獣医師セレクトアイテム専門ショップ ペットクリニックセクレトショップ
獣医師や看護師が贈る
ペットコラム

いつでも愛犬愛猫が元気にいてほしいからここからコラム「ペットライフ」をお届けします

病気と予防 全部の記事を読む
ペットライフ 全部の記事を読む
ペットクリニックHOME » ペットライフ » 一覧 » ねこまんまはいけないの? 【栄養学】

栄養学

ねこまんまはいけないの? 【栄養学】

温かいご飯に鰹節、もしくは煮干。これが一昔前までの日本の猫のご飯でした。
しかし現代では、キャットフードをあげるのが普通になっていますね。
もしかして、面倒くさいから? いえいえ、そうではありません。何となく当たり前にあげているキャットフードが生まれた理由はきちんとあるのです。



★何が違うの? 昔の猫と今の猫の暮らし★

昔の猫は家でご飯をもらったら外に出て行くのが当たり前でした。活発な猫ならば昆虫や鳥、ネズミなどを食べて家の食事以外に必要な栄養を満たしていました。

もともと猫は小動物を捕らえて食べる動物です。栄養学的にもネズミなどを食べるのがちょうどよいような体に出来上がっています。

ところが、車が増えて交通事故は増加し、猫エイズや猫白血病ウイルスの蔓延などから猫を家で飼う方が寿命が明らかに長いことが知られ、猫は徐々に家の中だけで生活するようになってきました。
そのため、家猫は飼い主さんが与える食事しか食べないことになりました。
 
すると、ご飯に鰹節のような食事を与えられている猫達にしばしば特殊な病気が出てくることが気づかれたのです。


★猫の食性について★

猫は肉食です。人間は雑食なので猫の内臓を人間と比較すると違うところがたくさんあります。

歯・・・
人の奥歯は繊維質をすりつぶすのに適した臼状をしていて、顎を左右に使って食べ物をすりつぶしてから飲み込みます。穀類を多く食べるので唾液にはデンプンを分解するためのアミラーゼという酵素が含まれています。
猫の奥歯は刃物の様に尖った形をしています。肉を切り裂くのに向いています。食べ物を飲み込める程度の大きさに噛み砕いたら飲み込みます。唾液にアミラーゼは含まれていません。

腸・・・
猫の盲腸はとても小さく消化器官としてはほとんど機能していないと言われています。  


★消化と吸収について★

3大栄養素の炭水化物、蛋白質、脂肪の利用と吸収についてお話してみましょう。

炭水化物・・・
猫は炭水化物を利用するには苦手です。40%以上炭水化物が含まれているとうまく消化できなくて一時的に高血糖になることさえあるようです。唾液中にアミラーゼがないので主に小腸で膵臓の酵素により消化します。エネルギーとしてすばやく利用しやすい炭水化物(糖質)は脳を活発に働かせるのに役立ちます。また蛋白質を無駄に使わずに済ませる効果があります。
 
炭水化物を摂取した方が食後の血糖値の上昇は緩やかで膵臓への負担が少ないと考えられます。

蛋白質・・・
猫は肉食というところからも分かるように犬や人よりも常に高蛋白な食事を必要としています。常に蛋白質から糖分を作って活動しているとされています。
仔猫では30%以上の、成猫でも26%以上の蛋白質が必要です。

脂肪・・・
最低でも9%は必要です。成長期には18〜35%程度、維持期や高齢でも10〜30%程度の脂肪分が含まれていて良いとされています。嗜好性を高め、また必須脂肪酸(健康を保つため、食事から取らなくてはならない栄養素)を摂取するために必要です。

 
★便利なキャットフード★

初期のキャットフードは利便性からできたもので、完全な栄養食としては問題のあるものもありました。そのため、あるキャットフードだけを与えている猫に病気が見られたこともあったようです。

しかし、今ではキャットフードの質も良くなり、総合栄養食の基準を満たしたものではこれらの重篤な栄養障害は起きないようになっています。

確かに人の食品と比べると規制が甘い面はありますが、アメリカやヨーロッパでもペットフードの原材料にはきちんとした規制がありますし、国内でも原材料になる牛や鳥への抗生物質の使用は飼料安全法により制限されています。


ねこまんまからキャットフードに変わる歴史はいかがでしたか? 
ペットは飼い主さんが与えるものしか食べることができません。良いフードを選んで愛猫の健康をきちんと管理してあげましょうね。 

キーワード

ねこまんま 猫 ご飯 栄養 仔猫