獣医師や看護師が贈るペットコラム
獣医師や看護師が贈る
ペットコラム

いつでも元気にいて欲しいからここからコラムをお届けします

ペットクリニックHOME » 病気と予防 » 一覧 » 冬に気をつけたい健康管理(ワンコ編) [予防医学]

予防医学

冬に気をつけたい健康管理(ワンコ編) [予防医学]

冬になると寒さで私達人間も風邪が流行し、体調を崩しやすくなりますね。
犬も同様、冬になると寒さにより体調を崩すことが多くなってきます。
そこで今回は、冬に気をつけたい健康管理についてお話したいと思います。



★オシッコのトラブルに気をつけよう!★

寒くなると運動量が減り水を飲む量も減ります。水を飲む量が少ないためオシッコの回数や量が減り、濃くなったおしっこの中でミネラルの成分が結晶になり、泌尿器の病気にかかりやすくなってしまいます。

尿路結石の疾患は、尿道が細くて長い雄犬や7歳以上の高齢の犬、以前に尿路系の疾患にかかったことのある犬が再発する可能性が高くなります。また、細菌性の膀胱炎は、尿道の短い雄犬がかかりやすくなります。

オシッコを出そうとしているのに、痛そうにしていてオシッコが出てこない場合や、時間をかけて少しずつ出している場合は結石などで尿道が詰まっている場合があります。
いつもと様子が違うな? 思ったら、オシッコをスポイトや空き瓶などに採取して一緒に動物病院へ持っていくようにしましょう。

・予防法を教えて!

飼い主さんが寒いため散歩に出ることを怠りがちになると、散歩の時にオシッコをする習慣がついている犬は、ずっと我慢をしてしまい泌尿器の病気の原因になってしまいます。
日ごろからおうちの中でもトイレができるように習慣づけてあげましょう。

また、お水をいつでも飲めるように、新鮮なお水をお気に入りの場所においてあげましょう。飲み水をぬるま湯にしたり、少しだけ肉汁やペット用のミルクを加えるなどの工夫をしてみても良いでしょう。


★関節の痛みに注意★

冬になるとお年寄りが関節の痛みを訴えるように、犬も同じように関節痛が起こることもあります。関節が寒くて動かず、温まっていない状態で突然激しい運動をして、無理な体勢をとってしまうと関節を痛めてしまうのは、人も犬も同じです。
日ごろから愛犬とスキンシップをとるようにして、関節を動かしてあげるようにしましょう。

・肥満に注意!

関節の疾患を防ぐにはまず肥満にさせないことが大切です。もし、今現在愛犬が肥満気味で痩せさせたいのであれば、いきなりご飯の量を減らしたりせず、まずは獣医さんの指導のもとで減量を行なうようにしましょう。

・急に遊ばせないようにする

寝起きなどでまだ動きが鈍いときに、急に運動をさせないようにしましょう。突然無理に体制をとると関節を痛めてしまいます。

・滑りやすい床は気をつけよう

滑りやすいフローリングなどの床は犬が踏んばれずに肢に負担のかけてしまいます。床に滑り止めやカーペットを敷くなどの対策をしましょう。

足の裏の毛が伸びていると滑りやすくなり、怪我や関節を痛めてしまうことがありますので、定期的に毛を刈ってあげましょう。

・定期健診を受けましょう

寒さによってなのか、なんだか元気がないな? と感じた時は体重を測定したり、老犬の場合は年に数回は定期健診をするようにしましょう。今までは元気に動いていたのに、歩くのを嫌がったり、体を痛がっていたり触ると怒るようになったら病院に見てもらいましょう。


★ワクチン接種をきちんと済ませておきましょう★

・犬ジステンパー

ワクチンを接種していない犬に感染しやすい病気が犬ジステンパーウイルスです。子犬だけではなく成犬でも感染します。感染している犬の咳や鼻水・目やにが付くことで見つかる病気です。
始めは、咳・鼻水・目やに・下痢・食欲がないなどの症状が見られます。

感染から4週間ほど経つと体の中で増えつづけているウイルスが脳や脊髄の細胞に侵入します。顔や手足が痙攣したり、腰が抜けて歩いたり立ち上がることができなくなってしまいます。症状がひどくなる命を落とすこともある怖い病気です。
 
