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検査

血液ってどんなもの?パートT 〜血液は全身をめぐる〜 [検査]

血液検査をすることは多くなったけどそもそもあの赤い液体は何?血液ってどんな成分でできているんだっけ?パートTは血液の成分と全身との関わりについてです。


★血液検査★

病気の疑いがある時はもちろん、そうでなくても健康診断などで、ペットが血液検査を受ける機会は実は人間よりも多くあるものです。

人間はお医者様と会話することができるため敢えて検査をしなくとも、質疑応答の中で原因を発見することができることもあります。しかし、動物はそうはいきません。

会話ができないだけでなく、痛みやだるさを我慢してしまったりすることも血液検査が必要となる理由のひとつです。いざ検査結果を見せられて「あなたのペットは○○の値が悪いです」と伝えられても、その値によってどこがどれくらい悪いのかはわからない事が多いものです。


★血液の中身★

血液の中身は、大きく分けると4種類あります。さてここでクイズです。その4つとは一体何でしょうか?

正解は、「赤血球」「白血球」「血小板」「血漿(けっしょう)」です。思い出せましたか?

このうち、前者3つは球とか板とか呼ぶだけあって固体です。最後の1つは液体です。

血液を遠心分離すると、下の方に固体がたまって、液体はその上に乗ります。

遠心分離とは、ものすごい勢いで振り回すことです。カクテルのようにシェイクするのではなく、容器の方向を一定に保ったまま、円を描くようにぐるぐる振り回すことを遠心分離と呼びます。重たい物(比重が大きいと言います)は遠くに飛んでいきますので、固体が容器の下のほうに沈むことになります。

血液全体を100とすると、このうち固体成分が45くらい、液体成分である血漿が55くらいです。さらに固体成分45のうち43くらいが赤血球で、白血球は1.5くらい、血小板は0.5くらいです。

そして、血液全体に対して固体成分が少ないこと を「貧血」、 血漿が少ないこと を「脱水」と呼ぶのですが、これは割合(%)に対する呼び名ですので、貧血と脱水が両方起こってしまうと割合が普通になってしまってどちらでもなくなってしまうのです。このときは、血液そのものの量が少なくなってしまったということ で「乏血」と呼びます。血が貧乏…。そのままです。

★心臓と血管★

血液は、心臓と血管を通って、体中を廻っています。
ご存知の通り、心臓は血液を押し出すポンプの役割をしています。心臓が止まってしまうと、血液の流れも止まってしまい、酸素が体に運ばれなくなってしまいます。酸素がなければ動物は死んでしまいますから、酸素を運ぶポンプである心臓を動かすために、体はたくさんの栄養を使います。ちなみに、心臓は筋肉です。

血管には2種類あります。動脈や静脈と呼ばれる大きな血管と、毛細血管と呼ばれる小さな血管です。大きな血管は、心臓とつながる主要道路で、国道や県道のようなものです。大きな道路ですので壁もしっかりしています。

毛細血管は動脈から枝分かれした小さな血管で、裏道です。この裏道はとても細かい穴が開いた壁でできているため、血液の液体成分である血漿は通り抜けることができます。固体成分は穴より大きいため通り抜けることはできません。詳しくは次回にお話しますが、血漿には栄養分が溶けていて、毛細血管を通り抜けた血漿は細胞内に入って栄養分を渡し、ゴミをもらって静脈に帰っていきます。大きな血管は、単なる血液の通り道ですが、小さな血管は血液の通り道としての他に、栄養分とゴミの交換所としての役割もあります。


★血液と関わりの深い臓器★

(小腸)

体が健康を維持するために必要な栄養分は、小腸から吸収します。小腸の食べ物が通る内側の壁には小さなイボイボ(柔毛と呼びます)がたくさんたくさんついていて、平らでいるよりも表面積が大きくなるように考えられています。そしてそのイボイボの一つ一つに毛細血管が細かく張り巡らされ、できるだけたくさんの栄養分を血漿が受け取れるように窓口を大きく取っています。

(肺)

風船のような臓器であることはご存知だと思いますが、大きな1つの風船というよりは、小さな風船の房のようなものだと思ってください。小腸と同じように表面積を広くして血液が空気に触れる窓口を大きくし、できるだけたくさんの酸素を赤血球が受け取れるようにしています。

★まとめ★

今回は血液の全体的な働きについてお伝えしました。血液と、特に関わりの深い臓器についてもほんの少しだけ触れていますが、これ以外の臓器が血液とは関係がないわけではありません。

これだけでも「へぇ」と思っていただけたと思いますが、次回の血液の成分ごとの働きには、もっと感心していただけると思います。ペットの体の中でも、飼主さんの体の中でも、血液は休み無しでこんなに働いているのです。
 不摂生な食事や生活は、血液に苦労をかけることになりますので気をつけてくださいね。

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