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しつけ・行動・マナー

成犬に社会化をやり直させる事ができるの?【しつけ・行動・マナー】

問題行動を予防したり、改善したりするためには、知らない人や犬や自動車を、怖がったり警戒したりする必要のない相手であると「知って」もらう以外にありません。大切なのは「教える」でも「しつける」でもなく、経験して「知って」もらうということです。


★社会化についてのおさらい★

犬が問題行動を起こしてしまう理由の多くは「恐怖」と「警戒」です。知らない相手を怖がって、自分に危害を加えることのないように警戒しているために、吠えたり噛み付いたりするのです。
問題行動を予防したり、改善したりするためには、知らない人や犬や自動車を、怖がったり警戒したりする必要のない相手であると「知って」もらう以外にありません。大切なのは「教える」でも「しつける」でもなく、経験して「知って」もらうということです。


★「知る」★

犬が何かを知る方法は、自分の体で「経験」して「納得」することです。
たとえば、犬を嫌いな人は、吠えられたりかまれたりと言う「経験」をした上で、犬は恐い動物であると「納得」して嫌いになります。この感情は理屈ではありませんから「理解」とは違います。頭では恐くないと分かっていてもどうしても好きになれない方は大勢いらっしゃいます。
このように、実際にやってみて、自分の望む効果を得られたり選られなかったりすることが判れば良いのです。
成犬は、これまでの経験で噛み付くべきだと考え、吠えるべきだと思い込んでいます。この「納得」を崩し、新しい「納得」をしてもらわなければならないのですから、時間も手間もかかるでしょう。正しいはずの方法を粘り強く続けるはずですから、飼い主さんはもっと粘り強く「経験」させなければなりません。


★「経験」と「納得」★

成犬を相手にして、現在嫌いな相手を好きになってもらおうと思うことはあまりお勧めできません。許してもらう程度にしておきましょう。
筆者も梅干しが嫌いですが、三十路を過ぎて今更好きになることなどできません。自分では決して選びませんが、出されれば食べられるようになりました。
このように、好きになってもらわなくとも、平気になってもらう必要はあります。「自動車は嫌いだけど前を通り過ぎるくらいなら我慢してやる」「知らない人間は気に入らないけれど、頭をなでさせてやってもかまわない」と、考えてもらえるようになれば、問題行動は結果として減っていきます。

梅干しを食べられるようになったのは、「ものすごく酸っぱい」という納得を「そうでもない」に訂正する複数回の経験があったからです。「おいしい」とまでは訂正されませんでしたが、ある程度の酸っぱさを予想して食べれば、我慢できるようになりました。
 酸っぱさを予想することは、経験を積んでできるようになったことです。
いくら吠えても反応しない自動車や、牙をむいても避けてくれない人間がいれば、自分ががんばっても「恐怖」から回避できないことを経験します。そして、いろいろとがんばるよりもじっと我慢しているほうが速く回避できることを「納得」するでしょう。
一番わかりやすい例は、自宅では爪切りできないのに、病院の診察台に乗せてしまうと、何でもやらせてもらえるという場合です。

吠えたり牙をむいたりすると、飼い主さんは諦めてしまうでしょう。しかし、獣医師や動物看護士は諦めるわけにはいきません。噛まれても暴れられても治療しなければならないのです。「もがいたり吠えたり逃げたりしたけれど結局やられた」という経験をした成犬は、「あの台の上ではどう抵抗しても無駄」と納得したのです。


★犬と猫の違い★

猫が台の上で動かなくなってしまうのは、諦めではなく警戒です。
犬は危険を感じると回避するための行動に出ますが、猫はひとまず動かずに状況を考える動物なのです。これは習性の違いですから、猫を相手にしては、上記の方法は犬ほど効果はありません。


★飼い主さんの頼り甲斐★

飼い主さんが犬にとってリーダーとして尊敬できる相手であれば、問題行動など起こさないでしょうが、もし他の所は良い子なのに何か一つだけ困っていることがあるとすれば、頼り甲斐を発揮するチャンスになります。
犬は群れで生活する生き物ですから、自分より上位の個体の命令はどんなに理不尽でも遂行します。ですから、吠えなければいけない相手でも、噛み付いたほうが良いと感じても、リーダーが駄目といえば駄目なのです。
お父さんがいれば吠えないけれど、お母さんだけだと吠える場合には、犬はお父さんを自分より上、お母さんを自分より下だと格付けしていることになります。


★六十の手習い★

人間だって、熟年や老年になってから習い事を始めることはできます。若い頃から続けている人や、現在若い人にはかなわないかもしれませんが、それでもやっていない人たちよりは上手にできるようになります。
犬は人間よりも集中力があります。時間もたっぷりあります。ですから、飼い主さんが辛抱強く教えてあげることができれば、きっとできるようになってくれます。

遅すぎることは決してありません。時間をかけて楽しく経験させてあげてください。

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