獣医師セレクトアイテム専門ショップ ペットクリニックセクレトショップ
獣医師や看護師が贈る
ペットコラム

いつでも愛犬愛猫が元気にいてほしいからここからコラム「ペットライフ」をお届けします

病気と予防 全部の記事を読む
ペットライフ 全部の記事を読む
ペットクリニックHOME » ペットライフ » 一覧 » ネコの室内飼育パート2【飼い方】

飼い方

ネコの室内飼育パート2【飼い方】

少し前まで猫は外に出すのがあたりまえの飼い方でした。でも最近では過密な地域で猫を放し飼いすることの欠点が目立つようになっています。糞によるご近所トラブル、交通事故、猫エイズや猫白血病ウイルス感染症の問題。室内で猫を飼うことについて考えてみよう。


★長生き!★

猫がその命を中断させる原因の多くは、迷子による行方不明、ケンカなどによる不治の病(エイズ・白血病)の感染、して何よりも交通事故です。全ては外の世界で受けるのですから、完全室内飼育によって、これらの原因を完全に予防する事ができます。エイズや白血病などは、母猫からもらっていて生まれつき持っている可能性も考えられますが、ケンカや事故、極度の緊張、猫カゼなどで体調が悪化しなければ、発症しないで済んだり、発症しても死因になるほど悪化しないで済んだりするかもしれません。
1日でも長く健康で長生きして欲しい、という飼主として当然の望みを、室内飼育という環境が叶えてくれるのです。


★でもワクチン★

「完全室内飼育なら病気と接触する事は無いのだから、伝染病の予防注射である混合ワクチンを接種する必要は無い」と考えている飼主さんがいらっしゃるかも知れませんが、それは大きな間違いです。
室内飼育はどうしても猫を「箱入り娘(または息子)」にしてしまいます。俗に「野良猫」と呼ばれる外の世界で生きている猫たちよりも、体が敏感に病気に反応してしまうのです。
飼主さんが他の猫と接触した事で、猫カゼを持って帰ってきてしまうかもしれません。ペットショップへ愛猫のオモチャやフードを買いに行って、猫カゼ菌(性格にはウイルスですが)をくっつけて帰ってきてしまうかも知れないのです。
ワクチンは1年に1度です。費用もそれほど高価ではありません。これだけの手間と費用で大切な愛猫の健康を買うのだと考えてください。ワクチン接種を怠って、それこそ脱走でもしてしまって、風邪を引かせてしまったら、そのほうがワクチン接種よりもずっとずっと手間も費用もかかりますし、何より猫がかわいそうです。
猫は、犬のようにフィラリアの予防も狂犬病予防注射も散歩も必要ありません。不妊手術さえしてしまえば、後は1年に1度のワクチン接種だけで良いのですから、忘れずにしてあげてください。


★嫌でも癒される★

「冷たい」「気まま」「自分勝手」と形容されることの多い猫ですが、ちっともそんなことないのは愛猫家の皆様は十分ご承知でしょう。
考えられない場所に座っている事も、思いつかない物にじゃれていることも、びっくりするような体勢で熟睡している事も、全部つい口元が緩んでしまいます。「こら!」と言った後で、「まったくもう」と微笑んでしまいます。すぐに写真に撮りたくなってしまいます。
話し掛けてしまうことも多いでしょう。「にゃー」と言われると、つい返事をしてしまうでしょう。コタツが狭くなっても、寝返りが打てなくても、なぜか許してしまうのです。
べったりくっつく事が無い猫でも、なんとなく近くにいてくれると、それだけでほっとします。寒い冬には絶好の湯たんぽになってくれます。
完全室内飼育だから、つまりいつでもそばにいてくれるから、このように心の栄養になってくれるのです。


★絶対に太りやすい★

ところが、室内飼育をする上で避けて通れないのが「肥満」です。よほど羨ましい体質で無い限りは太ります。不妊手術と慢性運動不足が原因です。
外で生活している猫は、健康と縄張りを維持するために絶えずエネルギーを使っていますし、定期的に栄養満点の食事にありつけるとも限りません。しかし室内飼育の猫は、安全で快適な縄張りと、ともすれば多すぎる食事を約束されているのですから、エネルギーを使う時がありません。せいぜい闇雲にじゃれたり走ったりよじ登ったりするくらいが関の山ですし、次の瞬間には熟睡している事もあるので、果たして少しのエネルギーでさえ使ったのかどうかもわかりません。
猫を運動で痩せさせる事は(私達同様)ほぼ不可能です。適度な運動は、むしろ食事をおいしくしてしまうからです。一緒に遊ぶ事は良い関係を続けるために重要な事ですが、これで減量させようとは考えないでください。
それよりも、質の良い食事を適量与える事が最善です。適した体重は体長や年齢などによって個体差がありますので、かかりつけの獣医師とよく相談して、その子にとってちょうど良い体重を維持できるよう、しっかりと食餌管理をしてあげましょう。間違っても晩御飯の残りを与えたり、出汁を取った後の煮干や鰹節を与えたりしないでください。悪い食習慣は、肥満のみならずさまざまな内臓疾患を引き起こし、命を落とす原因となります。


家の中に猫を閉じ込めることは、人間のエゴかもしれません。しかし、現在の外の世界が、猫にとって決して住み良い環境ではない事も確かです。
外出しない事と不妊手術をする事と引き換えに、生涯健康で幸せな生活を保障する、という取引が成立したと考えて、不幸な命が減るように心掛ける人が増えてくれれば、猫たちは今よりもっと私達の心の栄養になってくれるでしょう。


ネコの室内飼育パート1はこちら⇒
http://www.petjpr.com/column/news-bin/Detail.cgi?rgst=00000122&CatgM=3

キーワード

プリモ ペットクリニック 室内飼育 肥満 ワクチン 病気 猫エイズ 猫白血病