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肛門腺から血膿が・・肛門腺炎の話 [皮膚 ]

ワンちゃんやネコちゃんにもスカンクと同じように、臭いニオイのする液状の“肛門腺”というものがあります。それは一体どのような役割があり、そしてどのような病気を引き起こすのでしょうか?


★肛門腺ってなに?★

肛門腺とは臭腺と呼ばれる場所から出るくさいニオイのする分泌液のことで、その分泌液は肛門嚢とよばれるニオイ袋にたまります。このニオイ袋は肛門の左右両側、時計でいうと4時と8時くらいの場所にあり外側からは見えません。

そしてたいていは排便のときに肛門を通過する便の圧力によって肛門腺が押し出されます。また、犬が驚いたり興奮したりした時に飛び出すこともあります。

肛門腺を出すことは、ワンちゃんやネコちゃんにとってニオイ付けのための手段のひとつです。排便時に一緒に肛門腺も分泌することで、自分のテリトリーに目印をつける役目があります。また、犬同士が出会うとお尻のあたりを嗅ぎ合うのは、肛門腺のニオイによって個体を識別するためといわれています。


★どんな病気があるの?★

肛門腺に関する病気は、肛門腺がうまく出ずどんどんたまり続けてしまうことから起こります。ではどのような病気があるのでしょうか?

《肛門腺炎》

肛門腺の排出困難とそれに続く肛門嚢の細菌感染を起こします。肛門腺は個体によってそれぞれニオイや色などが異なりますが、異常な肛門腺は黄色っぽくて血液が混じっていたり、それが膿状になるとさらに悪臭となります。自然に肛門腺を出すことができなくなるため不快感を感じ、床に肛門をこすりつけたり肛門を舐めたり噛んだりして、肛門の周りの皮膚炎をも起こしてしまいます。

肛門腺炎を起こしてしまった場合は、1〜2週間毎に分泌液をしぼり出すことを繰り返し、肛門嚢の中を空にします。その状態で抗生物質の内服や肛門嚢の中を洗浄して病気を治療します。

《肛門腺膿瘍》

肛門腺炎がさらに進行すると肛門腺膿瘍になります。肛門嚢の細菌感染がさらに広がり発熱が起こり、外見からもわかるくらいに肛門嚢の部分が膨らみます。そこの皮膚は赤く、のちに赤紫色、濃紫色へと変わっていきます。そしてついにはその部の皮膚が破れて穴があき、そこから血様の分泌液が流れ出てしまいます。

治療法は何回も肛門嚢を洗浄し、抗生物質を内服します。再発しやすいような場合は肛門嚢を摘出する手術を行う場合もあります。


★どうしてその病気が起こっちゃうの?★

肛門腺は通常、排便する時や興奮・恐怖など感情的になったときに出るべきものです。しかしそれが詰まってうまく出ずたまり続けてしまうと、徐々に濃縮していきペースト状に変わっていってしまいます。すると肛門嚢の小さな出口から排出することがさらに難しくなっていきます。そして肛門腺炎を初めとする病気を引き起こしてしまうのです。

また、太りすぎによって肛門腺が出しづらくなったり、ストレスや下痢・便秘などの体調不良、寒さや高齢のためあまり動かなくなったときなどが原因でもたまりやすくなります。


★どうやって予防するの?★

定期的に肛門腺をしぼってあげて、中の分泌液を出してあげるのが効果的な予防法です。

ただし、排便時に自分で排出している子もいるので、お尻を気にするようなそぶりがない場合はわざわざしぼってあげる必要はありません。たまる期間に個体差がありますが、自分で出せず肛門腺がたまる子の場合は大体一ヶ月に一度くらいのペースでしぼってあげましょう。お尻を地面にこすりつけたり、お尻のほうからくさいニオイがするようになった頃がしぼる目安の時期です。

また、肛門腺炎を起こしてしまっているときに無理にしぼって分泌液を押し出そうとすると痛がることもあるので、無理にしぼらないで動物病院で処置してもらいましょう。


★肛門腺のしぼり方★

1. しっぽを片方の手で持ち上げて、もう片方の手にティッシュペーパーや湿らせたガーゼなどをあてて、肛門腺の場所をつまみます。肛門腺は肛門のすぐ下時計の4時と8時の場所辺りに位置するので、そこを指でつまむと肛門腺が入っている肛門嚢を小さな固い塊として触ることができます。

2. その肛門嚢を親指と人差し指でつまみ、肛門の中心に向かってゆっくりと圧をかけて下から上に押し上げるようにして中の分泌液を出します。たまっている肛門腺が液体の場合は簡単に搾り出すことができます。

3. 肛門の周りをきれいに拭き取ってあげます。


肛門腺をしぼる時に分泌液がピュッと飛び出すときもあるので、かからないように注意しましょう。また、ネコちゃんの場合はお尻を触られるのを嫌がって噛みついたり引っかいたりする場合があるので十分に気をつけましょう。


★飼い主さんが気づいてあげましょう!★  

最初は上手にしぼれないかもしれませんが、何度もやっているうちだんだん覚えていきます。一度コツをつかんでしまえば家でも簡単にできることなので、がんばってみましょう!

肛門腺の場合に限らずワンちゃんやネコちゃんはどこが痛い、どこが痒い、などと言うことができません。肛門腺がたまったときにお尻を地面にこすりつけたり舐めたりするのもそれを知らせるサインの一つなのです。かわいい愛犬・愛猫がサインを出しているのであれば、それに気づいて受け止め、応えてあげることが大切です。

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