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神経感覚器

ひょっとして痴呆症?パート2 〜対処法と予防法〜 [神経感覚器]

ペットが痴呆症になってしまったらどうしたらいいでしょうか?飼い主さんの対処法ひとつで痴呆のペットも飼い主さんも両方幸せに。。夜寝ない、吠え続ける、ずっとぐるぐる回る・・・それぞれの適切な対処法は?


★痴呆行動に対する対処法★

昼夜の逆転・夜鳴き
昼と夜が逆転している場合は、昼間あまり寝かさずに遊んだりかまったりするとよいでしょう。もしくはサークルのようなものを作って、その中で回るようにすると疲れてしまうため、夜にはよく眠り、夜鳴き防止にもなります。昼夜の逆転に対しては日中に十分な日光浴をさせ、体内時間を元に戻すのもいいでしょう。ただし、真夏の日中に外での時間が長くなると熱中症になる恐れもあるため避けましょう。

歩き回って壁に頭をぶつける
お風呂マットをつなげ合わせて円形のサークルを作ります。するとその中をグルグルと歩きつづけるので部屋中を徘徊することもありません。また小型犬の場合は子供用のビニールプールをサークル代わりにするのもいいでしょう。

排便・排尿の問題
もし、排便排尿を我慢できない状態になったら、汚れても簡単に掃除できるように工夫することが大切です。カーペットを敷いた部屋よりもフローリングの部屋のほうが掃除しやすいでしょう。

また、しっぽにあたる部分を切り取れば人間用のオムツも適用できます。動物用より断然費用がかかりません。その際には頻繁に交換し、蒸れたり汚れたりして皮膚病を起こさないように注意しましょう。

寝たきりになる
寝たきりになると床ずれができてしまうことが多くなります。そのため、梱包用のエアシート(プチプチシート)を活用しましょう。クッション性があるので寝床に重ねて敷くと床ずれを軽減できます。ビニールなので防水性もあり水洗いもできます。

精神的な異常
できる限り環境を変えないようにし、安心感を与えましょう。老犬になると足腰が弱ってくるため散歩も控えがちになりますが、犬にとって散歩は大きな楽しみの一つです。外の空気に触れることは気分転換やよい刺激にもなるため、体に影響を与えない程度にできる限り行うようにしましょう。

自宅ではスキンシップをとりましょう。飼い主さんの愛情がこもったふれあいこそ、最良の生きる刺激であり幸せなのです。

また、痴呆症に対する対処は1日だけではなくその後も毎日続くものです。飼主さんが1人で抱え込むと負担が大きすぎ、八方ふさがりになってしまうこともあるかもしれません。特に大型犬の場合では飼主さんの体力も消耗してしまうでしょう。家族みんなで協力したり、動物病院など悩みを聞いてくれる相談窓口を見つけておきましょう。


★高齢になってから起こる病気★
 
老齢になってくると体のさまざまな機能が衰え、体力や抵抗力なども低下しやすくなるのでどうしてもいろいろな病気にかかりやすくなります。
 
6歳を過ぎ老齢期を迎え始めたら、年に1回程度は動物病院で定期検診を受けましょう。痴呆症と同様に高齢犬の病気をしっかり把握して、病気の早期発見・早期治療に勤めることは、愛犬に元気で長生きしてもらうためには欠かせません。

■心不全
高齢になると、大型犬・小型犬に関わらず心不全が起こりやすくなってきます。あまり動きたがらなかったり咳や息切れが多くなったりしたら、それは心不全のサインかもしれません。

■関節疾患
歩き方がおかしい、階段の上り下りを嫌がる、足に触れると痛がるなどの症状がでてきます。そのままにしておくとさらに進行していきます。

■歯周病
ご飯が食べずらそう、口臭がする、頬が腫れるなどの症状が出ます。進行すると歯が抜けたり歯周病を起こしている菌が内臓疾患を引き起こしたりすることもあります。

■白内障
目が見えづらくなってくるため、階段でつまずいたり物にぶつかったりすることが増えます。水晶体(レンズ)が白く濁ってきます。

■乳腺腫瘍
乳腺にできるしこりです。高齢の避妊手術をしていないメスに多く発生します。

■悪性腫瘍
各臓器、骨、リンパ、皮膚などいろいろな所にできます。徐々に痩せていきます。

■内臓疾患
腎不全、肝不全、糖尿病など老齢による各臓器の機能低下より起こり始めます。

★痴呆の予防や、進行を遅らせるにはどうしたらいいの?★
 
人間の場合、高齢になってもいろいろなことに好奇心を失わないでいると痴呆症が出づらくなると言われています。それは犬の場合も同じように考えられています。

毎日の生活が退屈だと、老け込んだり早く痴呆症になったりするかもしれません。無理にならない程度に散歩させたり一緒に遊んであげたりするといいでしょう。また、手厚くケアすることも大切ですが、ペットが自分でできることはなるべくやらせて毎日の生活に刺激を持たせましょう。

また、痴呆症は治るものではありませんが、進行を遅らせることはある程度なら可能です。痴呆が現れる前のだいたい10才(大型犬なら8才)くらいから、EPA(エイコサペンタ塩酸)やDHA(ドコサヘキサ塩酸)など、不飽和脂肪酸と呼ばれる老化防止に役立つサプリメントを与えるのも方法の1つです。
また、抗酸化の働きをもつ栄養素のビタミンCやEを与えたり、酸化の進んだ古いフードは食べさせないようにしましょう。


★大事なのは健康管理です!★
 
日常生活を常に一緒にいると、行動の違いにあまり気がつかないものです。年に数回、遊んでいる時や歩いている時の様子をメモしておいたりビデオカメラで撮影し、比較するのもよいでしょう。もし変化が見られるようなら痴呆症であれ病気であれ、それだけ早い対処ができます。

また、前述のように無理にならない程度に遊んであげたり生活に刺激を持たせたりして、何よりも飼主さんとのスキンシップを大切にしましょう。痴呆症に対しては病院での治療より、飼主さんや家族の愛情が大事です。そしてどの犬でも起こる可能性があり、特別なことではないのです。

そのことを正面から受け止めて、飼い主さんがその時できることを精一杯してみましょう。それがその子の生きるパワーとなり、また、一番大切なことでしょう。

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