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消化器

犬の歯の基礎知識と上手な歯磨き法について [消化器]

乳歯と大人の歯の違い。歯式って知ってますか?歯の上手な磨き方・・無理せずステップを踏んで慣らしていこう!


★乳歯と大人の歯の違いって?★ 
 
歯には脱落性の乳歯(子供の歯)と非脱落性の永久歯(大人の歯)の2種類があります。

生まれたばかりの子犬には歯が生えていません。乳歯は永久歯に比べ歯根部が浅く、抜けやすい状態になっており、生後1ヶ月くらいから生え始め約2〜3ヶ月で28本生えそろいます。そして、生後3〜7ヶ月の間に徐々に永久歯に生え変わっていき、最終的には42本生えそろいます。


★歯の数は?★ 
 
口先から順に、切歯(I)・犬歯(C)・前臼歯(P)・後臼歯(M)の4種類それぞれの歯の数を表したものを歯式といいます。

分数それぞれの上段は上顎、下段は下顎を表します。これらは片側の歯だけなので、歯の合計はその倍の数になります。

【歯式】

(乳歯)
【(I)3/3(C)1/1(P)3/3】×2=28
*乳歯の場合、後臼歯は生えません

(永久歯)
【(I)3/3(C)1/1(P)4/4(M)2/3】×2=42


★歯の種類と役割ってあるの?★ 
 
ワンちゃんの歯の種類と役割は以下のように分けられます。

切歯:人間でいう前歯のことを指します。食べ物を口に入れる前に切り裂く働きもがありますが、物をかじったり、毛づくろいをする時にも使います。

犬歯:特によく発達している歯で物をしっかりとくわえたり、引き裂く時に使います。

前臼歯・後臼歯:人間でいう奥歯のことを指します。前臼歯はやや狭い間隔で、でこぼこした列になっています。このでこぼこが食べ物をしっかり噛み切る・切り取る役割をしています。後臼歯は食べ物をすりつぶす役割をしますが、この機能は雑食性や草食性の動物ほど発達しています。

個体差もありますが、多くのワンちゃんは、あまり咀嚼することなく食べ物を丸呑みします


★歯の噛み合せとは?★ 
 
ワンちゃんの種類によって理想の噛み合せは違ってきます。それぞれの歯の役割を引き出すためには、ワンちゃんに合った正しい噛み合せのほうが理想的です。愛犬がどの噛み合せになっているかチェックをしてみましょう。

シザーズ・バイト:はさみのように上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接している噛み合せのこと。この噛み合せが一般的とされています。

レベル・バイト:上下の端と端がペンチのようにきっちり噛合う噛み合せのこと。

オーバーショット:上の切歯が下の切歯より前に出すぎて触れ合わない噛み合せのこと。

アンダーショット:下の切歯が上の切歯より前に出すぎて触れ合わない噛み合せのこと。パグやシーズーはこの噛み合せが一般的とされています。


★歯の病気ってどんなものがあるの?★  
 
動物病院に来院するワンちゃんの半数以上が危険にさらされている病気が歯周病です。歯周病とは歯垢・歯石中の細菌が生産する菌によって歯周組織が破壊され、歯が抜けてしまう病気です。

その他に歯周ポケット(歯と歯茎の間)にたまった細菌により、歯肉に炎症を起こす歯肉炎や歯周病による細菌感染、打撲・温熱による刺激が原因で起こる歯髄炎などが挙げられます。


★歯を健康に維持するためには?★ 
 
歯の健康を維持するためには、きちんと歯磨きをしましょう。

歯周病は歯垢や歯石が原因となって起こります。歯周病予防のためにプラーク(細菌の塊)をゼロに出来れば良いのですが、それは不可能です。しかしながらプラークの増殖を抑え、いつも健康な歯でいるための最も大切な予防法が歯磨きです。歯を健康に維持するために歯みがきの習慣を身に付けましょう!!


★上手な歯磨きの仕方★

【ステップ1】
まずは口の周りを触ることから始めましょう。触られても嫌がらないように徐々に慣れさせていきましょう。口の周りを触られることに慣れてきたら、指ブラシに歯みがきペーストを少量のせて味見させてあげましょう。(歯みがきペーストは犬用のものを選びましょう。)

【ステップ2】
指ブラシに慣れてきたら、歯ブラシを使って優しく磨いてあげましょう。

【ステップ3】
まずは前歯(切歯・犬歯)から歯ブラシで円を描きながら歯と歯肉をマッサージするように磨きます。前歯に慣れてきたら奥歯・歯の裏、そして最後は全部の歯を磨いてあげるようにしましょう。

嫌がっているのに無理やり歯ブラシをしてしまうと、歯を触らせてくれなくなってしまうかもしれないので、ワンちゃんのペースに合わせてゆっくりと進めていきましょう!


★おわりに★
 
愛犬の歯のケアは、飼い主さんも愛犬も慣れるまでは根気のいることかもしれません。しかし、歯ブラシをはじめ正しいケアをしてあげて、お口をいつも清潔にすることが愛犬の健康へとつながります。

先を急がず、ステップ1から順に時間をかけてケアすることが大切です。愛犬とコミュニケーションをとりながら、楽しくお口のケアができるといいですね。

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