初期症状が風邪と似ているので、冬に症状が出るとただの風邪かな? と勘違いしてしまうと危険です。きちんとワクチン接種を済ませておきましょうね。

・犬パルボウイルス感染症

冬になり、寒さなどから体力が少ない子犬や老犬が気をつけなければいけないウイルスがもう一つあります。それはパルボウイルス感染症です。

このウイルスもきちんとワクチン接種をしていないと、接種をしていない犬はもちろん、免疫力の弱い子犬や高齢犬が感染して亡くなってしまうこともあります。

感染した犬のウンチやオシッコ、鼻水、吐いたもの、に混ざって出てきたウイルスが他の犬の口に入ることで感染してしまいます。また、体から出てきたウイルスが毛布や、食器、散歩コース、人の足の裏や服などに移りそこから犬の口に入り感染してしまうこともあります。
パルボウイルスはとても丈夫で半年〜1年はそのまま生き残ることができます。

感染すると、嘔吐や下痢、血便がひどく脱水症状になります。
悪化すると、失神などのショック症状や敗血症を起こしたり、発症して1〜2日で急に亡くなってしまいこともあります。
パルボウイルスをなくす方法はありませんが、体力を回復するように免疫を上げて自分自身で病気を治していくことが治療になります。

嘔吐がひどい場合は、ご飯や水を飲ませないようにします。下痢や脱水は点滴で水分や栄養補給します。

・病気に負けない体作りをしましょう

日ごろから健康状態を観察したり、規則正しい生活をしてウイルスに感染しない抵抗力のある体をつくることが大切です。
1年に1回の予防接種を受けることが大切です。

・ケンネルコフに気をつけよう!

犬も人間と同じように風邪を引きます。熱が出たり咳をしたりすることで発見されることが多く、ケンネコフ(犬の咳)と呼ばれます。ケンネルコフを治すお薬はありませんが、咳や炎症を抑える抗生物質や体力を回復する点滴や注射などを投与して免疫を上げて自然に治るようにしていきます。

風邪だから自然に治るまで待とう! と治療しないでおくと、人間と同じようにこじらせて肺炎を起こしてしまうこともありますので、きちんと治療をしましょう。


★皮膚のお手入れをきちんとしましょう!★

冬は湿度が低く、乾燥しやすい季節です。この季節にドアを触ったりすると、バチッ!と静電気が起きてビックリしたりしますよね。静電気は人だけではなく犬にも起こります。

静電気を防ぐには、皮膚や毛のうるおいを保つためにシャンプー後にトリートメントをしたり、お部屋を乾燥させないために加湿器などで湿度の調節をしましょう。


★室外、室内の注意点を知ろう!★

・室外で注意すること

寒さに強い犬ですが、夜中から朝方までは人間と同様体が一番冷える時間帯です。

犬舎の向きを日当たりの良い場所に移動させたり、毛布や保温マットを入れてあげたり、おうちに北風が入らないように入り口につい立のようなものを設置してあげましょう。
対策をせずにそのままにすると病気になることもあるので温度管理に気をつけて過ごしやすい環境を作ってあげましょう。

・室内で注意すること

室内も温度管理に気をつけましょう。暖房器具で空気が乾燥するので呼吸器系の病気にかかりやすくなります。一緒に加湿もしてあげましょう。

ストーブやハロゲンヒーターなどに近づき過ぎて火傷をしてしまうこともあります。
また安全だと思われているホットカーペットや電気毛布なども寝返りをせず、長時間同じ姿勢でいると低温火傷を起こしてしまいます。

また、電気のコードをかじり感電をすることもあります。
ホームセンターなどに販売している電気コードのカバーを設置したり、いたずらしやすいところにゴムホースを通したり、ビニールテープを巻いて防止しましょう。


冬は、冷たい空気が喉を刺激しやすい季節です。空気が乾燥して寒い冬は喉や鼻の粘膜の働きが弱まり、抵抗力が下がるためウイルスや細菌が入りやすくなります。ウイルスは低気温で低多湿を好みます。老犬や体力が落ちた子はウイルスが入りやすくなるので正しい寒さ対策をしてあげ、愛犬の健康状態をきちんと管理してあげましょうね。

キーワード

皮膚 お手入れ ケンネルコフ 嘔吐