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これって皮膚病かな? 〜皮膚病の原因・診断〜 [皮膚]

皮膚病は早く治療すればそれだけ改善も早く、その逆に時間が経てばそれだけ悪化していきます。さらに、皮膚病と思っていたのに実はそうではないこともあり、間違った治療をしてしまうと、治すどころか悪くなってしまうことにもなりかねません。


★皮膚病ってどんな症状になるの?★

症状は、皮膚病を起こす原因によってまったく異なります。そしてその原因となるものは多種多様なため、一言で「こんな症状になります」とは断言することはできません。
 
しかし、飼い主さんに分かりやすい一般的な症状としては「かゆがる」、「毛が抜ける」、「赤くなる」、「発疹が出る」、「膿が出る」、「体が臭う」、「フケが出る」…などがあります。

また体をかゆがっている場合は、その場所を噛んだり引っかいたりしてその部分を傷つけることで、二次的に細菌が感染する皮膚病にもなってしまうのです。

どちらにせよ、何かしらの原因があることで皮膚病になるのは間違いないため、その原因を見つけ出し、除去することが治療につながります。


★皮膚病じゃないのに… ★
 
ここで注意しておかなければならないのは、皮膚病ではないのに「かゆがるから」「毛が抜けるから」と言ってなんでもかんでも皮膚病にしてしまうことです。
 
その一つに「脱毛」があります。犬や猫が現在いる場所が、生まれた地域(国)と異なる場合、気温や日の当たる量、食事などの生活環境の違いは皮膚への負担となります。そしてその環境に合わせるために、自然に毛が抜けることがあります。飼い主さんはそれを皮膚病による脱毛と間違えてしまうことがよくあります。

また、ペットがよく見せる「かゆい。かゆい」の仕草も必ずしも皮膚病と関係あるわけではなく、退屈しのぎや注目してもらいたいサイン、ストレスから逃げるための行動の場合もあります。暑さや寒さなどの気温の変化も生理的なかゆみを引き起こすことがあります。「この子、掻くから皮膚病だわ」と勝手に判断することは避け、必ず動物病院で原因を確認するようにしましょう。


★原因はなんだろう? ★
 
犬や猫に起こる皮膚病で代表的な原因となるものは「ノミ」、「カビ」、「ダニ」、「アレルギー」、「アトピー」、「細菌」などです。しかしこれだけではありません。数えあげれば原因は無数にあるのです。

ノミやダニによる皮膚病の場合、ノミの唾液によるアレルギーで、皮膚にプツプツと発疹ができたり赤くなったりすることがあります。また、かゆみや不快感から掻いたり噛んだりして更に皮膚を傷つけてしまうことがあります。
 
カビや細菌には、子犬や老犬の時期、病気などでその子の免疫力が低くなったときに感染しやすくなります。またシャンプーの洗い残しやケンカ傷など、飼い主さんの不手際が原因で起こってしまうこともあります。

アレルギーやアトピーからくる皮膚病の原因を知るには多くの検査と根気が必要です。遺伝的なものやその子の体質が大きく関わってくることが多いからです。その子をとりまくすべてのものからアレルギーを起こしている原因のアレルゲンを見つけることはとても難しいと言われています。アトピー性皮膚炎の場合は特に複雑で、アレルゲンがわかったとしても環境の改善や皮膚の状態を維持するための飼い主さんのその後のケアがとても重要になります。

他にもホルモンの異常や内臓の障害、その子の体臭からくる皮膚病もあります。この場合は慢性的に皮膚病に進行していくため、飼い主さんの発見も遅れてしまうようです。
 
ノミやダニのように、原因が特定できて、それさえ除去すればすぐに治る「治療法が確実なもの」と、アレルギーやアトピーのように「原因はわかっていても、長期的に予防や治療を続けなければ皮膚の良好な状態が維持できないもの」があります。いずれにしても原因を特定しなければ、効果のない治療や予防方法を一生懸命することになりかねません。


★皮膚病の原因を知る方法は? ★
 
第一に飼い主さんの観察です。動物病院で診察をしても、獣医師はその子が毎日生活をしている環境まではわかりません。状況をできる限り詳しく獣医師に伝えることが大切です。皮膚病がいつから起こっているのか、その頃に飼い主さんがしたことは何か、皮膚病を起こしてしまうような何か思い当たる原因があるのか、そしてその子の病歴はもちろんのこと、遺伝的なことからくる場合も考えて親犬や兄弟犬たちの病歴まで知る必要がある場合もあります。

また、特にアレルギーからくる皮膚病に関しては、食事の内容、皮膚病を起こす時期や発情時期との関係、散歩のコース、陶器やステンレスなどその子が使っている食器の種類、飼い主さんの喫煙の有無、いつも接触している敷物の素材、同居犬・猫の有無、皮膚病が起こる少し前に変化した環境などなど、その子の周りの生活環境を徹底的に知る必要があります。
 
そのような問診により、獣医師はどんな種類の皮膚病が考えられるのかを診断していきます。飼い主さんの正確な情報は皮膚病の原因発見の一番の近道なのです。


★予防が大事!★
 
皮膚病は悪化し、慢性化すると治療がとても困難になります。そして、いくら皮膚病を起こしている原因がわかったとしても、簡単に治すことができないものも多いのです。
 
だからこそ予防が大切なのですが、皮膚病を起こさないために大切なことは、毎日の観察、日々のお手入れです。お手入れをすることで清潔を保つのと同時に皮膚の異常を早く発見することができます。また、その子の特性や年齢をよく考えてシャンプー選びや回数、洗い方などにも注意を払わなければなりません。餌の種類、生活環境などについても、その子の皮膚に合ったものを選ぶことが大切です。

やっかいな病気の代名詞である皮膚病から愛犬や愛猫を守るためには、皮膚病を起こさない予防が、また体質が関係する場合は発症しにくくするための予防がとても大事になります。
 
飼い主さんもペットも、不快な気持ちにならないよう予防の方法をしっかり身につけて、快適に過ごすことができるよう心がけましょう。

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