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飼い方

ペットの体臭がどこからくるか 〜口臭について〜【飼い方】

ペットの口が臭いのはどうして?一大原因は「歯石」です。歯石はどうしてつくの?放っておいたらどうなるの?良い機会にペットのお口を見てみましょう。


★歯石!★

とても増えている口の病気に「歯石」があります。食べ物の汚れが歯に残ってこびりついたものが歯石ですが、歯石が原因で口臭となることはもちろんあります。しかし問題は歯石による臭いだけではありません。
少し前までは、歯石は老犬や老猫の病気でした。犬も猫も肉食動物ですから、歯は人間のような食器である前に獲物を倒す武器です。したがって死因はほとんどが獲物を獲れなくなることによる餓死でした。つまり、歯石がつくほど長生きができなかったのです。
昔は人間に飼われていても寿命が短かったペットたちも、近年のフードや予防の発達で、歯石がつくほど長生きできるようになりました。しかも、ここ最近では老齢ペットだけでなく、わずか3歳程度の若者にまで歯石がついていることも少なくないのです。
これはひとえに食生活が悪いことが原因です。獲物を獲らない以上、口の中に入る物は人間が与える食事とおやつだけなのですから、口の中が悪くなっているのは、確実に人間に責任があります。缶詰や半生タイプの水分を多く含んだ柔らかい食事を主食に与えていたり、人間の食べ物を与えていたり、食事の時間を決めずに1日中食事の皿を出しっぱなしにしていたり、すぐにおやつを与えてしまったりしていると、歯石は付きやすくなります。


★生え替わりが悪い★

歯石が付きやすい食生活を成長期の頃にしていると、乳歯から永久歯への生え替わりが悪くなります。特に犬歯(キバ)は、乳歯がぴくりともしないまま永久歯が隣に生えてきてしまうこともあるのです。犬や猫の歯は、ご覧の通りスカスカです。隙間が大きいからカスが詰まらなくてすむのですが、もし乳歯が抜けずに永久歯が生えてきてしまったら、狭くなった乳歯と永久歯の隙間にカスが詰まってしまいますし、他の歯が生える場所も少しずつずれてしまいます。そして歯並びが悪くなり、噛み合わせが悪くなり、ますます歯石が付きやすくなってしまいます。
離乳期に流動食を与えるのは必要な食生活ですが、歯が生え揃う生後2ヶ月以降は、カリカリの大粒ドライフードで育てるようにしましょう。しっかり噛むことであごも強くなり、満腹中枢を刺激しますから、食糞やいたずらの予防にもなるでしょう。弱いあごに育ってしまうと、硬い物をかじったときに、硬い物でなくあごが割れてしまうこともあるのです。


★歯槽膿漏★

歯石は、歯の根元から付いていきます。ですから、歯石は歯茎にもくっついています。歯石は食べ物カスですから、汚れです。汚れがくっついている歯茎が悪くなってしまうのは自然なことです。そうして歯石を放置しておくと、歯槽膿漏になってしまうのです。
歯槽膿漏は歯茎が溶けてしまう病気ですから、歯茎が溶けてしまったら歯は抜けてしまいます。きれいに歯が抜けてくれればまだ良いのですが、歯がぐらぐらしてしまったり、歯と歯茎のすき間にばい菌が入って膿んでしまったりすると、とても痛いので食事ができなくなってしまいます。
歯は、あごに刺さっていて、その周りを歯茎が固定しています。あごには歯が入る穴があいていますから、歯が抜けてしまったらあごの骨は穴が開いてしまうことになるのです。流行の小型犬は中型以上の犬と比べると、あごの骨に対する歯の穴が大きいので、歯が抜けてしまった後のあごの骨は何とも頼りなくなってしまいます。歯の抜けたあごで食事をしたら、食べ物ではなくあごが砕けてしまうかもしれません。


★ほっぺたに穴が開く★

多くの場合、歯石は奥歯から付いていきます。あくびをした時や吠えた時などでも、奥歯はなかなかしっかりと観察することはできません。「見えない」ことを言い訳に奥歯の歯石を放置しておくと、奥歯の歯石に当たっているほっぺたまで悪くなってしまいます。
歯茎と同じように、ほっぺたも溶けてしまうのです。ほっぺたのすぐ上は目ですし、すぐ前は鼻です。涙が出たり鼻水が出たりする原因が、歯石である可能性もあるのです。
この時も口が痛いので、食事ができなくなってしまいます。おなかがすいていて食べられないのに、口が痛くて食べられないのは、とてもかわいそうなことです。


★歯磨きしましょう★

このように、歯石はいろいろな症状の原因となる恐ろしい病気です。歯石を予防するためには、第一に食事管理、第二に歯磨きです。歯磨き道具はたくさん販売されていますし、歯磨きガムなるものもいろいろあります。しかし、効果がなければ意味がありません。「歯石が付いていますよ」と言われて「歯磨きガムを食べさせているのですが」と言い訳しても、歯石はなくならないのです。
一度付いてしまった歯石を市販の歯磨き道具やガムで取り除くことはできません。必ず動物病院できれいに取り除いてもらってから、改めて予防を始めましょう。
全身麻酔をかけて超音波の機械で隅々まできれいに歯石を取り除いてもらうことができます。歯石の程度や年齢、体格などの理由によっては、麻酔をかけないで診察台で大まかに取り除くだけかもしれませんが、それでもかなりきれいにしてもらえます。
口の中を自由に眺め、ケアすることができるかどうかは、言うまでもなくしつけの問題です。できるようにしつけるべきですし、できないならばできるように練習する必要があります。


今回は口臭の原因となる歯石にスポットを当てお伝えしましたが、口が臭う理由は歯石だけではありません。口より奥の内臓が悪くても、症状の一つとして口臭が上げられます。一瞬でも口が臭いと思ったら、動物病院で診てもらいましょう。
愛犬や愛猫にとって、食事は毎日の重要なお楽しみです。飼主さんの責任でこのお楽しみを取り上げてしまうことのないよう、しっかりと健康な口を維持してあげてください。

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