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猫の怪我パート1 〜どうして膿みやすいの?〜 [その他]

ケンカ好きの猫は本当によくケンカをします。猫の傷がとっても膿みやすいって知ってますか?どうしてなのかな?猫の皮膚と傷が治る仕組みについてお話します。


★猫だから★
 
もともと猫は単独で狩りをして生活する動物です。
 
縄張りの中で自分だけの力で狩りをして、生きていくための食事を続けることができるのですから、縄張りは生きていくために必要な場所です。

猫の世界で先祖代々受け継がれてきたこの考え方は、人間が猫の食事の用意をするようになって、自分で狩りをしなくても食べるのに困らなくなった現在でも変わることはありません。


★猫の武器★
 
猫がケンカをする時は、もっぱら爪と牙が武器として使われます。
 
どちらも鋭く尖っていますので、縦に深く入れば刺し傷となり、浅く入って引っ張れば引っ掻き傷となりますが、その使い方を考えると、爪が武器となった傷は引っ掻き傷になり、牙が使われた場合は刺し傷になることが多いようです。

どちらの傷も細く小さい場合が多いので、ケンカの直後に発見できることはあまりありません。しかし外出から帰宅して足を引きずっていたり、触ると痛がる場所があったりする時は、ケンカをして傷を受けた可能性があります。(但し、同じ状況で交通事故の可能性もありますので、注意が必要です。)

人間が猫に噛まれたり引っかかれたりすると、高い確率で腫れたり膿んだりしますが、猫も同じです。傷口からばい菌が入ると腫れや膿みなどの症状となります。


★吹き出物★
 
猫のケンカの傷は、にきびや吹き出物と同じように作られていきます。だんだんと大きくなって、表面の皮膚が薄くなり、ついには爆発するのです。

けんかをして1週間以上も経ってから、突然大きな穴が開いてどろっとした血膿が流れてくるのは、爪や牙についた細菌が皮膚の下に入り込んでから膿ができるまでに時間がかかるからです。


★猫の皮膚★

猫の皮膚は良く伸びます。良く伸びるからこそ傷の治りが遅くなるともいえます。

「猫つかみ」という言葉を聞いたことがありますか? 猫の首根っこをつかんでぶら下げることを言います。元々は母猫が子供を運ぶ時に首根っこをくわえているのを真似した行為です。
 
もしも今、近くに猫がいたら、首のあたりの皮膚をつかんでそっと引っ張ってみてください。首根っこの皮膚はたくさん余っている感じがします。ほんの少し摘まんでしまうとかえって痛い思いをさせてしまいますので、思い切って大目につかんでみてください。人間と比べるとびっくりするくらい伸びることが良く分かります。母親がくわえる首の辺りは、くわえられても平気なように神経や血管も少な目にできています。

このようにとにかく猫の皮膚は良く伸びますから、爪や牙が刺さった小さい傷であれば、余った皮膚が寄ってきて傷口をふさいでしまうのです。その結果、猫の傷は膿みやすくなるのです。


★猫の舌★
 
猫の舌はザラザラしています。小さなトゲがたくさんついているのです。毛繕いをする時は質の良いブラシの役割をし、食事の時は取りこぼすことのない便利な食器の役割をする便利なつくりです。ところが、ケガを治す時は猫の舌は他の時ほど働きがよろしくありません。

人間同様、猫も傷を消毒して治りを良くするために舐めるのですが、あのザラザラの舌で舐めてしまうと傷の周りの何でもない皮膚まであの舌で擦ってしまいます。おろし金で擦ったようになってしまうので、傷の周りが擦り傷のように赤くなってしまうのです。擦り傷は何となくむずがゆいので、かゆがって余計に舐めてしまい、悪循環になってしまうこともあります。

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