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呼吸循環器

僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気? [呼吸循環器]

愛犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断されました。僧帽弁閉鎖不全症は高齢犬でとても多い病気です。犬種によってなりやすい犬種があります。僧帽弁閉鎖不全症との上手な付き合い方。


★弁膜症ってなに?★

弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)とは心臓の病気です。心臓には4つの部屋がありますが、左心房と左心室の間にある僧帽弁の閉まりが悪くなり、左心室から左心房に血液が逆流してしまう症状のことを言います。僧帽弁とは血液を上から下にきちんと流れるように役割を果たしています。その僧帽弁の閉まりが悪くなり血液の逆流がおこり弁膜症となります。

流れが悪くなることで、心臓の機能が悪くなり体に充分な血液が渡らず、そのまま気づかずにいると肺に水がたまってしまい、呼吸が出来なくなる命に関わる危険性の高い心臓病のひとつです。

365日休まず動いている心臓は、年齢とともに心臓を構成している弁や筋肉も次第に衰えてきます。弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は、徐々に僧帽弁の部分が硬くなったり萎縮したりすることで弁がピッタリと閉じなくなり、正常に働かなくなってしまうことから起こります。


★どんな症状が出るの?★
 
弁膜症はシーズーやポメラニアン、キャバリアなどの小型犬に特に多くみられる病気です。中年期の7歳から発症することが多く、主な症状には以下があります。

・咳をよくする
・食欲がない
・呼吸が速い
・失神してしまう
・散歩を嫌がる
・足がふらつく


このような症状が出た場合、もしかしたら弁膜症かもしれません。適切な管理を行わないと、呼吸が苦しくなり愛犬が苦しむとてもやっかいな病気です。気になることがあった場合はそのままにせず病院で受診しましょう。


★弁膜症はどのように進行するの?★
 
では、弁膜症とはどのように進行していくのでしょうか?ステップごとにみてみましょう。

ステップ1 聴診により心雑音が聞こえる
(治療開始が最も効果的な時期です。治療により長生きさせることが可能です。)

ステップ2 聴診により、はっきりとした心雑音が聞こえる
(薬剤による治療が行われます。)

ステップ3 呼吸困難や運動をするのを嫌がる症状が出る
(このような症状が出た場合は進行が進んでいる場合です。すぐ治療に入ります。)


★弁膜症になってしまったら★

心臓弁膜症になってしまった場合、治療は心臓の負担を軽減するために通常は内服薬での治療が主になります。病気の進行により薬の種類や量など調節するため、定期的な動物病院での検診が必要となります。処方食などが病院より出される場合もあります。

動物病院で処方してくれるものには、心臓をサポートする働きのものがあります。その処方食は、体の中にナトリウムや水分がたまるのを防ぐためにナトリウムを制限しており、また心臓の収縮機能を支えるためにタウリンやL-カルニチンを強化しています。

その他に塩分や脂肪分の多い人間の食べ物やジャーキーなどは与えないことが大事です。しかし、まだ心臓の病気が初期の時にいきなり塩分を減らすと余計に心臓に負担がかかり非常に危険なため、心臓が悪くなるに従って少しずつ塩分の量を減らしていきましょう。

また、家庭での看護が特に重要になります。家族の協力こそが病気の進行を遅らせる鍵となります。また肥満犬に比較的多い病気なので、体重・食事管理が大切になります。

病気の進行を抑えるための薬物投与と生活の改善が基本の治療方法の両方が求められます。


★まとめ★

早期発見のために5歳をすぎたら半年または、1年に1回は定期検査を受けるようにしましょう。

万一、血液の逆流を示す心雑音があった場合は精密検査を受けて心臓の状態チェックをしてもらう必要があります。病気の予防は困難である場合でも病気の早期発見・治療をすれば病気の進行を抑え、今後の生活を少しでも長く楽しく過ごせます。

また、塩分や脂肪分の多い食べ物を与えないなど普段からの食事管理に気を使い、心臓病の悪化を防ぐばかりではなく、健康的な生活を送るために必要なことです。ペットと一緒に長生き出来るように日頃からしっかり健康管理をしましょう。

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