや海辺の砂浜により肉球が火傷をしてしまうこともあります。
そのような状態になってからではなく、そうなる前の予防として日頃の肉球のこまめなお手入れが大切になってくるのです。

★体のどこでも痛いのは同じ!★

耳の中や口の中と同じように、肉球も普段の日常生活をする上ではそんなに見る機会がありません。わざわざ足の裏を見るなんて…と思いがちですが、体のすべての部分で地面と接触していることが最も多いのは肉球の部分なのです。そしてもしその肉球が病気になってしまったら、体を支えている重さも加わりきっとその子は痛がるでしょう。体のどこの場所でも痛い気持ちは同じなのです。

肉球の状態をチェックしその変化を早く見つけることで、その後に続く病気の予防につながることもたくさんあります。「たかが肉球、されど肉球」です。こまめに保護クリームを塗ってあげることで、いつもふっくらつやつやの肉球を目指しましょう!

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