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予防医学

狂犬病の予防接種に連れて行こうパート1 [予防医学]

狂犬病予防注射に連れて行く上での注意点ってありますか?妊娠しているとき、最近ワクチンを打ったばかりのとき、体調の悪いときどうすれば?


★狂犬病という病気について★

狂犬病は「狂犬病ウイルス」という病原体によって引き起こされる病気です。

犬だけでなく、人を含む哺乳類のほとんどの種に感染し、発症した動物の唾液にこのウイルスが排泄され、噛まれることによって感染します。感染してから症状を出すまでには2週間から数ヶ月かかることがありますが、この間にも唾液中にウイルスは排出されています。

このウイルスが体の中に入ると神経・脊髄・脳がやられてしまいます。治療法はなく、興奮や痙攣、麻痺などの症状が進行し、死亡率はほぼ100%と言われています。


★どうして毎年打たなければいけないの?★ 
 
昨年11月、フィリピンに渡航中の男性が現地で野犬にかまれ、帰国後に国内で狂犬病を発症・死亡した例がメディアで報告され、大きな話題となりました。

日本では狂犬病と言われてもピンとこないかもしれませんが、フィリピンだけでなく多くの国では狂犬病はまだまだ存在し、撲滅に成功できているのは日本とイギリスなどのごく限られた島国だけなのです。

つまり、今回のように海外に行った人が狂犬病を持ち込んだり、また海外から輸入された動物が狂犬病だったり、ということがいつおきても不思議ではないのです。日本中の犬にワクチンを打ち、保健所に登録を行い、いざと言うときに備えるということがいかに大切かがお分かりいただけると思います。


★ワクチンを打つ日について★
 
では、狂犬病の葉書が来たら、あわててワクチンを打たなければならないのでしょうか? 

ちょっと待ってください。ワクチンを打つときには、気をつけなければならない点がいくつかあります。

まず、ワクチンを打つ日です。

ワクチンというのは簡単に言ってしまうと「病気にならない程度に毒性をうんと低くした病原体を体の中に入れることによって、体にその病気に対する準備をさせ、その後その病原体と出会っても発症させない」というものです。

すなわち、弱らせたとはいえ病原体が体の中に入るわけですから、なるべくワンちゃんの状態が良好な日を選んでいただきたいのです。もし、いつもと様子が違っていたり、発情中、妊娠中、お客様が来るなどの特別な日であれば、ワクチンは打つべきではありません。もちろん、現在他の病気で治療中の場合も打つことは出来ません。

また、他のワクチンを打ってしまうと、その後最低1ヶ月は狂犬病ワクチンを打つことが出来ません。多くの動物病院では日にちを限らずに狂犬病のワクチンを打つことができますので、前もって相談したうえ、動物病院で打ってもらうとよいでしょう。


★こんな子は集合注射に向きません★
 
集合注射の場所というのは多くのワンちゃんが集まってきます。そして、ほとんどの子は怖がるか、気分が高揚するかしています。他のワンちゃんの声などで、普段はおとなしい子でも飼い主さんの言うことが聞けなくなってしまうこともあります。犬同士のトラブル、犬と人のトラブルがおこりやすく、普段おとなしいワンちゃんでも興奮のあまり注射をさせなくなってしまう例も少なくありません。

また、精神的にストレスがかかりやすい子は集合注射の雰囲気だけで呼吸が速くなったり、熱が出たりしてしまうかもしれません。

もし、あなたのワンちゃんがとても臆病な子であったり、または怒りっぽい子であれば、無理に集合注射に行くことはないので、動物病院の先生と相談して静かな環境で打ってもらうことを是非ともオススメします。


★打ったあとはどうするといい?★ 
 
集合注射でも動物病院でも、ワクチンを打った後はなるべく心静かにすごせるようにしてあげましょう。当日のお散歩は控えめにし、トリミングや旅行などのストレスがかかることは数日開けてからにしましょう。

狂犬病のワクチンは一般的に副作用は少ないと言われていますが、注意深く観察し、もし何か少しでも変わったことがあれば、すぐ動物病院に連絡するようにしましょう。よく見られる副作用としては、発熱・元気食欲の減少・接種部の痛みなどです。


★登録のメリット★
 
狂犬病の予防接種は病気の予防と言うことだけでなく、犬の登録と言う意味もあります。

狂犬病を打って保健所に登録すると「鑑札」をもらいますよね。鑑札はいわばワンちゃんの「住民票」になります。もし、迷子になっても鑑札の番号で「●●さんちの△△ちゃん」とわかるのです。

鑑札は最初の予防注射時に交付されるので、鑑札番号を愛犬手帳に控え、なくさないように大切に保管しましょう。


★ペットと二人三脚で!★ 

狂犬病の予防注射は「狂犬病予防法」という法律で定められている大切な注射です。

「うちの子は外に出ないから大丈夫」とか「もう何回も打ったから今年はいいわ」などと思わずに、狂犬病予防注射の意味をよく考えて今年もきちんと打ちに行っていただきたいと思います。

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