獣医師や看護師が贈るペットコラム
獣医師や看護師が贈る
ペットコラム

いつでも元気にいて欲しいからここからコラムをお届けします

ペットクリニックHOME » 病気と予防 » 一覧 » 猫の腎不全 [泌尿生殖器]

泌尿生殖器

猫の腎不全 [泌尿生殖器]

猫は腎不全が多いことを知っていますか?ぼうっとする、頭痛、全身のだるさ、食欲低下、吐き気、口臭、血圧が上がる、尿が多くなる、脱水・・心当たりがあったら健康診断の血液検査をしましょうね。


★腎臓って何をしているの?★

お酒を呑みすぎると肝臓を悪くすることは有名です。肝臓は何をしているのでしょうか? アルコールを分解する所?

では、お酒を呑まない動物の肝臓はヒマなのでしょうか? そんなことはありません。

肝臓は、体の中に入ってきた毒を解かしている所です。毎日の食事にもほんの少しずつですが、体にとって良くない効果を持っている成分が含まれています。それが体に貯まらない様にしてくれているのです。

そう! お酒は「毒」なのです。ただし「薬も過ぎれば毒となる」のですから、断定はできません。

では、腎臓は何をしているのでしょうか?肝臓と同じくらい大切な働きをしているはずです。腎臓はおしっこを作っている所です。


★おしっこの作り方★

おしっこって何からできているのでしょうか? おしっこは血液から作られます。

血液は肺から酸素を、小腸や大腸から栄養分を受け取って、体中を巡回します。そして酸素や栄養分を配給しながら、体の中のゴミを回収して腎臓へ向かうのです。腎臓は血液の中の要らない物を拾い上げる役割をしています。

酸素と栄養分は血液と一緒に見逃して体に戻し、ゴミと余分な水はおしっことして体の外に出すために、拾い上げて膀胱へと流します。


★おしっこの黄色★

人間も犬も猫もおしっこは黄色です。赤かったら血尿ですし、緑色だったらびっくりしてしまいます。

この黄色は体の中で作られたゴミの色です。ですから、お酒をたくさん呑んだ次の日のおしっこは、ゴミの量と比べて水分が多くなっていますから、黄色が薄くなっているでしょう。逆にたくさん運動をして汗をかいたり、水を飲むヒマもないくらい忙しかった後のおしっこは、ゴミの量に対して水分が少なくなっていますから、濃い黄色になっています。

体の中は決まった働きを続けていますから、ほぼ決まった分量のゴミが出てきます。それに対して水の量は生活態度によって変わってきますから、1回のおしっこの量に伴って黄色が濃くなったり薄くなったりするのです。


★猫のおしっこ★

猫のおしっこはクサイといわれます。また、犬や人間のおしっこと比べると濃い黄色をしています。

犬や人間は毎日たくさんの水を飲みますが、猫はあまり水を飲みません。ですから、ゴミの量に対して水分が少ないのです。

あまり水を飲まないのは猫の動物としての習性ですから、食欲も元気もあれば心配はありません。おしっこの臭いはゴミの臭いですので、おしっこが濃くなればニオイも強くなります。


★「腎不全」ってどんな病気?★

「心不全」の時もお話したように、不全とは働きが100%ではないことです。90%かも知れませんし、30%かも知れません。

腎臓が「不全」になると、ゴミを拾い上げる力が弱くなってきます。「よっこらしょ」と言っているうちに次のゴミを見逃してしまい、ゴミを膀胱へ流さずに体に戻してしまうのです。そうするとおしっこの色は薄くなり、匂いも弱くなってきます。

体はどうしようかと考えます。そこで物量作戦に出るのです。

働きが100%なら、10あるおしっこのうち6はゴミだとしましょう。ところが腎不全になって拾い上げる力が弱くなってしまうと、10のおしっこが出る時にゴミは3しか出せなくなってしまいます。あと3は? おしっこをもう10出さなければなりません。そうして、腎臓が悪くなると、水をたくさん飲むようになるのです。

さらに、ゴミを腎臓に受け取ってもらうことができなかった血液は、荷物を持ったまま体に戻されてしまいます。酸素や栄養分を持つはずだった腕にはまだゴミを持っているのですから、酸素や栄養分を持つことはできません。仕方なくゴミを持ったままで体中をもう1周することになってしまうのです。

栄養分や酸素を配給するはずの血液がこの有り様では、配給係が足りなくなってしまいます。体中が欲しがっている酸素と栄養分を十分に配給できなくなる結果、体は痩せてきてしまうのです。


★膀胱は何をしているの?★

膀胱は、おしっこを貯めておく所です。体の中のゴミ捨て場です。

たとえば膀胱結石があっておしっこがつまってしまったり、忙しすぎてトイレに行く時間がなかったり、膀胱炎でゴミ捨て場が故障してしまったりすると、膀胱の中におしっこが満杯になってしまいます。

猫の性格によっては、何か気に入らない出来事が起こるとどこかに隠れて引きこもってしまい、トイレに行くことすら我慢してしまうことがあります。お友達が泊りに来たとか、近所の工事の音がうるさいとか、トイレの砂の種類が変わったとか、気に入らない原因はさまざまです。その結果、膀胱炎になってしまうこともしばしばあります。

血液は常に流れていますから、腎臓はゴミを拾い上げ続けているはずです。でもゴミ捨て場が満杯だったら、拾い上げたゴミを流す場所がなくなってしまいます。流せないゴミは拾えません。そうしてこの場合もゴミが見逃されてしまい、腎不全の状態になってしまうのです。


★腎不全にはなりたくない★

体の中のゴミがいつまでもぐるぐる回っているのは、健康に良いわけがありません。だから腎臓は頑張って働いてくれているのです!是非大切にしてあげましょう。

キーワード

プリモ ペットクリニック 高齢猫 シニア 老猫 腎臓病 腎不全 慢性腎不全 尿 腎臓 おしっこ ペット 犬 イヌ 猫 ネコ