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飼い方

脱水症状について【飼い方】

ペットが脱水するのってどんな時?脱水症が疑われるときはどんな液体をあげるといいのかな?・・アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の違い


★「脱水」による電解質の欠乏★

犬や猫の体は約60%(成犬・猫で約60%、幼犬・猫で80%)が水分ですが、下痢が続くと水分だけではなく必ず電解質も一緒に失ってしまいます。体の水分と電解質が欠乏した状態を医学的に「脱水」と呼びます。生物にとって不足した水分を迅速に「補充」することは、さらなる状態の悪化に対する危機回避に繋がります。
では「電解質」とは何でしょうか。簡単に言えば「スポーツ飲料水に入っている成分」と大雑把にイメージすれば問題ありません。例えば、汗をかくとその影響で電解質の1つであるナトリウムが不足(低Na血症)すると言われています。つまり水分の喪失と同時に電解質も喪失してしまうため、十分な水分と同時に十分な塩分(NaCl)を補給しなければならないのです。


★「脱水」に対する簡単な対処方法★

脱水時には水分だけではなく、電解質も一緒に与えることが大切であることが判っています。では、何をどのようにして与えればいいのでしょうか? ここで大切なことは、水分と電解質を含んだ飲み物を与えること、そしてその飲み物が体に素早く吸収されるものであることです。「その飲み物はいったい何?」と答えを急ぎたくなる気持ちは分かりますが、まずは「体に素早く吸収されるとはどういうことなのか」を考えてみましょう。
「浸透圧」という言葉を聞いたことはありますか?浸透圧とは濃度の低い溶液から高い溶液へ移動するように働く圧力のことを言います。基本的に体液よりやや低い浸透圧(200〜250mOsm/kg)の飲み物を摂取すると、胃腸からの吸収が良いとされています。またブドウ糖が含まれていた方が、さらに小腸でナトリウムと水の吸収が良くなります。つまり、脱水時には浸透圧がやや低めでブドウ糖を含んだ飲み物を与えるのが効果的なのです。


★アイソトニックとハイポトニック★

スポーツ飲料はこれまで説明したような点で優れており、人間社会の中ではその地位を確立しています。そのスポーツ飲料のCM等でよく聞かれる「アイソトニック」や「ハイポトニック」とはどのような意味があるでしょうか?
血液や体液と同じ浸透圧を等浸透圧(アイソトニック)と言います。0.9%食塩水(=生理食塩水)は体液と同じ浸透圧に設定されています。体液より低い浸透圧を低浸透圧(ハイポトニック)と言います。アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の鑑別方法はズバリ糖質の%なのです。
ハイポトニック(低浸透圧)飲料 :糖質が2.5%以下の飲料水
アイソトニック(等浸透圧)飲料 :糖質が2.5%以上(通常8%前後)の飲料水
吸収力を考えれば、原理的に糖質が2.5%以下になるようにアイソトニック飲料を水で薄めればハイポトニックとなり吸収力がアップします。この知識を持って、皆さんがスポーツ飲料水を購入する参考にすると良いかもしれませんね。


★かんたん自宅でハイポトニック飲料★

では、自宅で簡単に作れるハイポトニック飲料をご紹介します。

[ハイポトニック飲料の作り方]
-水 :一度沸騰させた水1リットル
-砂糖 :大さじ4+1/2杯(40g)
-塩 :小さじ1/2杯(3g)
以上を加えて出来上がりです。レモンやグレープフルーツなどの果汁を搾って加えるとカリウムの補給にも繋がる効果がアップするかもしれません。


★「うちの子」に薦めるイオン飲料水★

犬や猫に対しても、スポーツドリンクやイオン飲料と呼ばれている製品は嘔吐や下痢(軽度)による脱水症を予防できそうです。しかし大人用のスポーツドリンクはスポーツ時のエネルギーチャージにピントを合わせてあるので嘔吐や下痢に関してはピンボケとなります。そこで犬や猫の脱水症に対する治療あるいは予防に乳幼児用イオン飲料水を提案します。

<乳幼児用イオン飲料水を勧める理由>
@ 乳幼児用イオン飲料水は電解質量が大人用スポーツドリンクの2倍、糖質は0.5倍である。
A 乳幼児用イオン飲料水は大人用スポーツドリンクに比べ動物病院で実施する点滴液に近い。
B 乳幼児用イオン飲料水は赤ちゃんの浸透圧(280〜290mOsm)にあっているため犬や猫にとってハイポトニックで吸収がスムーズとなる。


近くに動物病院もなく迅速に点滴ができないような状況であれば乳幼児用イオン飲料水を飲ませると効果的かもしれません。大人用のスポーツドリンクであれば1.5〜2倍に薄めて与えると吸収がよりスムーズになるでしょう。
コンパニオンアニマルは小さいので嘔吐や下痢でも大量の体液を喪失するため急激に脱水します。軽度であれば今回解説したように、スポーツドリンクを補助的に飲ませて経過を観察すると良いかもしれません。症状が続くようであれば、動物病院に相談しましょう。

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