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栄養学

ペットのサプリメントの選び方【栄養学】

一方、ペット用サプリメント市場においても、人間用サプリメントの普及拡大と同様に、今後の市場拡大が見込まれサプリメントに対する認知度も高まりつつあります。サプリの位置づけをどう捉えればいいのかな?


★サプリメントの分類と基本的な考え方★

ペット用サプリメントは、大きく2つに分類されます。ひとつ目は、ペットフードだけでは十分な摂取が難しく、不足しがちなビタミンやミネラルを補完するための栄養補助食品。そしてもうひとつが身体の生理学的機能をサポートする保健機能成分を含んだ保健機能食品です。
例えば愛着のある車にできるだけ長く乗り続けるためには、車のコンディションを把握し、定期的なメンテナンスをすることが必要条件となります。走行距離や使用頻度に比例して部品は消耗し、老朽化していくものです。その部品に対して補充したり、交換したりすることが最重要課題なのです。
車の「心臓」であるエンジンを保護する役割を担うエンジンオイルを定期的に交換すること、または車の「肉球」に相当するブレーキパッドやタイヤの管理を定期的に行うことは、事故を未然に「予防」し、車を安全に走らせるためのリスクリダクション(危険因子の低下)に繋がります。
サプリメント療法に対する考え方も同様です。不足した成分を補給し、さらにはニッチな部分を補強することが基本スタンスとなります。サプリメントのメリットをしっかり得るには、まず動物の状態をしっかりと把握し、何が必要であるかを知ることからはじめるべきです。そして、次に必要となるのがサプリメントの基本情報をしっかりおさえておくことなのです。


★ペットサプリメントの位置づけ★

アメリカでは1994年にDSHEA(Dietary Supplement Health and Education Act:ダイエタリー・サプリメント健康教育法)という法律が制定されサプリメントの基準が確立されていますが、日本ではではサプリメントに対する明確な定義がされていないのが現状です。厚生労働省が定めた薬事法による規制を受けることはありません。
サプリメントは医薬品と食品との中間に属しているという観点からメデイカルフードとも呼ばれおり、動物達の生活の質(QOL)を保つ上で効果を上げることが期待できます。古い諺に ”you are what you eat” という言葉があります。中医学(東洋医学)では医食同源あるいは薬食同源ともいいます。「人は食によって形づくられる」。つまり心も体も食生活に大きく影響を受けるため食生活は非常に重要であるということを謳った文句であると思われます。”you are what you eat”は犬や猫にも十分当てはまるでしょう。


★ケース別のサプリメントの摂取方法★

獣医学領域での研究はまだまだ発展途上と言えるでしょう。がゆえに、不適切な表示や誤解を招くような情報だけが錯綜している部分も否めません。科学的根拠に基づいた成分を十分含有し、かつ事実を述べたサプリメントを選択することが必要となります。獣医学領域で科学的根拠が得られている成分は限られますが、その中のいくつかをご紹介します。
例えば人の世界でもよく耳にする「L-カルニチン」は、オーバーウェイトの犬あるいは猫の減量を促進させる効果があることが科学的に証明されています。なぜ「L-カルニチン」が肥満に効果的かというメカニズムは次のとおりです。

眼には見えないミクロの世界のお話ですが、細胞レベルで体内のエネルギーを作り出す「工場」が存在します。私達の体と同様にペットの体脂肪(あぶら)も「工場」で燃やされてエネルギーとなります。ですからエネルギーが必要になると脂肪細胞から脂肪が放出され工場内へ移動する必要があるのです。しかし脂肪は自分ひとりで工場に向かうことができません。
そこで脂肪燃焼工場行きの「直通バス」に乗る(脂肪とカルニチンの複合体)必要があります。その「直通バス」の役割をするのが“L−カルニチン”です。直通バスが工場内に入ると脂肪を降ろし(脂肪とカルニチンの分離)、脂肪はエネルギーへと変身します。送迎バスに乗れないと脂肪は燃焼されず、再び脂肪細胞に戻り、皮下脂肪や内臓脂肪になる訳です。肥満には品種、性別、地域、避妊あるいは去勢手術実施の有無など様々なものが影響しますが、オーストラリアでの世論調査では、約41%の犬が肥満あるいはオーバーウェイトであったという報告があります。
ブルーベリー(Blueberry)は、ツツジ科スノキ属に分類される低木性果樹で、その名前は果実の色に由来しています。第二次世界大戦中イギリス空軍パイロットが夜間攻撃の際、ブルーベリーエキスを食べていると「薄明かりの中でも物がよく見える」との証言したことが研究のルーツになったといいます。その後の研究結果によってブルーベリーが人間の眼に効果的であることが実証されてから注目を浴びるようになりました。犬は人間に比べると、嗅覚や聴覚に対する視力のプライオリティーが高くありませんが、ブルーベリーに含まれるアントシアニンが活性酸素をやっつける強い抗酸化作用が認められています。

さらにブルーベリーには相当量のルテイン(lutein)という成分が含まれており、そのルテインが犬の免疫反応(細胞性あるいは体液性免疫の両方)を刺激することが研究により分っています。さらにルテインはそり犬を使って行った実験で、運動によって誘発された酸化傷害を減衰させるとことが結論付けられました。

ペットが快適な生活を送るために、日頃の食事、運動管理に加えてサプリメント療法を取り入れることは、飼い主様が自宅でできるケアーの一つとして今後ますますスタンダードとなることでしょう。しかし、一方でサプリメントと治療のために動物病院から処方されている医薬品との間に起こりうる悪い相互作用も懸念されています。現時点では有効な臨床データは報告されていませんが、サプリメントと共に医薬品を併用する場合はかかりつけの獣医師とよく相談する必要があります。「流行」にただ飛びつくのではなく、“わが子”の状況をよく把握し、専門家のアドバイスを受けながらサプリメント選びを楽しみましょう。

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