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予防医学

糞便検査でわかること [予防医学]

糞便検査という検査名を聞いたことのある飼い主さんは多いかと思います。
では、具体的にどのような目的でどのような検査をするのでしょうか?



★定期的な検査は必要なの?★

健康そうに見えていても、体内の詳しいことは検査してみないとわからないものです。
ですから、健康診断を兼ねて定期的に糞便検査をすることをオススメします。
ワンちゃん、ネコちゃんにはほとんど苦痛を与えずに行える検査であり、様々な情報を私たちに教えてくれます。
ワクチン接種の時などの定期検査以外でも、下痢をした時、便がゆるい状態が続いたり食欲はあるのにだんだんと痩せてくる場合は、お腹に寄生虫がいるかもしれないので、動物病院に行って糞便検査をしてあげましょう。
仔犬の場合は、体調が変わりやすくお腹を壊してしまうことが多いので約1ヶ月ないし2ヶ月に1回くらいの糞便検査が理想だといえます。


★どんな症状の時に糞便検査が必要ですか?★

ワンちゃんの場合、下痢をした時にはまず糞便検査を行ないましょう。
単なる消化不良による場合もありますが、深刻な病気の可能性も考えられます。元気だったワンちゃんがぐったりしたり、下痢が続き、普段と違うウンチの臭いがしたり便に血が混じっていたりする場合は、早めに動物病院に連れていき糞便検査を行ないましょう。


★糞便検査でわかることは?★

糞便検査では主に消化吸収の状態や異常、細菌の状態や寄生虫がいるかどうかなどが分かります。
まずはウンチの見た目をチェックし、色・臭い・形・形状を調べます。
便の状態は食べ物によって変わります。お肉を食べるとウンチの色が黒っぽくなりますが、消化管内で出血がある場合もあります。ウンチの臭いが強い場合は、消化不良や病気である可能性があります。
また、ウンチの硬さはウンチに含まれる水分によって異なります。消化の悪い食べ物を食べ過ぎてしまったりすると消化不良を起こし、水分の多いウンチになります。ウンチの形がない場合はポリープ等の腸疾患が考えられることもあります。
次に、顕微鏡で更に細かく検査します。顕微鏡検査では、細菌の状態、寄生虫の有無が分かります。細菌ですが、ウンチ内には大腸菌や細菌がたくさんいます。下痢などが起こったときには、キャンピロバクターという細菌が多く見られます。

寄生虫がいる場合は寄生虫の卵を発見することができます。消化管内の寄生虫には様々な種類が存在します。全く症状がみられないこともありますが、種類や寄生数によっては、下痢や血便を起こしたり、食欲を低下させ衰弱を引き起こしたり、ひどい場合には死んでしまうこともあるとても怖いものです。

寄生虫がペットの体内に入るルートは様々です。しかし、一般には汚染された土壌やウンチに含まれる卵や幼虫を食べたり、水を飲んで感染することが多いようです。ですから、落ちているウンチや食べ物を食べさせないようにしたり、ワンちゃんが排泄したらすぐに処分し、食糞に気をつけたりする事がとても重要です。


★糞便検査に使用するウンチは?★

糞便検査に用いるウンチは、お散歩などで自然に排出されたものを使います。
ただ、検査は時間が経ったウンチや、乾燥して乾いてしまったウンチだと正しい検査結果が得られません。採取したウンチは小さいタッパーやサランラップ、ビニール袋などに包んで乾燥を防ぎましょう。検査に用いるウンチの量としては、親指の先程あれば十分な検査が行えます。


★普段の生活の中でチェックするポイント ★

普段の生活の中でチェックするポイントを挙げてみます。
まずはウンチの形と硬さです。食事内容によって異なり、ドライフードの場合は少し硬め、缶詰の場合は少し軟らかくなりますが、正常なウンチはコロンとひとまとまりにまとまっていて、サッと拾い上げられる硬さがいいウンチといえます。拾った後に下に残るような便は、あまりいいウンチではありません。
次に色です。これも食べているものによりますが、普通のウンチの色は黄土色です。

普段同じものを食べているのに、いつもと違う色のウンチが出たら少し注意が必要です。

また、臭いも重要なチェックポイントです。ウンチのにおいを嗅ぐことに少し抵抗のある飼い主さんもいらっしゃると思いますが、病気の時と比べる為に元気な時の臭いは知っておくといいでしょう。なぜなら、病気の時は普段より強い臭いがするからです。

そのほかには、普段の排泄量が極端に変わってしまったり、排便回数が変化するようなら、注意をした方がよいでしょう。

お散歩時に、排泄する時のワンちゃんの姿勢や様子なども普段からよく観察して、日々の変化を見逃さないようにしましょう。それは毎日一緒に生活している飼い主さんが一番分かることです。いつもと違うな、何か変わったと思う事を見つけたら一度、動物病院で糞便検査を行なってみましょう。


★健康なウンチを維持するためには?★

下痢などを起こさず、健康なウンチを維持するための注意点がいくつかあります。
まずは食生活です。与えない方がいいものとして、牛乳があげられます。
人間でも牛乳を飲むとお腹を壊す人がいるように、ワンちゃんも牛乳を飲むと下痢をしてしまうことがあります。それは、牛乳に含まれる成分である乳糖を消化する酵素が少ないためです。なるべくワンちゃんに牛乳を与えるのは控えましょう。どうしても欲しがる場合は、少量にするか、犬用ミルクを与えるようにしましょう。

そのほかに与えてはいけないものは、中毒症状を引き起こすネギ類やチョコレートなどがあげられます。それらを食べさせてしまうと、ひどい下痢や嘔吐、痙攣を引き起こしてしまいます。もし食べてしまった場合は、急いで動物病院へ連れて行きましょう。
また、腐った食べ物を食べた場合、食あたりを引き起こし、下痢と嘔吐が続くことがあります。そうならない為にも、食餌が終わったらたとえ残っていても食器を下げ、夏場やフードの出しっぱなしなどに気をつけましょう。

食生活の他にも、ワンちゃんの精神状態が変化したときには注意が必要です。

例えば、いつも一緒に生活している家族が何日も家を留守にした
り、ワンちゃんが一人で過ごす時間が増えたり、長期のペットホテルなどで住環境の変化したときなどです。
それらで強いストレスを受けたワンちゃんは下痢をすることがあります。

ほとんどの場合は、もとの環境に戻してワンちゃんの精神状態を落ち着かせてあげれば治るといわれていますが、もとの環境に戻っても下痢が長期的に続くようであれば、一度動物病院に連れて行きましょう。


ウンチはペットの大切な健康のバロメーターです。
これをよく観察するだけで、病気の早期発見にもつながります。毎日のお散歩のときに、すぐに始末するのではなくて、大切なペットのためにもウンチの状態を見てみてくださいね。

キーワード

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