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老犬の介護 【飼い方】

飼育環境の改善や獣医療の進歩に伴って、ワンちゃん達の平均寿命は以前よりも伸びてきています。「大切なパートナーであるワンちゃんが幸せな犬生を最期まで過ごすために飼い主さんができることは何か? 」と考えてしまうものですよね。
そこで今回は、老犬の介護についてお話したいと思います。



★老犬に起こりやすい病気は何ですか?★

ワンちゃん達も年齢を重ねると、人間と同じように「老化」が起こり、様々な変化が見られてくるようになります。
たとえば「お散歩を嫌がるようになった」「神経質になってきた」など行動の変化も多く見られると思いますが、これらは必ずしも「年だから」で片付けられる問題ではありません。お散歩を嫌がるワンちゃんの場合、心疾患、関節疾患、甲状腺機能低下症、脊椎疾患などの可能性がありますし、神経質になってきたワンちゃんの場合は白内障で視力が低下して、見えないことによる恐怖が原因かもしれません。

老犬でかかりやすいと言われている病気には、いま挙げた病気以外にも歯周疾患、腫瘍、糖尿病、前立腺肥大、子宮蓄膿症、認知障害など数多くあります(これ以外にも老犬で起こる病気はありますし、また、ここに挙げた病気は老犬に限らず若い犬でも起こることがあります)。

ワンちゃんの変化は病気のサインであることも多いので、「年のせい」にせず定期的に健康診断を受けるようにしましょう。


★食事で注意することはありますか?★

高齢のワンちゃん達は消化器に問題がなくても嗅覚の低下によって食欲まで低下することがあります。
そのような場合には、食事を人肌程度に温めて香りを出したり、匂いが強く口当たりの良いものを最初の一口だけ強制的に口に入れてあげると、それをきっかけに食べ始めてくれることもあります。

一般的に高齢になると運動量や代謝が低下することにより体が必要とするエネルギー量は少なくなってきます。したがって若いときと同じ食事内容や量では肥満になってしまいます。肥満は様々な病気の原因となるので飼い主さんはワンちゃんの体重管理に気をつけてあげるようにしましょう。

最近販売されているドッグフードやサプリメントには、ワンちゃんの老化予防に有効な成分が配合されているものがあります。例えば、抗酸化作用をもつ各種ビタミンやコエンザイムQ10、残っている脳細胞の機能を高める効果を持つ不飽和脂肪酸の一種であるDHAやEPA、関節の健康維持に役立つグルコサミンやコンドロイチン硫酸などが配合されているものがあります。これらは薬と違って即効性は期待できませんが、体を健康に保つ助けにはなると思います。また、それぞれの病気に適したフードを病院で購入することもできるので、獣医師に相談してみるとよいでしょう。

★若い頃より便秘や下痢をするようになるのはどうして?★

老犬の消化器機能は低下しているため、食事の与え方や内容が原因で便秘や下痢を起こすこともあります。
便秘をするワンちゃんの場合、水を飲む量が以前より少なくなっていませんか? そのようなときには缶詰など水分量の多いフードやドライフードをお湯でふやかしたものを与えてみてください。

下痢をしやすいワンちゃんの場合、一回あたりの食事量を減らし、食事回数(1日5回程度まで)を増やすとよいでしょう。また、脂肪分は消化を遅らせて下痢を起こしやすくするので、その点に配慮されたフードを与えるようにしましょう。
これらの対策を行っても治らない場合は病気が原因であることも考えられるので、動物病院で診察を受けたほうがよいでしょう。


★お散歩の仕方はどのようにすればいいの?★

高齢のワンちゃんと暮らす飼い主さんのなかには、以前のようにお散歩をせがまれなくなって、寂しく思われているかたも多いと思います。

しかし、だからといって、そのままにしておくと寝たきりになってしまう時期が早まってしまいます。筋肉を維持するために運動は必要なので、無理のない範囲でお散歩は続けましょう。

後ろ肢が不自由になってしまったワンちゃんの場合、タオルや幅広の布で下腹部を支えるように持ち上げて歩行を補助してあげましょう(歩行を補助する介護用品も販売されています)。
また、全く歩けないワンちゃんでも日光に当てて外の匂いをかがせたりすることは良い刺激になるので、カートに乗せてお外に連れていってあげましょう。


★床ずれ防止方法はありますか?★

床が硬いと床ずれになりやすいので、床ずれ防止マット(介護用品として各種販売されています)をひくか、クッションやタオルを用いて体が床と接する部分を弾力に富む状態にしてください。
肩や腰など骨が浮き出ている部分は床ずれができやすいので、タオルを丸めたものやドーナツクッションを利用して、それらの部分の下にひいてあげましょう。姿勢の変更は2時間に1回くらいのペースでしてあげるとよいでしょう。
 

★老犬へのグルーミングはどのようにすればいいですか?★

グルーミングは全身に触ることにより体の変化に気づける大切な機会なので、日常的に行いましょう。
ブラッシングは被毛の管理以外にもマッサージ効果があるので、積極的に行いたいものです。また、寝たきりの長毛犬でオムツをつけている場合はかぶれやすくなります。オムツを付けている部分の毛を短くカットしておくと清潔に保ちやすく、かぶれにくくなります。


ワンちゃんが年をとったからといって飼い主さんが悲観的になるとワンちゃんにもその気持ちが伝わってしまいます。ワンちゃんが幸せな余生を過ごせるように、飼い主さんも穏やかな気持ちで過ごすことが理想的だと思います。そして、若い頃からの対策や定期的な健康診断が重要であることは言うまでもありません。
しかし、すでに寝たきりになってしまったワンちゃんを抱えて「介護疲れ」で悩んでいる飼い主さんも多いことと思います。人間の介護でも言われていることですが、そのようなときには一人で悩まず、動物病院のスタッフに相談したり、同じような悩みを抱える飼い主さん仲間とお話してみることをお勧めします。

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老犬 介護 イヌ